「第三の男」(1949)

  • 監督:キャロル・リード
  • 製作:キャロル・リード、アレクサンダー・コルダ、デヴィッド・O・セルズニック
  • 脚本:グレアム・グリーン
  • 撮影:ロバート・クラスカー
  • 編集:オズワルド・ハーフェンリヒター
  • 音楽:アントン・カラス
  • 録音:ジョン・コックス
  • 助監督:ガイ・ハミルトン
  • 出演:オーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン、アリダ・ヴァリ 他

映画好きなら知らない人はいないであろう作品、そして一般的にもこの映画のテーマ曲は知られていると思います。

アントン・カラスによるテーマ。ヱビスビールのCMに使われているアレです。

何とも退廃的な話、光るウェルズ演じるハリー。明暗が強調される白黒画面など私はすごく好きな作品です。

WW2後の分割統治されるオーストリア。アメリカの売れない作家マーチンスは親友ハリー・ライムの誘いでウィーンを訪れる。

しかしハリー宅の門衛は彼が交通事故にあい亡くなったという。

失意のうちに葬儀にでるマーチンスはそこでイギリス軍少佐キャロウェイと会い、ハリーが闇取引をしていたと知らされる。

信じられないマーチンスはハリーの恋人アンナと共に、真相解明に走る。

そして門衛から、ハリーの事故の際に記録されていない第三の男の存在を知る。

画面として楽しむのは斜めの構図や影の使い方と思います。白黒でしかもかなり明暗を強調しています。もう真っ白と真っ黒のコントラストが素晴らしい。

人の影を大小変え、人にかぶせてみたり。どこからともなく現れたり、そこにいるのに場所をつかめない感覚は、物語における追跡を面白くしてくれますし、体感的に伝わる良さがあります。

犯罪の大元が親友で、しかも利用されてしまう。恋する女性は最後、一瞥もくれず去っていく。

この物語は至極ノワールらしい不幸なものです。誰もが幸せにはならないですね。そこに浸れるかによっては嫌いな方もいるかもしれません。

ウェルズ演じるハリーもこの映画の大きな魅力でしょう。

人を欺き利用し社会の影に潜む悪です。

観覧者での彼独自の人理論はなかなか皮肉で現実的なのが痛いところ。人間としてでなくやはり顧客、人民、権利者など肩書きだけが残っているのが世の中です。

魅力的な影の使い方にシンクロするミステリー、巨悪との対峙と破滅的な世界観。

大いに楽しめる映画ですのでおススメ。これを観たらもうヱビスのテーマでなく、第三の男のテーマと覚えて欲しいですね。

そんなところでお終いで、ではまた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です