「レゴ®ムービー」(2014)
作品解説
- 監督:クリストファー・ミラー、フィル・ロード
- 脚本:クリストファー・ミラー、フィル・ロード
- 製作:クリストファー・ミラー、フィル・ロード、ケビン・ハーゲマン、ダン・ハーゲマン
- 音楽:マーク・マザースボー
- 撮影:バリー・ピーターソン
- 編集:デイヴィッド・バロウズ、クリス・マッケイ
- 出演:クリス・プラット、ウィル・フェレル、エリザベス・バンクス、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン 他
本国アメリカでは大ヒット。Box Office も初登場No.1。
一般客層だけでなく批評家からも絶賛された作品。題材はデンマーク発の世界的な玩具レゴ。色鮮やかで自由な、愛されるブロックです。
私自身レゴが大好き。子供のころはよく遊んでいました。今では映画関連のセットを買い飾っていますね。思い入れがあればあるほど楽しく、時には涙せずにはいられない映画になっています。
~あらすじ~
平凡で特徴もない作業員ミニフィグのエメット。レゴシティで毎日同じような火を繰り返していた彼は、ある日見慣れない女の子を見つけて後を追うと、そこで大きな穴に落ちてしまう。
穴の奥底には不思議なパーツがあり、それに触れるとパーツがエメットの背中にくっついてしまった。
先ほどの女の子はワイルドガールと言い、エメットこそがこのレゴの世界を救う救世主だというのだった。
様々なミニフィグたちと協力し、ある兵器で世界を終わらせようとする悪の大王に戦いを挑む冒険が始まる。
感想レビュー/考察
まずですね。映像が素晴らしいんです。
実はこの映画、全編(1部除く)CGによるものでして、実物のレゴを使ってるわけではないんです。
しかしCGによって描かれるレゴは、色あせやホコリ、指紋のあとなど、遊ばれている感じが再現されています。
映画の世界はすべてがレゴブロックでできています。家具や家、道路も車も、岩も木も、砂漠や海も全部。さらには波や砂煙、爆発などの現象もレゴによって再現されているというこだわりっぷり!
あらゆるものが実在のブロックによって描かれる世界。
観ているだけで驚きと感心。新しい映像ジャンルの誕生といえます。
全編コメディ調になっていますが、ここは人により楽しめる部分が違うと思います。
まずレゴというものを上手く利用したギャグが多く、髪の毛パーツがスポッと外れたり笑
さらに実際に販売されているシリーズがコラボして登場するので、宇宙飛行士や騎士、ウエスタンなどいろいろなキャラが出ます。昔懐かしいミニフィグが見れると嬉しいですね。
またヒーローシリーズからバットマンやスーパーマンも登場し、それぞれキャラ設定をすこし皮肉ったようなギャグが面白い!
そのほか日常や社会のネタも豊富です。
バカ騒ぎしたり、下品なこと言ったりして笑わすのではなく、すこし痛いとこを突きつつ知的なユーモアがあるのは感心です。
気に入ってるのは「私が誰か知らないでしょうけど、テレビに出てる人だから信用して!」とモニターに映るキャラが言うとこ。
なんだかおもしろ映画っぽいですが、話の根幹はすっごく大切なことを伝えています。
主人公エメットはマニュアルにしたがって暮らすミニフィグで、与えられた指示通りにしか動けず、考えることもできません。
反対に”マスタービルダー”と呼ばれるキャラたちは、まわりにあるブロックを自由に使ってさまざまな発想でいろいろなものを組み立てていきます。
自分の頭で考え「創造性」を持つこと。
レゴというのはセットを買い、説明書にそって組み立てるものです。しかしそれ以上に、そのセットのパーツで自分なりに新しいものを作っていく。それこそがレゴを手にする人へのメッセージなのかもしれません。
さらに素晴らしいのは、最後までマニュアルや計画的完結性を否定していないこと。
マスタービルダーたちはエメットのようなキャラを、なにも考えられず人のマネをしているだけと言いましたが、最後にはその人たちこそが創造の基礎を作ってくれると言います。
どんな発想だって基になる何かがあるはずです。マニュアル通りに組み立てられたものから、何かをひらめくものですから。
そしてそんな創造性は誰しもが持っています。
平凡で特徴のないエメットだって、救世主を夢見たワイルドガールだって、すべてを完璧にしようとするおしごと大王ですら、世界を変える創造性を持っています。
どんなヘンテコなものでもいい。何かを創造すること、考えること、それ自体がとても大切な事なんです。
いままでレゴを遊んだことのある、遊んでいる人にはすごく楽しめる映画です。
懐かしかったり、共感したり笑えたり。
とにかく色彩豊か、テンポ良い楽しさ、そして創造の大切さ。
とっても愛に溢れた楽しい作品です。観ていない方には是非観て欲しい。おススメです!
もっと書きたいことはありますが今回はこのへんで。
ではまた次に
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