作品解説

トム・ホランド主演による「スパイダーマン」シリーズ第4作。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属し、前作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」から4年後の世界を舞台に、誰からも存在を知られていないピーター・パーカー=スパイダーマンの新たな戦いを描きます。
前3作から引き続き、MJ役のゼンデイヤ、ネッド役のジェイコブ・バタロンが出演。
さらに、MCUドラマ「デアデビル」、「パニッシャー」でフランク・キャッスル=パニッシャーを演じたジョン・バーンサルや、「アベンジャーズ」シリーズでブルース・バナー=ハルクを演じるマーク・ラファロも参加。
監督は、前3作を手がけたジョン・ワッツから交代し、「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のデスティン・ダニエル・クレットンが担当。
キャスト
- トム・ホランド:ピーター・パーカー/スパイダーマン
- ゼンデイヤ:MJ
- ジェイコブ・バタロン:ネッド・リーズ
- ジョン・バーンサル:フランク・キャッスル/パニッシャー
- トラメル・ティルマン:メッツガー
- ライザ・コロン=ザヤス:デウォルフ
- マイケル・マンド:マック・ガーガン/スコーピオン
- マーク・ラファロ:ブルース・バナー/ハルク
- セイディー・シンク
監督
- デスティン・ダニエル・クレットン
スタッフ
- 脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、ジャスティン・クリツケス
- 撮影:ブレット・ポウラク
- 美術:チャールズ・ウッド
- 衣装:サーニャ・ミルコビック・ヘイズ
- 編集:ナット・サンダーズ、ジーナ・サンソム、ハリー・ユーン
- 音楽:マイケル・ジアッキーノ
MCUスパイダーマンも2016年の「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」の初登場からはや10年です。史上最年少のスパイダーマンも、すっかり大人になりまして、主演のトム・ホランドも30歳になったかな。
ゼンデイヤも「DUNE 砂の惑星」シリーズなどでもおなじみになっていて、みんながそれぞれ大スターになっています。
ジョン・ワッツ監督の手から離れての新作ですが、デスティン・ダニエル・クレットン監督というと「シャン・チー」よりも「ショート・ターム」がすごく好きではあるので、引継ぎ先としてはなかなか安心。
今作も大人気の前評判で、公開初週末にIMAXで観てきたのですが、大スクリーンがほとんど満席になるというのは、MCUとしては久々な気もします。やはりスパイダーマン人気スゴイ。
~あらすじ~

愛する人たちを守るため、世界中の人々から自分に関する記憶を消し去るという苦渋の決断をしたピーター・パーカー。誰からも存在を知られていない孤独な日々をニューヨークで送りながら、スパイダーマンとして犯罪と戦い、街の人々を守ることだけを使命として生きていた。
しかし、スパイダーマンへの期待と注目が高まるにつれ、ピーターの心身には大きな負担がかかり始める。そのプレッシャーはやがて彼の身体そのものに異変を引き起こし、命を脅かす事態へと発展していく。
そんな中、ニューヨークでは不可解な犯罪が相次いで発生。ピーターが異変に苦しむ一方で、街にはこれまでにない脅威が迫りつつあった。
孤独を抱えながらヒーローであり続けるピーターは、自らの身体に起きた異変と新たな敵に立ち向かうことができるのか――。
感想レビュー/考察

「ノー・ウェイ・ホーム」で終わっていたのでは?
MCUのスパイダーマンは前作「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が非常に見事な締めくくりとなっていたと思います。
これまでの歴代スパイダーマンとの共演に、メイおばさんの死、個人的な喪失を経てもなおヒーローであろうとするピーターの物語。
そして、MCUではスタークやストレンジ他常に保護者がいて、味方がいたピーターが、はじえmて他のスパイダーマン作品のように、孤独なヒーローになる終わり方が、寂しくも見事な終わりでした。
なので正直4作目を撮るというのはちょっと蛇足感があると思っています。出てきたとしてもアベンジャーズで良いんじゃないのかなと。
結論、正直に言えばまあそこそこの続編です。
描かれていても良いですが、必須で4つのアークになるのかというとそこまででもないと言った感じ。ファンには熱量が高いのかなと思いますが、個人的には後日譚という感じかもしれません。
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ピーターは「スパイダーマン」になりすぎている
総論で言えば、孤独になりスパイダーマンとしてフルタイムで働き、ピーター・パーカーとしての人生を捨て去るように生きている彼が、文字通りにクモに人生を支配されそうになりつつピーターとしての人生も歩もうとするお話。
そして、圧倒的な孤独を抱えているからこそ、現実の喪失や抱えている問題、生きる道の迷いに、「一人で立ち向かわなくていい。」と呼び抱えるお話であります。
文字通りの雲人生ということで、ピーターはクモホルモン?とかいう超人要素が急成長し、今まで以上にスパイダーセンスや怪力が強まっていく。
そこでウェブシューターではなく体内からクモ糸を出せるようになったり、激しい頭痛に襲われるほどのスパイダーセンスを発揮。また力ア強すぎて暴走気味にも。
彼は警察から「他にすることないの?」と聞かれるくらいにスパイダーマンとしての活動に熱を入れていたので、まさにピーターとしての要素を文字通りに捨て始めてしまった。

