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「ザ・ハッスル」”The Hustle”(2019)

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The-Hustle-Film-2019 映画レビュー
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「ザ・ハッスル」(2019)

  • 監督:クリス・アディソン
  • 脚本:スタンリー・シャピロ、ポール・ヘニング、デイル・ローナー、ジャック・シェイファー
  • 原案:スタンリー・シャピロ、ポール・ヘニング、デイル・ローナー
  • 原作:フランク・オズ「ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ」
  • 製作:ロジャー・バーンバウム、レベル・ウィルソン
  • 製作総指揮:デイル・ローナー、イオナ・ハーツバーグ、チャールズ・ハーシュホーン、アリソン・オーウェン
  • 音楽:アン・ダッドリー
  • 撮影:マイケル・コールター
  • 編集:アンソニー・ボーイズ
  • 出演:アン・ハサウェイ、レベル・ウィルソン、

The-Hustle-Film-2019

「Veep/ヴィープ」で2度プライムタイムエミー賞を受賞しているクリス・アディソン監督が初めて長編映画を撮った作品。二人の詐欺師がある純朴な男を騙すため競い合うコメディ。

もともとはフランク・オズ監督による「ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ」を原作としていて、リメイク版といった位置づけになっています。

主演は「オーシャンズ8」などのアン・ハサウェイ、そして「ピッチ・パーフェクト」シリーズや「ジョジョ・ラビット」などで活躍のレベル・ウィルソン。

また騙しのターゲットになる男性には「パーティで女の子に話しかけるには」のアレックス・シャープが出演しています。

作品自体は結構前から予告など出ていましたが、2019年北米公開後にずいぶんと日本では公開されず、劇場ではなくAmazonプライムビデオでの配信公開となりました。

しかし芳しくない評価など考えるとまあここは仕方のないものだったかもしれません。

自分も輸入してみるほどではないかなと放置していた作品で、アマプラでの配信にて鑑賞しました。

The-Hustle-Film-2019

男たちを同情を使って騙し金を奪っていた詐欺師ペニーは、旅の中でジョセフィーヌという詐欺師に出会う。

ジョセフィーヌの精錬されたスタイルや詐欺師として稼ぐ金額にあこがれたペニーは彼女の見習いになり、タッグを組んで様々な男たちから金や宝石をだまし取った。

しかし、ジョセフィーヌはペニーにはまだ弟子だからと分け前をくれなかった。

そこでペニーは自分を認めさせるために、単純そうなIT系成功者の男トーマスをターゲットにし、先に彼から金をだまし取った方が勝ちとして勝負を仕掛ける。

隠して二人の詐欺師が、互いを邪魔し翻弄しあいながらのハスリング勝負が開始される。

The-Hustle-Film-2019

クリス・アディソン監督のこれまでのTVドラマシリーズは未鑑賞ですので、彼のスタイルなどについてはわからないというところが本音ですが、少なくとも「Veep/ヴィープ」は政治サタイアでありコメディとして評価が高い。

であれば今作も良い感じなのかと期待しますが、そんなことはなかったのは非常に残念なところです。

主演の二人が繰り出している技術は素晴らしいと思います。

アン・ハサウェイはそのファッションアイコンのような存在感を遺憾なく発揮していて、様々なドレス、衣装を披露しています。

そして何より彼女はその設定上キャラクターを切り替えて登場してくるものなので、そこでの変化を楽しめます。

アクセントの扱いに関しては感心してしまうすごさですね。南部訛りに欧州風英語など、彼女自身も楽しそうに思えます。

またレベル・ウィルソンは(個人的に彼女のコメディはすごく好き)いつもの存在感とおかしさを持っています。

こちらはアン・ハサウェイと対比的にフィジカルの部分もあるコメディを持ってきている感じ。

しかし二人とも良い演技と技術ではありますが、今作ではそのコメディがしっかりと機能していないと思います。

The-Hustle-Film-2019

おもしろいことをしているんだなという認知はあれど、吹き出すこともなく、ニヤニヤしていたわけでもなかったです。

完全にはハマっていないギャグなのです。

そもそもの原因としては、焦点がぼけていくことになると思います。今作は女性の詐欺師コンビが、女性だからこその”容姿”や”格下扱いされること”を武器にして、誘いそそのかし騙していくところから始まっています。

それゆえに騙されている男のあまりの愚かさに笑えて来るはずで、二人の騙しの手口もバカらしくていいというもの。

でも、徐々に相手方の男には意味がなくなり、このペニーとジョセフィーヌ二人自体が面白いという風に展開していきます。

そしてトーマスに至っては愚かさではなくてロマンスを織り交ぜてくるので、なおさらおかしなことに。

美貌ゆえに、その容姿ゆえにを逆手にとるというのは、フェミニンな立ち位置からの逆襲であるはずでしたから、そこまでの共感と主観は二人にあったはず。

それが薄れていくと同時に、誰に根差して観ていけばいいのか分からない。散漫です。

最終的には男が騙し勝ちするのもあり、根底に見えたテーマは消え去ります。

そうした結果として残るのは、女性の立場に変えての毒っ気や皮肉ではなくて、単純なばかばかしさになってしまうのでした。

アン・ハサウェイもレベル・ウィルソンも良い感じで、二人のコメディはもっと観たいと思わせてくれるのですが、全体には酷評せざるを得ないものでした。

息抜き程度には良いのかもしれません。今回の感想は以上。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた。

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