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「スパイダーヘッド」”Escape from Spuderhead”(2022)

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spiderhead-movie-netflix-2022 映画レビュー
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「スパイダーヘッド」(2022)

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作品概要

  • 監督:ジョセフ・コシンスキー
  • 脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
  • 原作:ジョージ・ソーンダーズ「Escape from Spiderhead」
  • 製作:アグネス・チュウ、トミー・ハーパー、クリス・ヘムズワース、エリック・ニューマン、ジェレミー・ステックラー
  • 音楽:ジョセフ・トラパニーズ
  • 撮影:クラウディオ・ミランダ
  • 編集:スティーヴン・ミリオン
  • 出演:マイルズ・テラー、クリス・ヘムズワース、ジャーニー・スモレット=ベル、ネイサン・ジョーンズ、テス・ハーブリック 他

「トップガン マーヴェリック」のジョセフ・コシンスキー監督が、近未来のある刑務所にて行われる治験と、そこに参加している受刑者の過去を描いていくディストピア調のSF映画。

主演は「トップガン マーヴェリック」、「オンリー・ザ・ブレイブ」でも監督と組んでいたマイルズ・テラー。

また治験の主催者であり研究員役を「マイティ・ソー」シリーズのクリス・ヘムズワースが演じます。

あとすごく地味ですが、あの「マッドマックス 怒りのデス・ロード」でリクタスを演じたネイサン・ジョーンズが出ています。

話はジョージ・ソーンダースによる短編小説が元であり、それを長編映画化したようです。

今作はネットフリックスの制作作品となり劇場公開はなく配信にての公開になります。

前情報自体はぜんぜんなかったのですが、劇場公開中のトップガンに合わせる形で監督の作品が配信されたということで鑑賞してみました。

「スパイダーヘッド」NETFLIX公式ページはこちら

〜あらすじ〜

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近未来のスパイダーヘッド刑務所。

ここは刑務所と言うには快適で、囚人たちは自由に施設内を出歩き、互いに交流を深めたり一時の自由時間には外へ出ることもできる。

孤島にある刑務所のため本土に行くことはできないが、それでも押し込められるような抑圧はなく看守であり研究員とも仲良く接することができる。

この快適さの対価は、ある治験への参加だった。

製薬会社の新薬の開発のため、その被験者になりプログラムをこなしていく。

その中にジェフもいた。ある事故を起こし服役していた彼は、プログラムに参加し積極的に薬の効果を試している。

感情をコントロールし増幅する新薬はときに常軌を逸した治験へと発展し、ジェフは次第に治験を取り仕切るスティーブに不信感を持ち始めるのだった。

感想/レビュー

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コシンスキー監督がもともとディストピア的世界を「オブリビオン」で行っていたという背景を考えると、近未来のちょっと不気味に綺麗な世界を舞台に、表層上美しく酷い実験が繰り広げられるというのは、監督の得意ジャンルなのかもしれません。

引き伸ばされたコンパクトな話

しかしその設定に対して、今作は自分自身のトーンを決めかねるままに進み、そのせいかクライマックスにかけてはやや滑稽さまでもが目立つ結果になっています。

元々が短編小説ということですが、まさに短いストーリーを長編向けに引き伸ばしたという印象が強かったです。

今作はおおよそ本編は1時間半程ですが、それでも不必要な引き伸ばしを感じます。

定まらない焦点

問題は主題にフォーカスしきれないところでしょうか。というか主題は結局どこにあるのかが不透明に思えます。

最終的には愛情という感情を人間がどのように持つのか、判断にどう影響するのかを描きたかったようにも思えますが、微妙なところ。

まずミステリーを話の推進力として使っているのですが、それは治験全体の陰謀や闇、スティーブの真の狙いなどが関わるところ。

ただ治験の真相を暴くことが、主人公ジェフの抱える贖罪の物語とはリンクしていないように思えます。

治験は倫理的な部分での挑戦やマークの態度などまあ怪しい。

ただこの自由感情をコントロールすることで犯罪や事故を亡くそうという、歪んだ正義感と、ジェフ自身の過去は関係ない。

ジェフが例えば支配的な人間だったとか、感情のコントロール不足で欠陥を抱えた人間なら、薬での制御に関しても個人的関わりを得た気がしますけど。

ジェフの過去の真相が明らかになるというのも、1つの仕掛けのように回想が繰り返されて最後にヴェールを脱ぎますけど、別にホントのことがわかったからと言っても、大きな意味はない気がします。

リジーと”最愛の人を事故とはいえ殺めてしまった”点で繋がるだけです。

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一部の演出は効果的

全部がダメってこともなく、私は特にスティーブが毎晩ラブアクチンを自分に投与するあたりは好きです。

イカれてる描写かもしれないですが、彼の抱える父の愛の不在に対して、この愛情(というか媚薬なのですが)増幅をもたらす薬の接種は孤独とか渇望が感じられますし。

他にもジェフの”記憶を消せる薬”については、その時こそヘザーやサラとの狂ったようなセックスについての記憶を消したいという意味に取れます。

しかし彼の過去がわかったとき、拭えぬ罪の記憶自体を消したい願望だろうと分かるとか、気が利いていたと思います。

トーンのばらつき

それでも話の焦点ブレに加えてトーンもバラついていて乗り切れません。

特にスティーブ周りには音楽を使用した奇妙なユーモアのトーンがあり、治験のシーンも一部は狂いすぎてて笑えるものです。

その一方でスティーブのメモを見つけるところとかは結構シリアスでサスペンス調だったり、かと思えばあまりそのことを受けて変化も見られないまた軽いトーンになったり。

映画のスタイルの置きどころが定まらない。

挙げ句クライマックスは脱獄者的なアクションを無理に詰め込んでいったようにも思え、そこまで行くとあのジェフとリジーの逃走シーンは馬鹿らしくすら見えてしまいます。

ジェフの贖罪の旅にフォーカスしたり、もしくはジェフを単純な被害者にしてミステリーホラーとして転がしたり。

長編向けにあれこれと手を出して伸ばしてしまったら、なんだか何がしたいのか分からなくなってしまった印象でした。

コシンスキー監督の作品を出すタイミングとしては抜群ですけれど、どうせ見るならやはり「トップガン マーヴェリック」です。

以上。今回は短めですが感想はここまで。

最近ネトフリサブスクして1年ほどになりそうですが、ちょっと不安です。

商業的視点ってやっぱり大事なのかも?

ということで最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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