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「PIG/ピッグ」”Pig”(2021)

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「PIG/ピッグ」(2021)

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作品概要

  • 監督:マイケル・サルノスキ
  • 製作:バネッサ・ブロック、ディミトラ・ツィングー、トーマス・ベンスキー、ベン・ギラディ、ドリ・A・ラス、ジョセフ・レスタイノ、デビッド・キャリコ、アダム・ポールセン、ニコラス・ケイジ、スティーブ・ティッシュ
  • 製作総指揮:マイケル・サルノスキ、ロバート・バートナー、ヤラ・シューメイカー、ボビー・ホッピー、レン・ブラバトニック、アビブ・ギラディ、ダニー・コーエン、ビンス・ホールデン、マリサ・クリフォード、ティム・オシェイ
  • 原案:バネッサ・ブロック、マイケル・サルノスキ
  • 脚本:マイケル・サルノスキ
  • 撮影:パット・スコーラ
  • 美術:タイラー・ロビンソン
  • 衣装:ジェイミー・ハンセン
  • 編集:ブレット・W・バックマン
  • 音楽:アレクシス・グラプサス、フィリップ・クライン
  • 出演:ニコラス・ケイジ、アレックス・ウルフ、アダム・アーキン 他

山奥に一人住む男が、愛する豚を何者かに盗まれ、取り戻すために奔走するドラマ。

孤独な世捨て人になりながら、豚のために強い信念をもって突き進む男を「マンディ 地獄のロード・ウォーリアー」などのニコラス・ケイジが熱演。

監督は、脚本・監督としてのデビュー作となるマイケル・サルノスキ。

その他に「ヘレディタリー 継承」のアレックス・ウルフらが出演。

元アメリカ大統領であるバラク・オバマ氏が2021年に選んだお気に入りの12本の映画の一つとして、「ドライブ・マイ・カー」や「ウエスト・サイド・ストーリー」と共に称賛され、数々の映画祭や映画賞で高い評価を得ています。

また、主演のニコラス・ケイジ自身も後世に残したい3本の映画のひとつとして本作を挙げています。

監督はこの作品で高い評価を受け、その後「クワイエット・プレイス」シリーズ第3弾の監督に抜擢されるなど、注目されています。

日本だと特集の中で限定上映されて、評判が良く一般公開もされました。当時は聞いてはいたものの見逃してしまい、今回配信で初めて鑑賞しました。

「PIG/ピッグ」の公式サイトはこちら

~あらすじ~

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オレゴンの山奥で孤独に暮らす男、ロブは、忠実なトリュフ狩りの相棒であるブタと共に暮らしていた。

ロブはトリュフのバイヤーであるアミールに希少で高価なトリュフを売買し、わずかな物資で生活していた。

しかし、ある日、大切なブタが何者かに奪われてしまう。

ブタを取り戻すため、ロブはポートランドの街に向かい、アミールと共に手がかりを探す。

ブタの行方を追い求める中、ロブは自身の壮絶な過去と向き合うことになる、かつての故郷であるポートランドで。

感想/レビュー

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今作のポスターだったり、触れ込みだったりが、ちょっと誤解を招いています。

「俺の豚を返せ!」という言葉と共に、ひげ面で険しい顔をした傷だらけのニックの顔。

大事な犬を殺されたあの伝説の殺し屋「ジョン・ウィック」とかの、舐めてた相手が・・・というジャンルっぽい宣伝のされ方をしています。

しかし実際の話は全然違います。ニックが悪党をなぎ倒すようなシーンも、勧善懲悪的な展開もないです。

リベンジスリラーというカテゴリが振られているのも見かけますが、今作はれっきとしたヒューマンドラマです。

ここで描かれているのは、喪失と深い愛の物語です。

心に傷を負い外界と自分を切り離した男が、抱え続けていた喪失に対して向き合っていく感動的なドラマです。

バイオレンスですっきりするどころか、しんみりとした切ない物語にうるっと来てしまいました。

そして何にしても、主演がニックで良かったと言えるでしょう。

アカデミー賞受賞経験のある彼は、「マンディ」のようなクレイジーな作品から、メロドラマ、そしてコメディなどに出てきました。

しかし、やはりこんなにも真摯で観るものの心を奪うようなすさまじい名演を今までも見せつけてくる力を持っているのです。

改めて、ニコラス・ケイジという俳優の素晴らしさを体験できる映画です。本当に彼が良いんです。

ただ物言わずにやや険しい顔をしている。あまり集団に、会話に入らず、自分自身だけ違う方向を見つめる。

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顔の傷をほとんどそのままにし、流れている血もぬぐわない。そのままで歩き続ける。

彼の覚悟とか止まらない信念を感じるとともに、やはり傷ついた人なんだということをそのままルックに落とし込んでいます。

ロブが突き進むのはもちろんその愛の喪失が根底にあります。

妻亡きあとの唯一の拠り所であったり、なにか想い出としての要素もあるのでしょう。

ただ彼の言葉はニコラス・ケイジによりすごく重みと真実味をもって周囲にも影響していきます。

ここには商業と個人の愛、芸術が絡んでいます。

金になるからこそ豚はさらわれてしまう。しかしその金というのは、良質なトリュフ探しから、最後には芸術的な料理になっていくのです。

ロブは豚を愛している。何かに愛を注いだり、芸術としての磨き上げが、その先に金を生んでいた。

そのはずだったのに、いつしか金の方が力を持ってしまう。

それに対して嘘もなく、まっすぐと真剣に語り掛けるロブ。

レストランでかつての見習いに対して話すシーンは、まさかここで?と思いつつも、すごく感動してしまいました。

なぜ本気を出さないのか、何をしているんだ、自分は。

一度世界と距離を置いたからこそ見えているものが違うんですね。

静かで創造と違った方向に行くドラマはこんらんすることもあるかもしれませんが、それ以上に素晴らしい余韻と癒しを持っています。

探さなければ生きているとも思える。ロブは正しいですが、一方で豚を探しその死を認めることで、彼はまた妻の死をも認めることになりました。

そして聞けなかったテープを聞き始め誕生日祝いの声を聴く。これがロブにとって新たなスタート、新しい誕生なのです。

ニコラス・ケイジはこれからもいろいろな作品に出てほしいですね。

感想はここまで。ではまた。

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