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「ターミネーター2」”Terminator 2 Judgement Day”(1991)

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映画レビュー
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「ターミネーター2」(1991)

  • 監督:ジェームズ・キャメロン
  • 脚本:ジェームズ・キャメロン、ウィリアム・フィッシャー
  • 製作:ジェームズ・キャメロン
  • 製作総指揮:ゲイル・アン・ハード、マリオ・カサール
  • 音楽:ブラッド・フィーデル
  • 撮影:アダム・グリーンバーグ
  • 編集:コンラッド・バフ、マーク・ゴールドブラット、リチャード・A・ハリス
  • プロダクションデザイン:ジョセフ・ネメック3世
  • 美術:ジョセフ・P・ラッキー
  • 特殊メイク:スタン・ウィンストン
  • 視覚効果:デニス・ミューレン、ILM
  • 衣装:マーリーン・スチュワート
  • 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング、ロバート・パトリック 他

Si-Fi映画に革命を起こし、カルト的な人気を博した、ジェームズ・キャメロン監督の「ターミネーター」(1984)。今作はそれから7年越しの続編になります。

シュワちゃんもすっかりアクションスターになり、時代は90年代に。

そこにはより身近になった人工知能やコンピュータ、ネットが転がっているわけです。

そんな時代変化に、そして映画技術の進化にも、今作はどんなものを映し出すのでしょうか。もう有名作ですし、観てない方は是非1と合わせてご覧ください。

今作も前作同様に名言、名台詞が多いです。多くのパロディも生み出し、また、今作は続編が3作品作られました。

またこの作品はアカデミー賞にも6部門にノミネートし、技術系である音響や視覚効果、メイクアップを受賞しています。アカデミーよ、作品賞ノミネートもいいんじゃないか・・・?

サラ・コナーと未来から来た殺戮マシン、ターミネーターの死闘から10年。人類は平和の中に暮らしていた。

しかしここにまた未来から2体のターミネーターが送り込まれてくる。それぞれは共通の目標を持っており、それはサラの息子にして、未来では人類のリーダーとなるジョンだった。

2体のマシンはジョンを見つけると、片方はもう1体から彼を守った。そう、今回送り込まれてきたのは彼の抹殺を図る最新型のターミネーターと、それを阻止しジョンを守るためにやってきたターミネーターだったのだ。

辛くも逃げ切るジョンだったが、最新型のT-1000は抹殺のために休むことなく追跡してくる。母のサラを巻き込み、ここに再び人類の未来をかけた闘いが始まる。

カルト的人気を博した1作目から、大幅に予算を得て製作された今作。そういう点では低予算のインディっぽい映画から、ブロックバスター的な映画へと変貌を遂げています。

この作品で何が大きく変わったかと言えば、やはりこのころはまだ普及していなかったCG技術による視覚効果でしょう。アカデミー賞も納得の視覚効果に特殊メイク。

子供のころに観て以来、もちろん規模的な意味で進化はしていますが、このT2のCG、メイクは今見ても色褪せません。

それがいかんなく発揮されているのが、今作のメインヴィランである液体金属を使った殺戮マシンT-1000です。

ロバート・パトリックの狩人的な鋭さに冷たさを持ち、自在に変身する姿は恐ろしくもカッコいいです。

また銃弾を受けたメイクも良くできていますし、修復していくCGも素晴らしいです。

もともと液体金属が襲ってくるとか、それに発砲するとか、現実でも見たことはないです。ですから信じられるような説得力を出さなければ、良くわからないけど嘘っぽくなりそうですよね。

しかし腕の変形や顔がドカンと裂けたり、反射や金属がちぎれた独特なトゲなどとても良くできているおかげで、この設定も飲み込んで行けます。

・・・よく考えるとね、液体金属が変形はまだしも、服とかヘルメットとかまで質感はどうなってんだ?って感じですが。

前作では撃っても撃っても追いかけてくる怖さが特徴でしたが、今回は撃たれて変形した異形のものが襲ってくる、モンスター物のような要素もあって好きなところです。

もちろんシュワちゃん演じるT-800の顔面破損、腕の皮膚引っぺがしなど、度肝を抜く特殊メイクも健在。

キャラクターとしてはジョンもT-800もダイソンも好きなんですが、ターミネーターはサラの物語でもありまして。

今作のサラ・コナーの変貌ぶりには驚きです。

前作はファミレス勤めのヒロインでしたが、今回は女子力(物理)全開のメチャカッコいいママです。

彼女はカイルに教わったように、ジョンを指導者として教育するため、自身も鍛え抜いています。

今作においてサラがかなり重要な役回りですよね。

ジョンを導く指導者としてもそうですが、今回はサラが橋渡しのような皮肉交じりの役割をしています。

まずこの変貌ぶりですが、これは将来起こりうる危機に対する武装化という、戦争原理の一つになっています。

T-800が説明するように、人類がスカイネットに恐怖を覚え、電源を切ろうとしたことが逆に防衛本能として核攻撃の引き金となっています。

サラの行動はもっともらしくもあり、また着実に戦争準備を始めるというものでもあるんですね。

そしてもう一つおもしろかったのは、サラがダイソンの抹殺を図ること。

未来においての敵を、まだ何もしていない時代に消してしまう。やろうとしていることがまんまターミネーターです。

この逆転的な皮肉はすごく良いアイディアだと思います。

それでもサラには、合理的な考えを超えて人間の情が残っていました。必死に父をかばう子供の姿の前には、サラは優しすぎたんでしょう。

知ってしまった未来の恐怖を前に、先手先手で打ち勝とうとする。

始まってもいない戦争に勝つということは、何も知らない罪のない人が犠牲になっていくことです。

その恐れの前に傾きかけるサラですが、ジョンとT-800の築いていく関係をみて変わっていきます。

敵でもなく、そして忠実な僕としてでもなく、友達になろうとするジョン。人と触れ合い、人の美しい部分を学んでいこうとするT-800。

守るために殺すのではなく、守るために自分の命を投げ出す。

この機械との関係が築いていけるのなら、明るい未来にすることもできる。そして私たち人間も何か学ぶものがあるかもしれません。

前作が機械化の恐怖との戦いであるならば、今作はそれは90年代に入ってそれを受け入れながら、共存してより良い世界を目指す話に思えます。

事実CGという素晴らしきパートナーが、この映画で大活躍し、私たち人類に新次元の映像体験をさせてくれているんです。

スカイネットもうまく付き合えば、最良の友となり、共に涙を流せる日が来るかもしれませんね。

迫力のアクション、クールなヴィラン、驚異の映像に忘れがたい台詞の数々。最高の続編と言える素晴らしい作品です。是非とも1から観てみましょう。

3以降は・・・まあ好みです。いいとこもありますから。

ちなみにジョンとサラは未来世界等の証拠もないので、このままテロリストとして生きていくと考えると、世界を救ったお返しにしては酷過ぎない?ってのと、ラストの工場でT-800の腕が歯車に挟まっていたけど、ちゃんと処分しないとまた繰り返しにならないかな?っていう微妙な心配を個人的にずっと抱えている作品です。

それではここらで感想は終わりです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

Hasta la vista, baby!

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