「ヴェノム」(2018)

  • 監督:ルーベン・フライシャー
  • 脚本:スコット・ローゼンバーグ、ジェフ・ピンクナー、ケリー・マーセル、ウィル・ビール
  • 原作:デイヴィッド・ミッチェリニー、トッド・マクファーレン
  • 製作:アヴィ・アラッド、マット・トルマック、エイミー・パスカル
  • 音楽:ルードウィグ・ヨーランソン
  • 撮影:マシュー・リバティーク
  • 編集:メリアン・ブランドン、アラン・ボームガーデン
  • 出演:トム・ハーディ、ミシェル・ウィリアムズ、リズ・アーメッド、ジェニー・スレイト 他

マーベルコミックのスパイダーマンシリーズに登場するヴィラン、ヴェノム。

彼は一度、サム・ライミ版の「スパイダーマン3」(2007)にて実写映画デビューしており、その際には一度スパイダーマンに寄生し、その後トファー・グレイスが演じたエディ・ブロックに寄生しヴェノムとして襲い掛かりました。

今作はソニー製のマーベルコミック映画であり、MCUと直接にはかかわらない設定ですが、これまた独自の世界観を持つものらしいです。

監督は「ゾンビランド」(2009)、「L.A.ギャングストーリー」(2013)のルーベン・フライシャーが務めます。

主演は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015)「ダンケルク」(2017)などのトム・ハーディ、そして「グレイテスト・ショーマン」(2017)「ゲティ家の身代金」(2017)のミシェル・ウィリアムズ、また「ナイトクローラー」(2014)「ローグ・ワン」(2016)のリズ・アーメッドが出演しています。

ヴェノムのモンスタールック、そしてトム・ハーディ一はじめ演者がみんな好きなので鑑賞。

TOHO日比谷のドルビー・アトモスでしたが、土曜日だったのでかなり混んでいましたね。

ジャーナリストとして働くエディ・ブロックは、宇宙探索にまで手を広げるライフ財団の取材で、その闇に切り込んだせいで職と恋人を失う。

最悪な人生を送ることになったエディだが、ライフ財団の内部研究者が、非人道的な研究を暴露すべくエディにアプローチしてきた。

もう弱者のために尽くすことはないと言い切っていたエディだが、真実を追うために研究所に侵入。そこで被験者に襲われてしまい、警備隊から逃走するのだが、その際に信じられない力を発揮する。

なんとエディは、ライフ財団の研究所に宇宙から回収され保管されていた、地球外生命体に寄生されていたのだ。

自らをヴェノムと呼ぶこの生命体は、エディの体を宿主として、仲間のある計画をつぶすと言い出した。

ハッキリ言ってすごくいい映画ではない、というかよくできた映画ではないです。

よくも悪くもちょっと昔のコミック映画って感じですね。

何かと今はアメコミ映画もアート寄りに向かおうとする点がありますから、なんか少し古臭い展開やバトルにノスタルジーと一種と安堵を覚えました。

正直言って、ヴェノムがエディに寄生するまでが長いです。長く感じるほど退屈。

運びが悪いわけではないんでしょうけども、段取り的であまりノレないなあと思いながら見ていました。

ヴェノム寄生までに、一応は宇宙からの回収とか、その他ふくめてシンビオートの説明とか、ライフ財団=ヴィランの設定、エディとアンの関係など色々描きこんで、後々必要なんですが、丁寧すぎる気がします。

シンビオートに関してはヴェノムがしゃべるわけですから、地球に来るまでと研究所での描写はヴェノムにしゃべらせちゃえばいいんじゃないかな?

それでも見ていけたのは、演者のおかげかと。

トム・ハーディは相変わらずそのフィジカルでの演技がうまくて、通りを歩くさまだけでもエディのどん詰まり人生が分かりますし、ミシェル・ウィリアムズは序盤だけでなくこの作品におけるお母さんとして安心感をもたらしています。

あとリズ・アーメッド。しゃべり方が良いですね。

で、ヴェノム寄生後からは怒涛のようにライド感が増し、アクションも増えていきラストまであまりクールダウンもせずに突っ走っていきます。

今作はヴェノムのルックが出たときから、結構ガチなモンスター、グロい描写が覚悟/期待されていましたが、実際のところホラー要素やグロさは全然ないです。

実はそこが今作を悪いといえなくさせる素敵なポイントだったかと思います。

エイリアン寄生ホラーではなくて、各所で言われていますが、ド根性ガエルです。

ヴェノムはぴょん吉なのです。

まあ見ればわかると思うんですが、この映画、巻き込まれエディ君と押しかけエイリアンのバディ映画なんですよ。このコンビがぶつくさ言い合いながら、時にケンカしつつ仲良く頑張る映画です。

もはやかわいく思えてくるレベルでした。

ちょっとヴェノムが子供っぽくて、甘えるようなことやいじけることもあったり。

期待していた方向ではないにしろ、一つの魅力的な要素があるので、ここが気に入ってしまえば楽しめるかと。

脚本の部分でいえば、あまり人物造形も定まっていないし、ヴィランのドレイクもライオットもエディ/ヴェノムコンビとの対比や対峙する要素がはっきりせず、ラストの戦闘に関しても組み立てが雑です。

最初からライオットがロケットに登場してから打ち落とせば良かったんじゃ・・・

まあシンビオートと人間二人が入り乱れてのロングショットでの戦闘はグロいけどどこか美しい造形で良い映像体験であったと思います。

綺麗にアンチヒーロー誕生話にまとめあげているのも収まりは良かったと思います。

メインを勤めたトム・ハーディのフィジカルと、兄弟のようなヴェノムとエディを包むミシェル・ウィリアムズの包容力が安心感をくれる作品でした。

どちらかというと掛け合いが楽しみですから、今後の続編が観たいとは思わせてくれます。既に伏線も張っていますし、次はどうなるのでしょう。

「スパイダーマン:ホームカミング」の世界との共有もしたいとか、独自のヴェノムバーストか、いろいろ広がる可能性はありますけども、エディとヴェノムコンビの掛け合いという魅力は確立されているので、いい方向に進むことを願いますね。

感想はこのくらいで。それではまた。

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