スポンサーリンク

「ヴェノム:ザ・ラストダンス」”Venom The Last Dance”(2024)

スポンサーリンク
venom-the-last-dance-movie-2024-tom-hardy 映画レビュー
スポンサーリンク

「ヴェノム:ザ・ラストダンス」(2024)

venom-the-last-dance-movie-2024-tom-hardy

スポンサーリンク

作品解説

  • 監督:ケリー・マーセル
  • 製作:アビ・アラド、マット・トルマック、エイミー・パスカル、ケリー・マーセル、トム・ハーディ、ハッチ・パーカー
  • 製作総指揮:ジョー・カラッシオ・Jr.
  • 原案:トム・ハーディ、ケリー・マーセル
  • 脚本:ケリー・マーセル
  • 撮影:ファビアン・ワグナー
  • 美術:クリス・ロウ
  • 衣装:ダニエル・オーランディ
  • 編集:マーク・サンガー
  • 出演:トム・ハーディ、キウェテル・イジョフォー、ジュノー・テンプル、リス・エヴァンス、アンディ・サーキス 他

マーベルコミックのダークヒーローとして知られる「ヴェノム」が活躍する人気シリーズの第3作。

今回は、ヴェノムや前作で対決したカーネイジなどの「シンビオート」と呼ばれる地球外生命体を生み出した創造主、邪神ヌルが最強の敵として登場。主人公エディとヴェノムが、壮絶な最後の戦いに挑みます。

これまでの2作で脚本・製作を手がけてきたケリー・マーセルが、今作では監督デビューを果たし、原案・脚本・製作も兼任。

キャストには、「ドクター・ストレンジ」などのキウェテル・イジョフォー、「アンセイン 〜狂気の真実〜」などのジュノー・テンプル、「キングスマン:ファースト・エージェント」のリス・エヴァンスに加え、前作から続投するスティーブン・グレアムが共演。

演者とかビジュアルは好きなものの、ストーリーの完成度やらにあまり期待できないシリーズですが、最後ということで鑑賞。なんだかんだでもう1作目からは6年も経っているのですね。

今回は地元の映画館で観てきましたが、休みの人もあって混んでいました。そして久しぶりにあんなに学生に囲まれて観たかも。やはり男子には結構人気みたいです。

「ヴェノム:ザ・ラストダンス」の公式サイトはこちら

~あらすじ~

venom-the-last-dance-movie-2024-tom-hardy

ジャーナリストのエディ・ブロックに地球外生命体シンビオートが寄生し誕生したヴェノムは、強靭な黒い肉体と鋭い牙、そして長い舌で人を喰らう恐怖の存在。
しかし、エディと一心同体となったヴェノムは強敵カーネイジを倒し、世界を救うヒーローへと変貌を遂げた。その戦いの末、政府機関に追われる立場となった彼らはメキシコへと逃亡。
そんな中、宇宙から新たな脅威が迫る。ヴェノムをはじめとするシンビオートたちの創造主である邪神ヌルが、ヴェノムの持つあるものを狙い、シンビオートハンター・ゼノファージを地球に送り込む。
再び命を懸けた戦いに挑むエディとヴェノムは、さらなる試練に立ち向かうことになる。

感想レビュー/考察

venom-the-last-dance-movie-2024-tom-hardy

スパイダーマンへの未練は捨てたけど・・・

「ヴェノム」シリーズもなんだかんだで3作目となり、最終作とされています。

観終わってみるとなんというか自分の物語をしっかりとやってきたようなやってきてないような、微妙なスタンスが災いしたのかうっすい印象でした。

もともとMCUにスパイダーマン経由でからみたい魂胆がなんとなくあった作品でしたが、「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」でトムホランドのスパイダーマンユニバースに現れ、かと思えば、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で何もかかわらないままに元の世界へ帰っていった。

