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「チャイルド・プレイ」”Child’s Play”(2019)

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映画レビュー
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「チャイルド・プレイ」(2019)

  • 監督:ラース・クレヴバーグ
  • 脚本:タイラー・バートン・スミス
  • 原作:ジョン・マンシーニ
  • 製作:デヴィッド・カッツェンバーグ、セス・グレアム=スミス
  • 製作総指揮:クリス・ファーガソン、アーロン・シュミット
  • 撮影:ブレンダン・ウエガマ
  • 編集:トム・エルキンズ
  • 出演:ガブリエル・ベイトマン、オーブリー・プラザ、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ティム・マシスン、マーク・ハミル 他

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1988年からの「チャイルド・プレイ」シリーズのリブート作品。あの殺人鬼チャッキー人形がスクリーンに帰ってきます。

監督はちょうどデビュー作の「ポラロイド」が同時期公開となったラース・クレヴバーグ。人気シリーズリブートを長編2作目で任されたんですね。

主人公アンディは「ライト/オフ」などのガブリエル・ベイトマンが演じ、母親役を「イングリッド ネットストーカーの女」などのオーブリー・プラザ、刑事役には「スパイダーマン:スパイダーバース」のブライアン・タイリー・ヘンリーが出演。

そしてチャッキー人形の声を、ルーク・スカイウォーカーで有名なマーク・ハミルが演じます。

小さいスクリーンだったからかまあまあ混んでいて、割と若い人が多めでしたね。

childsplay2019

最新の人工知能を搭載した子供向け人形”バディ”。クラウドとの接続、発売元企業の製品と同期可能で、最高の親友となる商品。

母と引っ越し、新しい生活を始めたアンディだが、友達もできず孤独に過ごしていた。

そこで母は職場から返品されたバディを一体持ち出し、プレゼントとしてアンディに渡す。

初めはつまらないと思っていたアンディだが、他のバディとは少し違う人形を気に入り、チャッキーと名付けて一緒に遊ぶようになった。

チャッキーのおかげで同じアパートの子たちとも仲良くなり、楽しく過ごすアンディだったが、チャッキーは親友アンディのためになら、常軌を逸した行動までとるようになっていく。

チャイルド・プレイシリーズは子供のころTVで4つ目くらいまで見た程度、そこまで入れ込んだシリーズではないのですが、新作ですし観に行ってみました。

結果として、チャイルド・プレイに何を求めるかというのもあるかもしれませんが、1つのスラッシャーホラー映画として楽しんで観ることができました。

実際羽振りの良い惨殺シーンに、あまりに不謹慎なドタバタシーンなどもあり、コメディに見えるところも多く見受けられます。

あまり陰惨な空気や静かに痛々しいこともなく、思いきり殺るところは思いきるので、気持ちが良いくらいです。

特に子供にたいしては超絶残酷描写もなく、だいたい大人が死にますね。

で、クソ野郎どもが死ぬところも豪快な上に、直前でそのキャラの株をさらに下げる事実も見せたり、かわいそうと思わせない作り。

息子の前でベルト締める節操のない男は、殺される直前にとんでもない裏切り者と分かりますし、あの管理人も監視カメラをあんな風に使ってると判明しますし、もうやっちゃえチャッキー!状態。

観客側に悲痛な想いを、良い意味で死ぬ人物に同情させないことで、チャッキーの活躍を楽しめます。

childsplay2019

で、全体構成として思ったのは、昔のチャッキーと設定を変えたこと(オリジナルの設定に戻したというのが正しいようです)をしっかり真っ直ぐ活かしているのは良かったと思います。

今回はスピリチュアルな要素はなく、「ターミネーター」のようなテクノロジーによるホラーでした。

チャッキーは悪意がなく、とことん純粋無垢な存在として描かれます。

ただベスト・バディ(最高の親友)を守り幸せにする。

ただし受ける情報は全て、そのピュアさゆえにありのまま受け取り解釈してしまうのです。

純粋なので、序盤にアンディ(ネーミングに皮肉がこもる)と仲良くなり、友人も増えて孤独が癒えていくシーンとかは、音楽も相まって本当に幸せで心暖まります。

ただ、執着が強く異常行動が増えるにつれ、その仲の良さが恐怖にかわります。

優しい子供のような感じと、その中にどうしても感じる無垢な邪悪さを、マーク・ハミルが見事に声で演じていますね。

チャッキー自体はやたらに表情豊かではなく、どちらかと言えばロボット人形ゆえの制限があるのですが、声の演技で素晴らしい厚みを持っていました。

超ヤンデレアンディ大好きピュアボーイであるチャッキーは、突き進む。

人間ではない何かに、単純に攻撃されるとかではなく、執着されるという気味の悪さが効いています。

敵対しているわけではなく、まるで魂を欲する悪魔。愛されているということが恐怖になるのです。

テクノロジー方向にいったことで、チャッキー主観とか、同期した機器を使った演出もありおもしろいですね。

ドローンとかは意外性も含めて驚きました。

常に全てが繋がっている環境と、それに依存した人間の生活。

学習が間違った方向にいけば、恐怖が待っているのかもしれません。

「ポラロイド」も同じくデバイスに何かが宿っている感じですし、そういった点でラース監督は抜擢されたのかも?

ただデバイスやテクノロジーに関しては微妙に詰めの甘い印象も。

アンディの使う補聴器は初めに古い型だという会話がありますし、どうやらスマホも古いようですね。

なのでこの古さを、チャッキー打倒の鍵にして欲しかったなと。

同期できない、チャッキーがコントロールできない点が、勝利のロジックに組まれているとおもしろかったかもしれません。

ちょっと気になることはあるのですが、殺人人形チャッキーの大暴れを楽しく観れる作りは見事。

今年はブギーマンといい、スラッシャー映画の古株が素敵なリターンを果たしていますね。

感想はこのくらいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた次の記事で。

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