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「キャリー」”Carrie”(2013)

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carrie-movie-2013-chloe grace moretz 映画レビュー
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「キャリー」(2013)

  • 監督:キンバリー・ピアース
  • 脚本:ロバート・アギーレ=サカサ、ローレンス・D・コーエン
  • 原作:スティーヴン・キング
  • 製作:ケヴィン・ミッシャー
  • 製作総指揮:J・マイルズ・デイル
  • 音楽:マルコ・ベルトラミ
  • 撮影:スティーヴ・イェドリン
  • 編集:リー・パーシー、ナンシー・リチャードソン
  • 出演:クロエ・グレース・モレッツ、ジュリアン・ムーア、ジュディ・グリア
  • アンセル・エルゴート、アレックス・ラッセル、ガブリエラ・ワイルド、ポーシャ・ダブルデイ 他

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「ボーイズ・ドント・クライ」(1999)のキンバリー・ピアース監督が、1974年のブライアン・デ・パルマによる「キャリー」をリメイクした作品。

今作はよりスティーブン・キングの原作に寄せているリメイクになっております。

主演は「キック・アス」や「ミスエデュケーション」などのクロエ・グレース・モレッツ。また狂信的な母を「アリスのままで」などのジュリアン・ムーアが演じております。

もともとあの名作ホラーのリメイクとのことで、2013年当時にも注目作ではありましたが、私はどうにもグレース・モレッツのキャリー役がシシー・スペイセクに比べ華やかすぎる感じや、そこまで好評でなかったのでスルーしていました。

今回はソフト版での初めての鑑賞になりました。

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狂信的な母に育てられてきたキャリー。

家庭環境もあり彼女はとても臆病で物静かであり、それが学校ではいじめの標的になっていた。

ある日キャリーは学校のシャワールームで初潮を経験し、自分が死んでしまうのではないかとパニックに陥った。

クラスメートたちは生理も知らないキャリーをからかいビデオ撮影したが、デジャルダン先生が止めに入りキャリーを助けてくれた。

キャリーはもともとサイコキネシスを有しており、女性としての成長と共にそれは強くなるが、母はそうした性的なものを全て穢れであり罪であると、キャリーを激しく叱る。

一方で、キャリーへのいじめが原因で一部の生徒はプロムへの出席を禁じられてしまい、キャリーを逆恨みした挙句、ある計画を企んでいた。

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もしもスティーブン・キングの小説も読んだことがなく、デ・パルマ監督の映画版も観たことがなく、キャリーに初めて触れるというのであれば、この作品を楽しむことができると思います。

純粋に楽しい作品ではあります。

初対面としては、原作に忠実でありますし、演技や演出もしっかりしており、哀しくも恐ろしいキャリーの物語を知るには十分でしょう。

しかし、同時に今作はどうしよもなく普通です。

これはデ・パルマ監督版を観ているからとか関わらず、音楽や撮影、ホラーシーンなどどこをとっても、良く言えば堅実、悪く言えば平凡なのです。

今作は、原作小説やデ・パルマ版と違い現代を舞台にしていますが、スマホと動画拡散の要素を除いて、何か特色があったでしょうか。

映像表現としてももちろんCGによる自由度は格段に上がっていますが、繰り出される要素や演出はなんら変わり映えしません。

どうにも、ただこの有名な少女の物語を単純に語り直しているにすぎないと思えるのです。

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グレース・モレッツは思っていたよりゴージャスさを抑えていて、時折非常にずんぐりとした印象を見せていて良かったと思います。

また、ジュリアン・ムーアも流石です。なんだか不健康で髑髏的な風貌に、ちょっと狂った怖さが光る役柄です。

先生を演じたジュディ・グリアも結構ハマっていたと思いますし、キャストはそれぞれしっかり役目を果たしているんですが、やはり堅実という感じ。

立ち位置としては原作を再び映画化したというものではないのでしょうか?

デ・パルマ版リメイクとしては忠実ですけれど、新解釈とまではいかずとも何かこの2013年版という印が欲しかったですね。

本当にわずか、一瞬だけ示される性的倒錯、複数での性行と同性愛をもっと掘り下げてもよかったかもしれません。

VFXだけでなく、現代の映画手法とキャリーを結びつけるとか、何か輝きが欲しい作品でした。

キャリーを初めて観るなら普通に楽しめる作品です。

しかしあえてデ・パルマ版より優先する必要や、それを観ているのにこちらを観る必要性はないと思います。

語り自体は悪くないですが、なぜもう一度語る必要があったのかに疑問の残る作品でした。

グレース・モレッツや俳優陣が好きであれば観てみてください。

今回はこのくらいになります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それではまた次の記事で。

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