「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013)

  • 監督:マーティン・スコセッシ
  • 脚本:テレンス・ウィンター
  • 原作:ジョーダン・ベルフォート『ウォール街狂乱日記 – 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生
  • 製作:リザ・アジズ、ジョーイ・マクファーランド、レオナルド・ディカプリオ、マーティン・スコセッシ、エマ・ティリンジャー・コスコフ
  • 製作総指揮:アーウィン・ウィンクラー、ジョージア・カカンデス、アレクサンドラ・ミルチャン
  • 音楽:ハワード・ショア
  • 撮影:ロドリゴ・プリエト
  • 編集:セルマ・スクーンメイカー
  • 出演:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、ジャン・デュジャルダン、カイル・チャンドラー、ジョン・バーンサル 他

The Wolf of Wall Street-2013

「沈黙-サイレンス-」などのマーティン・スコセッシ監督が、実在のセールスマンであるジョーダン・ベルフォードの回顧録を基に制作した伝記・コメディ映画。

主演は監督とは「ディパーテッド」などでも組んでいたレオナルド・ディカプリオ。またジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒーなど豪華な出演陣がそろっています。

作品はアカデミー賞にて5部門のノミネートを果たしました。

日本公開時にも見ようか悩みましたが、3時間の上映時間に都合が合わずに見れなかった思い出が。結局今になってからブルーレイでの鑑賞です。

The Wolf of Wall Street-2013

22歳の若きジョーダン・ベルフォードは、金持ちになりたい一心からウォール街にある投資銀行に入社する。

情熱をもって良きビジネスをしようと考えるジョーダンだったが、上司のマークは昼間から酒を飲みコカイン漬けで仕事をしており、しかも彼は客に売る株が優良だろうがクズだろうが気にしていなかった。

マークの姿勢には若干抵抗を覚えるものの、ジョーダンは必死に勉強しディーラーの資格を取得。

だが、ブラックマンデーで当の投資銀行が破綻、ジョーダンは田舎町の小さな取引事務所に移ると、巧みな口だけでクズ株で大口の契約を獲得し、一目置かれるようになる。

ジョーダンはストラットン・オークモントという自分の会社を立ち上げ、これまたどうしようもないクズ男ばかり集め、くそったれな株を巧みに売りまくる事業をフル回転させ始めるのだった。

The Wolf of Wall Street-2013

上映時間3時間で気が引けている方にはこれだけは言えますが、体感的にはもっと短く、正直1時間ちょい位に思えるほどでした。

これはスコセッシ監督のお得意のスタイルのためでしょう。

これでもかと詰め込まれる過剰なシーンの応酬、セリフの絶え間ない流れ、とにかくぶっ飛んだ人物が繰り出し続けるぶっ飛んだ内容を追っていくだけで、まるで作品自体が何かの劇薬のように流れ、躁状態で突っ走っていくからです。

もちろん、単純にシーンをたくさん入れ込んでいるだけではなく、音楽の使い方としても音楽自体が映画の語りや抑揚とリンクするように設計されているから観やすいというのもあると思います。

すべての要素が大きなうねりのように生き生きと動いているわけです。

回顧録だからこそ、ナレーションが普通にかかりますし、人物が観客に話しかけることもあり、またメディアを多様に使ってのつくりをいれたドキュメンタリーチックな雰囲気も出ていますね。

The Wolf of Wall Street-2013

そんなエネルギッシュな作品で意気揚々と全身使っている(ランボルギーニに乗るモーションがおもしろい)ディカプリオもすさまじいです。

アイドル的なカリスマ存在感はあるのに、どこか小物的な顔ものぞかせながら、やはり惹きつけてしまう力をディカプリオが出しています。薄っぺらい感じでありながら、流れていくモブではないというか。

フィジカルからバーバル(F*ckが多すぎるw)までもうハチャメチャですけれど、決してただの力押しではないと思います。

マコノヒーから教わった?あのリズムとる動きがここぞという部分で鼓舞するためのアクションになって後々呼応していたりと、構成も感情の動きが組まれていると感じます。

セックスとドラッグ、金だらけで展開していき、性根から言うこと聞かないどうしようもない人間のドラマなのに魅力的に感じてしまう。

ペンの下りとか、言ってること実はおかしいんですが、すごく印象に残ってしまいますし、なんでしょうね、「あ、すごいマーケターだ!」と感じてしまうんですよね。

The Wolf of Wall Street-2013

ここまで狂っていて、倫理観を欠いたサイテー人間のまくしたて物語ですから、嫌悪感を示すという方もいるかと思います。

ただ私は楽しみました。楽しんでしまいました。

やはり「グッドフェローズ」もそうですが、落ち着きの真反対みたいな、イカれた世界を垣間見てそこに飲まれていくことに高揚感を覚えてしまうのです。

そうするとラストがすごく厳しい感じで効いてきます。

再びのペンのエピソードが繰り返されるとき、あの会場でボケーっとしてベルフォードを見ている人間、あの一人だと気づかされてしまいました。

もちろん社会でもこんな感じで、(善悪としては別ですが)ベルフォードのような大波へのチャレンジをしなかった側としてのむなしい感じもありますし、またこの映画をただ座ってみているという意味でも重なってきました。

やるだけやる。その点でいえばベルフォードを悪くは言えません。

止まらないのか、止まれないのかは別にして、金とセックスとドラッグしかないある意味で虚しい人間の様をそのエネルギッシュさともどもぶち込んでくるジェットコースターのような作品。

ただ、音楽や演技、構成はしっかりとお客さんの安全を保障する丁寧な職人芸でもある映画でした。

感想は以上。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた。

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