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「猿の惑星:新世紀」”Dawn of the Planet of the Apes”(2014)

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映画レビュー
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「猿の惑星:新世紀」(2014)

  • 監督:マット・リーヴス
  • 脚本:リック・ジャッファ、アマンダ・シルバー、マーク・ボンバック
  • 製作:ピーター・チャニン、ディラン・クラーク、リック・ジャッファ、アマンダ・シルバー
  • 製作総指揮:マーク・ボンバック、トーマス・H・ハメル
  • 音楽:マイケル・ジアッキーノ
  • 撮影:マイケル・セレシン
  • 編集:ウィリアム・ホイ、スタン・サルファス
  • 出演:アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン 他

御存じ、あの「猿の惑星」フランチャイズの新作です。

初代はピエール・ブールの小説を基に1968年に公開された「猿の惑星」。こちらは人種差別の投影のような、支配していたものに支配される構図と、なんといってもあの衝撃のラストが有名な映画ですね。

それ以来何度も映画化されてきまして、ティム・バートンによる再解釈も2001年に公開されました(管理人はあれ酷いと思いますが・・・)。

それはさておき、2011年に今作の前の話にあたるもの、初代へつながるリブートであった、「猿の惑星:創世記」が公開されました。これは良かった。話が猿主軸ではあるにしても、ある種自由への解放を湧き立たせる映画でした。

そして今作「猿の惑星:新世紀」は前作から10年後を舞台に始まります。

研究所でのパニック、金門橋での猿と人類の初衝突から10年。

地球上に蔓延した猿インフル、そしてそれによって起きた人間同士の略奪と抗争によって、人口は減少。人類は生存の危機に立たされていた。

一方リーダー格のシーザー率いる猿たちは、森の中に家を作り、人間と関わらずに彼らの楽園を築き上げていた。

しかし森で偶然人間と猿が出会ってしまったことで、2つの種の運命が変わり始める。

前作でも驚いたCGによる猿たちがより磨かれ、表情豊かに映し出されますね。前作より文明化された姿、家族を大切にする姿が暖かい。

これは本当に素晴らしい。単にCG技術だけでなく、アンディ・サーキスはじめ、猿たちを演じた俳優たちのすごさ。

感情移入には十分、そしてなにより人間を見ているような気分になる、これが重要だと思いました。

私は特に、コバが人間をだますためにわざと猿らしく振る舞うシーンに驚きました。

知能の高い猿が、バカな猿っぽく演じている。というのを人間が演じているわけですよね。本当に見事な動き。感激でした。

また画作りも好きな感じです。もちろんシーザーのドアップのカッコよさもいいです。始まりと終わりが同じようなショットで感激。

コバの馬上アサルトライフルダブル連射、しかも炎の中から出てくるあたり、若干やりすぎですが良いですね笑

今までの猿の惑星の構図を受け継ぎながら、今回はいかに戦争が引き起こるかを描いていました。そのなかで平和を願うものの小ささ。

共存を願うシーザーとマルコム、他種族を倒し自分の種を守るというコバとドレイファス。

平和の願いも大きな2種族の流れにはちっぽけなもの。どんなに想っても大局を変えることは難しい。現実でもそうして戦争は止められないものなんでしょうか・・・

2項対立の作りが猿と人間をうまく見せていたと思います。

人間の出現にざわつく猿たちにシーザーが一声かけるとみんな静まります。次は人間側のシーン。そこではメガホンで大声をだしても騒ぐのをやめない人間たちが映ります。

ついにコバが一線を越えてしまったとき、一方では巨大なダムが動き出す。

シーザーのかっこよさ、コバのキレっぷりなど猿側はメイン寄りで、かっこよく。喋りなれない設定が逆に言葉を重くしている感じで良いです。

やはり「檻の中の生活を教えてやる!」と、猿たちが人間を収容していく様は、初代の衝撃を思い起こさせ、地盤から私たちの社会が壊れていく恐ろしさを感じます。

人間は家族や文明社会を懐かしんだりするあたりありますけど、ちょっと印象薄いかな?前作の猿の引き立て役よりは良かったですけど。

人間という種族の文明の終わりを生きた世代という意味で好感がもてます。

メインはどちらかと言えば、シーザーとコバでしょう。

どんどん進化して、人間に近づいた彼らは、ついに同族殺しをしてしまう。”Ape not kill Ape”を破ったコバと、やむを得ず決断したシーザー。超えた線は戻れません。

ただ、何を考えたかは大事ですね。種のため、自分のため・・・

リブート以来シーザーの物語となりましたが、初代へのリスペクトもありここから先も楽しみな作品です。マルコムは暗闇に消えていき、シーザーには朝陽があたる。

人間の時代は闇へと入り、猿たちの時代が夜明けを迎えるのです。激しい戦いが待っている未来をシーザーはどう生き抜いていくのか。続編が楽しみ!

ひとつの種が終わり、新たな種に代わられる。その過程で避けられない争いの始まりを描いた今作。現実は同じ種が殺し合っていることを考えるとより切ないですね。

人間同士が平和の誓いを果たせることはできるんでしょうか・・・

新たな猿の惑星シリーズとしてすばらしい歩みを進めていますね。このまま初代へ見事につなげてほしいです。まだ映画館でやってたりするので是非観て欲しいです。

それでは今回はこの辺で。また次回に!

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