「ピッチ・パーフェクト」(2012)
- 監督:ジェイソン・ムーア
- 脚本:ケイ・キャノン
- 原作:ミッキー・ラプキン『Pitch Perfect: The Quest for Collegiate A Cappella Glory』
- 製作:ポール・ブルックス、マックス・ハンデルマン、エリザベス・バンクス
- 製作総指揮:スコット・ニーマイヤー
- 音楽:クリストフ・ベック、マーク・キリアン
- 撮影:ジュリオ・マカット
- 編集:リサ・ゼノ・チャージン
- 出演:アナ・ケンドリック、アンナ・キャンプ、ブリタニー・スノウ、レベル・ウィルソン、スカイラー・アスティン、エリザベス・バンクス 他
大学の女子アカペラグループの奮闘を描くコメディミュージカル映画。
監督はジェイソン・ムーア。長編映画はこれが初監督で、基本的にはTVシリーズの監督を手掛けている方ですね。
主人公は「シンプル・フェイバー」などさまざまな幅を見せるアナ・ケンドリック。その他グループメンバーにはアンナ・キャンプ、ブリタニー・スノウ、レベル・ウィルソンなどが出演。
そもそも公開時にはアカペラ映画自体があまりなかった?ような気がします。タイトルだけは聞いていたのですが、題材となるアカペラにあまり興味がなく。
今回はほとんどアナ・ケンドリックのフィルモグラフィー目当てで鑑賞。Amazonプライムビデオにて配信されていました。
音楽プロデューサーを目指すベッカは、父に勧められるままに大学へ入ったのだが、彼女にとって学内の行事や活動は全く興味の抱けるものではなかった。
唯一やっていたことは校内ラジオ局でのアルバイト。
しかしあるとき、ベッカがシャワールームで鼻歌を歌っていると、アカペラグループ所属のクロエが聞きつけグループへの加入を勧められる。
流されるように加入するベッカだが、アカペラグループ「ベラーズ」のメンバーは個性派揃いで、また新人が多くまとまりにも技術的にも欠けていた。
そんな状態の中で、ベッカを加えたベラーズは大会出場へ向けて練習を開始する。
ジェイソン・ムーア監督が作り出すこのアカペラグループ奮闘記は、ファンタジーではないのですが、確実に独自の世界を作り出していると感じました。
そうした世界において、個性的な完成されたキャラクターがしっかりと描かれることで、間違いなく、ファンが形成されると思うんです。
そういう意味では、TVシリーズ的と言ってもいいかもしれません。
主人公こそいますが、すべてのキャラクターたちにそれぞれストーリーがあり、観客はそれを追っていく。
周りがどうでもよかったベッカが、どうでもよくないと頑なになって熱を入れるものを得ていくのも、変わることを恐れていたオーブリーの彼女自身の変化も、アリがちといえばその通りである恋愛模様も。
割とシリーズで長く観てもいいものですがそれを映画の尺に落としながらもダイジェストで終わる感じがしないバランス。
つねに賑やかでポップで、楽しい雰囲気であり、ずっと笑いながら見ていました。
キツメのギャグとか下ネタもありますが、それはGLEE的な高校ではなくある意味一番ヤバい大学生が舞台なのもあって納得です。
特に素晴らしいのはレベル・ウィルソンです。彼女はそのフィジカルのルックでの笑いをとるだけでなく、アクションでもおもしろいし、何より一言で全部持っていくダイアログ。
間違いなく光り輝くシーンスティーラーになっています。
アナ・ケンドリックは彼女個人に比べ変人度合いがかなり抑えられていますが、リアクション側の演技も良かったですし、音楽のさまざまなジャンルをベラーズに提供していく感じが良かったです。
キャストはみんなしっかりと本人たちが歌唱シーンを行い、もちろんアカペラとしてのエンターテイメント性も非常に高いです。
マジでサイテー最悪な悪人がいたりもせず、どこか全員が愛らしいのも素敵なポイント。
あとアカペラグループ活動だけに主軸を置いて、学園ドラマにしなかったのも、個人的には良い判断と思います。
複合的なプロットではキャラが登場する必要性が薄れ、ベッカセンター感が強くなりすぎると思うんです。
ベラーズがスポットライトを浴び続ける。友情に衝突に団結しての達成。
確実にファンドムを形成する作品であると思う映画ですね。
自分はアメリカでの懐メロとか、そもそも楽曲にはぜんぜん詳しくないのですが、歌唱シーンすべて楽しめました。
人を選ぶとは思いますが、コメディ、ギャグのセンスやトーンがハマれば最高に楽しめると思います。
今回の感想はこのくらいです。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
それではまた次の記事で。
映画館がやっていないので、しばらく配信系の映画で感想をあげていくと思います。
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