「ウィンチェスター銃’73」(1950)

  • 監督:アンソニー・マン
  • 脚本:ロバート・L・リチャーズ、ボーデン・チェイス
  • 製作:アーロン・ローゼンバーグ
  • 音楽:ウォルター・シャーフ
  • 撮影:ウィリアム・ダニエルズ
  • 編集:エドワード・カーティス
  • 出演:ジェームズ・スチュワート、シェリー・ウィンタース、ダン・デュリエ、スティーヴン・マクナリー、ミラード・ミッチェル、ロック・ハドソン 他

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「胸に輝く星」などのアンソニー・マン監督が「素晴らしき哉、人生」などのジェームズ・スチュワートとタッグを組んだ西部劇。

奇跡の銃と呼ばれるウィンチェスター’73を巡る二人のガンマンの因縁と、闘争に巻き込まれていく人のドラマを描きます。

「狩人の夜」などのシェリー・ウィンタースも出演、その他ダン・デュリエ、ミラード・ミッチェルも出ています。

ウィンチェスター銃’73とはある意味偶然できた銃で、その見事な出来映えから、「西部を支配する銃」と呼ばれるものでした。

ウィンチェスターライフルのなかでは最も成功したモデルらしく、作中でも描かれますが、高額か金では買えない価値があったようです。

この作品自体は結構前から名前は聞くほどに有名でしたが、なかなかみる機会が無いもので、学生の頃にクラシック西部劇の大全集とか買ったのですがそこにもなかったんですよね。

今回はAmazonプライムビデオでの配信があったため初めての鑑賞になります。

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何千に1丁と言われる逸品ウィンチェスター銃の1873モデル。

西部のとある町では、この銃を優勝商品とした射撃大会が開催される。

その町に二人のガンマンがやってくる。リン・マカダムとハイ・スペードの二人だ。

リンは保安官に射撃大会とウィンチェスター銃のことを聞くと、自分も出場するために酒場へ登録へ行く。

しかしそこにいたダッチという男とリンには因縁があった。一触即発になる二人だが保安官の手前ここは収まり、射撃大会で勝負することになる。

二人は他の参加者を圧倒する腕前で、色々と種目を変えても全く勝負がつかなかったが、ついに投げた小さなリングの真ん中を撃ち抜くという離れ業でリンが優勝、見事ウィンチェスター銃を手に入れた。

しかし、ダッチはリンが一人になるところを待ち、仲間とともにウィンチェスター銃を奪って逃亡するのだった。

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タイトルからも分かるように今作の主人公は、マクガフィンでもあるウィンチェスター銃になっています。

この銃を巡ってそれを手にし、手にしようとする数々の人間のドラマが描かれます。

その銃の入手の仕方や顛末がまさに個人のドラマを語っており、付随しているドラマに濃厚な帰結を与えてくれているのです。

そこでもちろん、何故この銃が欲しいのかということも各自のドラマとして重要に思います。

ただ、実は終盤へ行くまで、一応の主人公であるリンには明確な理由はなく、まあ当時の西部のガンマンなら狙わないわけがないといった感じくらいでしかないですね。

ただこれは最後まで行き着いたときに、帰納法的に分かるので、締めくくりとしてもきれいに思えました。

マクガフィンであるウィンチェスター銃と、連続したロングカットで画面に登場するリンというOPも布石になっています。

ウィンチェスター銃の登場はまさにタイトルロール。

名前の掘られていない銃のクローズアップから引いていき、銃を誉めそやす人々とショーケースが映り、カットが割られずにリンとハイ・スペードの入場。

全く見事なワンカット。

同一カットに連続して登場することで、この銃とリンとの間に繋がりや運命を持たせてから、映画をキックオフするというわけです。

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そこから銃を巡り展開する物語ですが、所有者の移り変わり含めて展開が読めずエンタメとしての機能も素晴らしいものになっています。

射撃大会に賭博、インディアンとの戦闘に銀行襲撃そして高所での決闘。

アクション映画として盛りだくさんですし、特にインディアン舞台と騎兵隊の闘いは凄まじい迫力です。

ダッチは結構な悪人ですし、ダン・デュリエ演じるウェイコは精神異常者っプリが凄い(そこが彼の魅力ですが)。

そんな中で人死にもあり暗くなりそうなところ、随所に良い感じで力を抜けるキャラがいてマイルドになっているところも好きです。

シェリー・ウィンタースが演じるローラは完全に巻き込まれ型被害者ですが、めげないところと彼女自身にガッツがあるのが良い。

写真をみたりしつつそこまでリンとダッチの因縁の対決に関わらないのは惜しいですが。

またワイアット・アープ保安官の気さくな感じ(OK牧場の決斗よるまえの話らしいですね)も、騎兵隊の隊長のユーモアある態度も。

そしてずっとついてきてくれる、ミラード・ミッチェルが演じるハイ・スペードですね。

私は一番この友達にしたい男No1みたいな信頼できてそばにいてくれるハイ・スペードが気に入りました。

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巡りめぐるウィンチェスター銃の運命。

所有者が呪われるように死んでいくのですが、手放していくこと、掴むことに意義が見えます。

その者の生の意義が。

ダッチはウィンチェスター銃を強奪しますが、それ故に賭博で金を奪われ足元みられたあげくに取り上げられる。

そして商人は弱い立場のものを獲物として、ビジネスと言いつつ食い物に。だから自分の方が弱い立場と気づけずインディアンに殺される。

インディアンは殺して奪ったのでまた殺される。

個人的には刹那的で蛇のように生きるウェイコの下りが好きです。

マウントとって殺して奪うくせに強いものがいるとあっさり引き渡しちゃう姑息さが。

でも結局は、そこに名前を掘られていなかった銃は、リンの元へ。

実力と正義の二つを体現する彼だからこそ、巡り巡ってこの”西部を支配する銃”は還ってくるというわけです。

アクションの詰まった興味の持続する展開を持った西部劇としてオススメのエンタメ映画だと思います。

アンソニー・マン監督の作品群ももっとちゃんと見ていかなきゃと感じました。

今回の感想は以上。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

ではまた次の記事で。

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