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「バットマン リターンズ」”Batman Returns”(1992)

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映画レビュー
Batman Returns (1992) Directed by Tim Burton Shown: Michelle Pfeiffer (as Catwoman), Michael Keaton (as Batman)
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「バットマン リターンズ」(1992)

  • 監督:ティム・バートン
  • 脚本:ダニエル・ウォーターズ
  • 原案:ダニエル・ウォーターズ、サム・ハム
  • 原作:ボブ・ケイン
  • 製作:デニーズ・ディ・ノヴィ、ティム・バートン、ラリー・J・フランコ
  • 製作総指揮:ベンジャミン・メルニカー、マイケル・ウスラン、ジョン・ピーターズ、ピーター・グーバー
  • 音楽:ダニー・エルフマン
  • 主題歌:スージー・アンド・ザ・バンシーズ “Face to Face”
  • 撮影:ステファン・チャプスキー
  • 編集:クリス・レベンゾン、ボブ・バダミ
  • プロダクションデザイン:ボー・ウェルチ
  • 美術:トム・ダフィールド、リック・ハインリクス
  • 出演:マイケル・キートン、マイケル・ガフ、ミシェル・ファイファー、ダニー・デヴィート、クリストファー・ウォーケン 他

ティム・バートンによるバットマンシリーズの2作目。主演は前作「バットマン」(1989)から引き続いてマイケル・キートン。

今作には新たな敵役として原作コミックでも人気のキャット・ウーマンとペンギンが登場します。

前作からさらにバートン監督の世界観が強く推し出されている作風、そして異形への愛情が多分に含まれていると知られていますね。

今作は当時はまだ珍しかったCGの導入もしており、アカデミー賞では視覚効果とメイクアップにノミネートしています。

バットマンが犯罪と闘うゴッサムシティに、また新たな脅威としてサーカスギャングが登場していた。

野心的な実業家のマックスは、サーカスギャングのボスであるペンギンと組み、自身の発電所計画を進める。ペンギンの方もマックスの権力を使い、自作自演で名声を得ようとし始める。

マックスの秘書であるセリーナ・カイルは、偶然にもこのマックスの計画を知ってしまい、オフィスから突き落とされてしまう。しかし、猫の魔力により蘇った彼女は、キャットウーマンとして活動。

バットマンはゴッサムに表れた2人の怪人に対峙していく。

前作でバットマンの説明はされていることから、今回は街に信頼されるヒーローとして最初からアクションを見せつけてくれます。

バットシグナルが映るブルースの部屋に、相変わらずカッコいいバットモービル。今作はさらにギミックもたくさん見ることができますね。ミニチュアだけでなくCGの使用も観られます。

まあミニチュアでもオープニングの屋敷や下水道での一連のシーンなど素晴らしいクオリティを見せてくれていますが。

CGの使用はダイナミズムを持たせる意味ではすごく良かったです。バットモービルのシールド表現にやはりコウモリの大群は見せ所ですね。実際に用意しても思うように動かず、合成も難しいところでしょう。

またバットラングのリモートコントロールシーンはPOV的なカメラワークが面白いです。格段に視覚面での進化をしておりますよ。

そして前作ではバットマンがジョーカーと対峙することで自らの狂人性と向き合う話だったのですが、今作ではその狂気をしっかりと内包しており、さらに説明が少なくなっております。

やはりミステリアスでクール。覚悟のできた、いわば熟練の狂人w

そんな狂人先輩バットマンに対抗するのはキャットウーマンにペンギンの新人さん。

しかしジョーカーは根っからの悪党であったのに対して、彼らはとにかく悲しい。異形であるが故に親に捨てられ、ペンギンに育てられるとか・・・悲しすぎるよ。

ダニー・デヴィートは彼自身小さいわけですが、演技の素晴らしさに加えての見事なメイクで完全にペンギンという少しやり過ぎなキャラに現実感を与えています。

バカらしいのにしっかり感情移入できるのです。とがった鼻、ギョロッとした目、口からは黒い液体が滴る。

まるで愛情を求め続けているかのように、ずっと赤ん坊の服のようなものを着て。飛べない鳥という悲哀をコウモリ傘に乗せて。バットマンに対しては同じく奇怪な格好をしているのに、尊敬されているのが悔しく、羨望を持っていたのでしょう。

キャットウーマンはミシェル・ファイファーが何とも美しいですし、あの体のラインが出るスーツも良い感じです。

しかし彼女の方も衣装が抜群ですね。

引き裂かれてしまった心をなんとか繋ぎ止めるような縫い目だらけのスーツ。説明は過剰でなくとも、愛を受けずに生きてきたのは彼女もペンギンもい同じですね。

「一人さびしいクリスマスを送るのだ。」

舞台はクリスマス。それぞれがそれぞれの愛する人たちと過ごす日。

ペンギンが初めてテレビに出る姿を観てブルースはなんとも言えない表情を浮かべています。思えばブルースも、幼くして両親を失っていますね。アルフレッドはいるものの、親の愛情を直接受けることはできずに幾度ものクリスマスを過ごしてきたのでしょう。

それがバットマンを生み出した。

何かしらの愛の欠如が一人を分裂させてしまう。

ブルースもセリーナもその片割れ同士として近づいたとしても、もはや不完全になってしまった人間。愛することとか、愛されることとか、それらがなんだったのかもわからなくなってしまったように思えました。

凶悪なことをする悪役でありながら、哀しさにあふれる最後を送るペンギンも印象深いものです。

最後に引き抜いた傘がかわいい普通の傘とか・・・本当に欲しいのはそれなのかな。せつねぇ・・・

彼にとっては人間は暖かすぎるのかもしれません。ペンギンたちに連れられて、やはり飛び立てず水に入っていくのです。

バットマンのヒーローとしての活躍も見せつつも、今作は異形のものたちへ愛情が込められた切ない物語になっています。

狂言回しとしてバットマンは新たに生まれる狂人と向き合い、それはどこかでブルースの物語でもある。得られなかった愛が人を引き裂く悲しさをティム・バートン監督は暖かな眼差しを持って描きます。

前作に比べれば、個人的にはダークではないと思います。ただバットマンにしか抱擁できないこのゴッサムの怪人たちの物語は、非常にしんみりとした余韻を残すものでした。

ということで、バットマンリターンズ。

これは王道タイプでないにしてもバートンの傑作映画ではないでしょうかね。こんなところでレビューはおしまいです。それでは~

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