触ったようで結局何も起きなかった感じですが、こういうことをやっている間に時間だけは経っているのです。

そんなスパイダーマンへの未練をOPですぐに断ち切ってしまう今作。「もう飽きた」と言い放つとすぐにMCUからいつものユニバースへ帰ってきたエディ。

よそ見を止めたうえで最終作とうたうので、何か奥深い集大成があるようにも思いましたが、しかしその奥底にある素材を生かすまで至らないのが問題です。

新しい登場人物たちは深く理解できないままに

今回はこれまで以上に強力な敵、ヌルが登場。なんだか「トランスフォーマーリベンジ」のフォールンみたいに、惑星の奥深く出縛られて喋るだけですが。おそらくサノスくらいには宇宙規模に危険な存在だと思われます。

しかし本領発揮もなくて、におわせだけで終わってしまいます。

その他にもいろいろと人物が出るものの、あまり個人レベルでの掘り込みがない。重要そうなペイン博士。過去の落雷事故で片腕が不能になっている設定だったりもなんだか消化不足に感じます。

この先に何かが広がりそうだと思わせるのは、この最終作では不要だったのではないでしょうかね。

venom-the-last-dance-movie-2024-tom-hardy

リーサル・プロテクター要素の少なさ

もともとヴェノムにはダークヒーロー要素があり、映画の中でも何度もリーサル・プロテクターというコミックで使われているヴェノムの呼称が出てきます。

正義のヒーローは相手を殺すことは避けている、特にスパイダーマンはそれを守ろうとしますが、絶対な悪には容赦をせず弱いものを守るというスタンスが、ヴェノムの持つクールな要素の一つです。

正直逃避行作品になっているのでもう一般市民の救助シーンなんてないんですよね。もったいない。

様々な動物に寄生しながらスピーディにどうしたり危機を乗り越えていくそのリッチなCG表現とか、迫力あるビジュアルアクション面は、そのシンビオートたちの独自性ある液状のグラフィックも相まって楽しくはありますけれど。

終幕ではいろいろなタイプのシンビオートが登場して、これまでになくそれぞれの属性的なものが見たりと面白かったです。

共生を示したヴェノムとエディ

あやふやで見た目の楽しさ異常が引き出せていない今作ですが、ヴェノムは共生というのもテーマです。

ヴェノムはエディ・ブロックの身体を提供してもらうことでシンクロして生きながらえているエイリアン。エディもまた、様々な困難に対し、ヴェノムの力で生き抜いてきている。

エイリアンというのは今でこそ宇宙人のことを指しますが、もともとは外国人を指す言葉。ヴェノムのような別世界からの訪問者は、捕縛され研究材料にされる。

ここに、移民との共生のテーマがあったかもしれないですね。

ヴェノムにルールを教えつつ、エディは受け入れて助け合う。しかし多くの人間たちはこうした移民を排除しようとしますね。

venom-the-last-dance-movie-2024-tom-hardy

自由の女神が見たかった

エディ×ヴェノムこそ目指すべき共生の姿であるなかで、ヴェノムは人々を救うために自己犠牲を払う。

今作で彼らはニューヨークを目指す。自由の女神を見てみたいというヴェノムの意志を、エディは受け継いで港を訪れあの像を見ます。

あの像は、多くの移民たちを乗せた船がニューヨークの港に着く際に最初に見る像。

彼女の足は引きちぎられた鎖があり、それは束縛や隷属からの解放を意味する。

移民たちを慈悲深く寛容に迎え入れる自由の女神を見たかったというヴェノムの言葉には、どこか切ない気持ちにさせられます。

シリーズを通して、侵略者ではなく難民や移民としての様子が描かれてきていますから、ここを前に出して、そのビジュアル要素と肩を並べていくことができれば、もっともっと深く心に残る作品になった気がします。

表面的にファンが求めていることに応えようとした結果、素材が持っている良さが埋もれてしまった印象です。

トム・ハーディが魅力としてコアにあり引っ張っていく力は衰えていませんし、シリーズを見続けてきた方はラストということで鑑賞してみてはいかがでしょう。

ちなみにこの先にもソニー製のユニバースは続くみたいですし、トム・ハーディらキャストのインタビューではヴェノムの物語の続きも期待はされているみたいですね。

今回の感想はここまで。ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました