「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」(2013)
- 監督:エドガー・ライト
- 脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペグ
- 製作:ニラ・パーク、ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー
- 製作総指揮:ジェームズ・ビドル、ライザ・チェイシン
- 音楽:スティーヴン・プライス
- 撮影:ビル・ホープ
- 編集:ポール・マクリス
- 出演:サイモン・ペグ、ニック・フロスト、マーティン・フリーマン、ロザムンド・パイク、パディ・コンシダイン 他
「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(2007)に続く、
エドガー・ライトとサイモン・ペグによる映画。これでこのコンビの3部作が一旦終了ということです。
それぞれのやりたい企画がある今はできませんが、将来また共同制作したいと話していました。
この映画にもいつもの友人、ニック・フロストが出演しています。
そういえばこの映画のDVDリリースのイベントをTVで観ましたが・・・芸人のネタと私生活話で映画がほったらかしでした。扱いひどいなぁ
ゲイリーはいつまでたっても成長しない、万年高校生のような男。その昔仲間たちと達成できなかった、パブ12軒はじごをするため、仲間を呼び集める。
20年ぶりの再会、かつての町でパブめぐりを始める5人。それがまさかの、人類生存の戦いになる・・・!
見た目はただのバカ映画に見えますが、やはりこのコンビで生み出すコメディにハズレは無いですね。私は前2作も楽しめましたが、今作も笑いっぱなしの映画でした。
今までと同じ、気付いたら侵略されているという設定をベースに、旧友との思い出やいざこざ話、大人になった幼馴染、そして青春がテーマに加わっています。
もちろん映画パロディだのお決まりネタだの、そして悪趣味にも見えるグロさも健在。ギャグは言葉遊びやらの頭の良さが出てて好印象。
最後まで笑わせてくれます。
パブめぐりの中に侵略者への抵抗やらが入ってきますが、カルチャー映画の要素が私は面白かったですね。
パブという酒を飲む場のお決まりとかシステムとか。ダンスホールでの様子とか、日本ではない文化が映って興味深かったです。
そして侵略ものとしては、大掛かりでなく静かに着々と支配していくもので、「ホットファズ」の中での町が外への侵略を始めたようでした。
私個人の考えですが、この侵略は行き過ぎた社会化を表してると思えます。
成長し社会人と言われる人間になった幼馴染たち。地元の町も今では昔と違い、いたるところに現代化、企業進出が観られます。
そしてそういった人や町は侵略された敵になっています。ロボットぽいのもそういう意味が込められているように思えます。
そういった意味で見ると、人類の生存というのは、人間らしさの生存にも思えてきました。
そんな支配に最後まで立ち向かうゲイリー。ダメ男でアホ、子供じみたやつですが、だからこそ染まらず支配されなかったのかもしれません。
このコントロールの利かない実に人間臭い(悪いとこ多め)に人間は救われます。人間らしいバカさ、ダメさを捨てずに最後まで「イヤだイヤだ」と駄々をこねる。
そりゃ成長しない男ですが、成長しないのも大事。いや成長の仕方が大事と思わせてくれました。
ただ楽しく、しかも風刺的でもある。やはりエドガー・ライト、サイモン・ペグ、ただものじゃない!
というわけでレビューでした。
タイトルと見た目に関わらず観て欲しい見事なコメディ映画です。おススメ~!
そんなところで。ではまた。
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