「戦艦バウンティ号の叛乱」(1935)
- 監督:フランク・ロイド
- 脚本:タルボット・ジェニングス、ジュールス・ファースマン、ケイリー・ウィルソン
- 製作:アーヴィング・タルバーグ、アルバート・リューイン、フランク・ロイド
- 音楽:ハーバート・ストサート
- 撮影:アーサー・エディソン
- 編集:マーガレット・ブース
- 出演:チャールズ・ロートン、クラーク・ゲーブル、フランチョット・トーン 他
イギリス海軍史に残る船乗りの叛乱事件。それを基にした小説を映画にしたものです。
ゲーブルとロートンが共演し画は華やかです。
監督には海洋ものを撮っていたフランク・ロイド。この作品は第8回目のアカデミー賞で作品賞を受賞しました。
18世紀、イギリスからタヒチに向けて船が出される。パンの木を入手するためであった。
しかしその船長であるブライはサディスティックで、船乗りを酷使し虐待的な待遇を与えていた。
船乗りたちは船長を嫌い、No.2であるクリスチャンを頼るようになる。また彼自身も船長の行為には我慢ならなかった。
彼らがタヒチに着きしばらくして、英国海軍史に残る反乱が始まる。
この映画での突出した人物。チャールズ・ロートン演じる意地悪なブライ船長です。
ロートンは「ノートルダムの背むし男」(1939)や「凱旋門」(1948)、「スパルタカス」(1960)を見ましたね。
もちろん彼の唯一の監督作「狩人の夜」(1955)は私のお気に入り。
ここではとにかく悪い船長を憎たらしさ満点に演じています。海を良く知っていながら、人の扱いを知らない男です。叛乱後の復讐への執着は恐ろしいものです。
史実として伝わるものをなぞってはいますが、映画的娯楽性のためか、人物を脚色したようです。
この映画では悪の船長に正義が反乱を起こし、その勇敢な行為が海軍の規律を改善した。というようになっています。しかし、歴史上はもっと現実的な人間ドラマだったようです。
船長の性格やクリスチャンらの叛乱動機。
それでも海洋物語として十分楽しめます。船乗りたちがあくせくと働くさま、荒れ狂う海の描写。
ゲーブルの荒っぽいかっこよさもロートンの残酷な船長姿も。
船上、海上ドラマのひとつとしておススメです。
それでは以上、また次に。
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