「クモの力も自分自身」だと受け入れる
だからこそどうにか人間でいようと、抑制装置を作ってみますがハルクとの対比もありますが、要は”すべてが自分自身と認めること”を学んでいくのです。
バナーにとってハルクも彼自身である。同じようにクモの要素も間違いなくピーターなのです。
その個人の特性や個性を無理に抑制しようとしたり、コントロールしようとするのが、ダメージコントロールという組織。
彼らはピーターではなく、今回サプライズ的な登場であるジーン・グレイの能力を支配しようとします。
セイディー・シンクは「ストレンジャーズ・シングス」でスターになりましたが、映画としては「ザ・ホエール」でブレンダン・フレイザーの娘役くらいの認識なので、今作ではボーイッシュでカッコよく、でも寂しがる少女を熱演。素敵だったと思います。
ジーンといえばもともと「X-MEN」シリーズのミュータントですね。
昔のFOXの方ではファムケ・ヤンセン、その後のリブート?「X-MEN:アポカリプス」や「X-MEN:ダーク・フェニックス」ではソフィ・ターナーが演じていました。
彼女は強力なテレパス、念能力者。ここからMCU版のX-MENに繋がっていくということでしょうが、喪失と怒り、そして自分の能力に翻弄されるという役回りでは良い登場だったと思います。

喪ったものは、もう戻らない
ピーターは普通の人間ピーター・パーカーとしての人生を取り戻したくても、今作は究極的に不可逆な選択だったということを示す。
都合よくネッドやMJの記憶が戻るなんてことはしなかったのは良いことです。
喪った者は戻らず、選択は結果を伴う。そこにはジョン・バーンサル演じるフランク/パニッシャーもあてがわれています。
かれもまた大事なものを失い、パニッシャーという人格に人生を捧げ世間を遠ざけている。
ただし、そういった悲しさを一人で背負って、世間から背を向けたりして生きる必要はない。今回もMCUセラピーではありますが、真っ当な良いメッセージだと思います。

アクションは見応えあり。ただし少し長い
全体のまとめ方は良い感じですしアクションもビルの中や収容施設など狭い空間の中でみせるものもあった見ごたえがあります。
気になるのは全体に長いなってところ。どこが無駄かって言うと難しいですが(大きな見せ場がなくなるのですが)ハルク周りって必須かな?とか、もう少しタイトにまとめられないかなと。
今作のピーターには、もう一段階の成熟が欲しかった
また決定的に気に入っていないところが一つだけあります。
それはピーターがまた間違えるところ。
1作目の「スパイダーマン:ホームカミング」ではまだ幼いので仕方がないですが、いろいろと無茶ばかり。2作目「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」ではミステリオに大事なトニーからの技術を渡してしまう。
3作目では個人都合で世界に魔術をかけようとしてしまうし、また一時的には復讐に囚われる。
間違えてしまって、そこで成長していくのは良いですが、今回のジーンの拘束も入ると4度目。さすがにひとつのシリーズの主人公としては未熟なまま過ぎないでしょうかね。
今回こそ先手を打ってダメージ・コントロールの陰謀に気づいて、ジーンを保護して闘うとか、MCUスパイダーマン全体として成熟さが欲しかったなと思いました。
全体には大ヒットも間違いない、楽しめつつドラマチックなエンタメですし、トム・ホランド彼自身の成長も観れたりおもしろい作品でした。
今後はX-MENも出てくるでしょうし、ドゥームズ・デイにはスパイダーマンも帰ってくるのだろうと思うので、MCUの今後も楽しみにしておきたいと思います。
今回の感想はここまで。ではまた。


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