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「The Beguiled/ビガイルド 欲望の目覚め」”The Beguiled”(2017)

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映画レビュー
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「The Beguiled/ビガイルド 欲望の目覚め」(2017)

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作品概要

  • 監督:ソフィア・コッポラ
  • 脚本:ソフィア・コッポラ
  • 原作:トーマス・カリナン”The Beguiled”
  • 製作:ソフィア・コッポラ、ロマン・コッポラ、ユーリー・ヘンリー
  • 製作総指揮:ロバート・オルティス、フレッド・ルース、アン・ルース
  • 音楽:フェニックス
  • 撮影:フィリップ・ル・スール
  • 編集:サラ・フラック
  • 出演:ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニング、アンガーリー・ライス、コリン・ファレル 他

トーマス・カリナンによる「白い肌の異常な夜」をソフィア・コッポラ監督が、ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニングにアンガーリー・ライスなどを揃えて映画化。

今作はカンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞しております。

位置としては、1971年のドン・シーゲル監督による同名作のリメイクとも思えますが、同原作をもう一度映画化したような感覚でもあります。

ちなみに、シーゲル監督版ではクリント・イーストウッドがマクバーニーを演じたのですが、今作では「ロブスター」(2015)「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016)などのコリン・ファレルが演じています。

公開日の夜の回、六本木で観てきたのですが、意外にも若い人が多くて驚きました。

まあ原作と同じ題名でなかったり、主演女優陣の訴求力があるという事かな?

~あらすじ~

南北戦争下。南部の森の奥にある女学院では、帰る家の無い少女たちが園長のマーサ、先生のエドウィナと共に暮らしていた。

ある日、生徒の一人エミリーが森の中へキノコ狩りへ出かけると、木の陰に傷付いた北軍兵士を発見する。

マクバーニーと名乗る男は南部の敵ではあるものの、置き去りにもできずにエミリーは学園へと連れ帰るのだった。

負傷した足のけがが治るまでは園内に置き、回復次第出て行ってもらう予定だったが、閉ざされた学園に現れた男という存在が、彼女たちをかき乱していく。

感想/レビュー

この作品というか物語に関しては、原作を読んでいないのではっきりとは言いにくいのですが、何を求めているかによって印象が変わると思われます。

今作においてソフィア・コッポラ監督が描いたのは、完全女性視点の切り口。

それがしっかりとシーゲル監督バージョンと区別され、コッポラ監督自身の印が付いていることは確実です。

美しく柔らかくも、奥に深く闇をたたえる

監督が映し出すのは、どこまでも美しいものだなと思いました。

もちろん主演女優陣が美しいこともありますけど、衣装の柔らかな色合いやトゲのない美術も素晴らしかったです。

そしてフィリップ・ル・スールの撮影。

画面の持つアスペクト比、そして柔らかな色彩。森の木々や、学園内などもそうですが、撮影に関しては特にぼやけた、フォーカスを全部には定めない画づくりをしていると思いました。

それが奥の見えない少し不穏な雰囲気を助長しつつも、幻想的でおとぎ話のような感覚を強めていると思います。

とりわけ印象的だったのは、蝋燭の火でした。

闇の多い画面にほんのりと灯りをもたらすのですが、それは綺麗でありながらも、奥のものを見にくくしていますよね。

美しい揺らめきとその熱が、背後の何かを隠すのは、そのままこの女学院に暮らす女性たちを象徴するようでした。

抑圧が外への接触で揺れる

秘められた想いを持ちながらも、抑圧と行き場のない悲哀に暮らしていた女性たち。

マクバニーの登場は、外敵という脅威でありつつ、外の世界への繋がりです。

各人物がそれぞれに内面を引き出されていくのは、少し笑える部分もあり、意地の張り合いがおもしろかったですね。「クリスマス以来つけてないのに。」って、よく覚えてるなとw

で、実は先述の全体を包み込んだ美しさが良いところであるのですが、この作品はとことん美しくあったと思います。

それはつまり、綺麗に仕上がっていて、衝撃や歪みの部分は弱かったとも感じてしまうのです。

シーゲル版を観ているせいかなとも思います。あれを子供の頃観て、その衝撃に囚われているからかと。

綺麗にまとまっているが、衝撃は薄い

ただ、今作は性的倒錯や宗教的な暗示、背徳などがかなり薄く思えます。

表面上美しい中にこそ黒いものを感じるわけですが、それが結局色欲くらいで、それ自体は嫌悪感のあるものではないですからね。

おとぎ話のようではありますが、学院内やあの女だけの閉ざされた世界が禍々しさを持つことはなく、異界に放り込まれた感じはなかったです。

ソフィア・コッポラ監督は、一貫した世界を作り上げて、この原作から彼女自身のスタイルでまたひとつ完全に独立した作品を作っています。

仄かな色。美しいルックはとても好きですが、含まれた題材にしてはやはり弱いと感じ、大きな独創性や特徴、なにより衝撃を与えるまでには至らなかったかなと思います。

もしシーゲル版を観てなかったら、また違う印象だったのかもと思いますがね。

撮影や美術ではとても見ごたえがあるので、1971年の作品とあわせて観てほしいと思いますよ。

感想はこんな感じで。

それでは、また~

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