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「エイリアン」”Alien”(1979)

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「エイリアン」(1979)

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作品概要

  • 監督:リドリー・スコット
  • 脚本:ダン・オバノン
  • 原案:ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
  • 製作:ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
  • 製作総指揮:ロナルド・シャセット
  • 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
  • 撮影:デレク・ヴァンリント
  • 編集:テリー・ローリングス、ピーター・ウェザリー
  • 出演:シガニー・ウィーバー、トム・スケリット、ヴェロニカ・カートライト、ハリー・ディーン・スタントン、ジョン・ハート、イアン・ホルム、ヤフェット・コットー 他

宇宙空間での孤独と恐怖、未知の生命体との遭遇を描いた不朽のSFホラー。

リドリー・スコット監督、シガニー・ウィーバー主演。そのほかトム・スケリットやハリー・ディーン・スタントン、イアン・ホルムらが出演しています。

続編が多く作られ、スピンオフ、ゲームなど多くのメディアに影響を与えた作品であり、聴いたこと観たことのある方は多いでしょう。

子どもの頃にTVで観て、卵を産み付けたりする残虐さや生々しさ、人間キャラの無力さにすごく怖くなった記憶があります。

午前十時の映画際で上映した際にはスクリーンで観ることができました。

改めて感想を残しておくことにします。

~あらすじ~

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西暦2122年、宇宙貨物船ノストロモ号は地球への帰路についていた。

しかし船が何らかの知的生命体からの信号を受信し、航路を地球から未知の天体に変更したことを知る。

その星で乗組員たちは謎の宇宙船と化石となった宇宙人を発見するが、その体は内側から破られているようだった。

そして宇宙船の下層には不気味な卵のようなものがまとめて置かれており、そこで予期せぬ事態が発生する。

そして時を同じくして、通信士のリプリーは信号が警告であることを解析し、不安を感じはじめた。

感想/レビュー

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革新的なSFホラー

今作は当時、SFとホラーを巧みに組み合わせた作品として注目を浴び、ジャンルを超越する新しいアプローチを生み出したことで、後の映画に多大な影響を与えました。

”エイリアン”という言葉はもともとは”外国人”という意味でつかわれていたものが、今ではすっかり宇宙人、宇宙から来た怪物を指す言葉になっているほどに、言語文化的にも衝撃を与えるほどです。

そもそも宇宙という隔絶された舞台にて、さらに宇宙船の中という限られた空間。

そこで絶対的な捕食者、殺戮者であるエイリアンにただ殺されないように逃げ回るサバイバルホラー。

今考えると面白くないわけない。

ただ、この頃はこの設定はフレッシュだったのです。

ギーガーの世界

ただ設定で勝っているわけではなくて、やはり美術面、すべてにおいてデザインが重要な要素になっていると思います。

担当したH.R.ギーガーはエイリアンのデザインにおいて革新的で恐ろしい要素を取り入れています。

エイリアンは生物学的で異質な外見を持ち、生殖器に似た形状や骨の突起物が特徴的。

ギーガーのスタイルに共通しますが、生き物と機械が融合したような独特な不気味さと、なぜか荘厳さ(畏怖の念を抱くような)があります。

このデザインは強烈な印象を与え、エイリアンをSF映画におけるクリーチャー・デザインの新たな基準にしています。

あれこれとデザインは更新されていくものの、やはりクリーチャー(生物)という意味ではこのエイリアンがみんなの生みの親のようにも感じます。

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性的なシンボルとフェミニズム

今作では性的な象徴性も大きな要素に感じます。

ギーガーのデザインしたエイリアンは男性器のような形状をしていて、粘液を垂らし襲い掛かる。

フェイスハガーやその卵は女性器を思わせるような露骨なデザインをしつつ、人体に卵を産み付けるという行為を行います。

巨大な黒光りしたちんぽが、女を追いかけ回す作品といっても過言ではない(?)。

メタファーが明確に言及されているかは不明ですが、感じられるということで、そこには社会背景や作家性があったりするかもしれません。

70年代の前半まではルーマンリブ運動がありましたし、また後年のリドリー・スコット監督の作品を観ていると(「最後の決闘裁判」など)フェミニズム的な要素が作家性にもあるのかも?

リプリーはこのエイリアンの恐怖の中で、単なる技術者からサバイバーへと成長していきます。

今では珍しくもないですが、女性が主人公となって物語を未知の先へ進めていくのはユニークです。

強い女性は「ミルドレッド・ピアース」のジョーン・クロフォードがいたり、ファム・ファタールなどジャンルもありますが、アクションそしてホラーの舞台で戦い生き残る女性はまぶしくカッコいい。

リプリーはサラ・コナーの前進にも思えますし、いろいろなキャラクターに影響しているでしょう。

シガニー・ウィーバーも自立した強い女性のアイコンとなったと思います。

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効果的な演出と音楽

そんな彼女含めてクルーを追い回すエイリアン。

デザインが秀逸すぎる点は前述のとおりですが、ホラーの演出も結構凝っています。

最初の宇宙人スペース・ジョッキーにあまり明確なs悦明を与えず、観客の想像から恐怖を引き出すところも巧いですし、エイリアンの誕生からの追いかけっこもクライマックスまで小出しな感じで良い。

煽りが効いていると思います。

通気口のシーンとか、2にも応用されていますが秀逸ですね。

実際には通気口内での具体的な映像をみせず、信号の点をみせながらそこに迫る危機を見せていく。

また静寂さを利用した不気味なジェリー・ゴールドスミスによる楽曲も今作で欠かせない要素ですね。映画音楽史にも残るものです。

映画内では細部にわたって解説しなくとも、その圧倒的なつくり込みの設定と美術が、まさに世界全体に魂を与えている作品。

全てのモノに設定があり、ゆえにロジックが組まれて展開している。

あれやこれが深く、ファンを獲得し様々に派生するのも納得いきます。

未見であれば一度は観ておきたい作品です。

今回の感想はここまで。

エイリアンもどこまで続いていくのか。そしていつか、このエイリアンをぶっ飛ばしてしまうような宇宙人映画が現れることも期待します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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