「gifted ギフテッド」(2017)

  • 監督:マーク・ウェブ
  • 脚本:トム・フリン
  • 製作:カレン・ランダー、アンディ・コーエン
  • 製作総指揮:グレン・バスナー、ベン・ブラウニング、モリー・アレン
  • 撮影:スチュアート・ドライバーグ
  • 編集:ビル・パンコウ
  • 美術:ローラ・フォックス
  • 出演:クリス・エヴァンス、マケナ・グレース、ジェニー・スレイト、リンゼイ・ダンカン、オクタヴィア・スペンサー 他

「500日のサマー」や「アメイジング・スパイダーマン」のマーク・ウェブ監督による作品。

主演には「キャプテン・アメリカ」シリーズで知られるクリス・エヴァンス。また彼の姪を演じるのはマケナ・グレース。彼らの隣人にオクタヴィア・スペンサーが出演。そのほかリンゼイ・ダンカン、ジェニー・スレイトも出ています。

日本公開以前にちょっと早めに鑑賞。評判的には批評面そこそこ、観客評価良好って感じですかね。私としては久しぶりに超人兵士じゃないクリス・エヴァンスの演技、ドラマが観れるのが楽しみでした。

7歳のメアリーは、家でフランクと暮らしており、必要な勉強は全て自宅でしていた。

フランクはメアリーを学校に行かせようとするのだが、メアリーは学校で習う事なんてないと言って嫌がっている。ただ友達を作り、一緒に遊び、世界を学んで普通に生きてほしい。それがフランクの願いだった。

メアリーは学校の初日、授業があまりにつまらないと愚痴をこぼし、先生に計算問題を出されるのだが、7歳、いや大人でも難しい計算をほぼ即答する。

メアリーはまさに天才(ギフテッド)なのだ。もちろん周囲はメアリーをより高等教育が受けられる学校へ移すことを提案するのだが、フランクはそれだけは避けたいというのだった。

久しぶりにキャプテン・アメリカじゃないクリス・エヴァンスを観ましたねw

今回はどこか過去をしょって一人ぼっちな男を演じていて、彼自身の眉を落とした困り顔がとても良い感じでした。ひげにオンボロトラックでも、どことなく清楚な感覚があるというのは、フランクと言う男の造形にもぴったり合うと思いますね。本来はいるところではないが、逃げてきてボロい暮らしをする、その感覚です。

そして何よりも今作のスターであるのが、子役マケナ・グレース。2017年で11歳、撮影時は9~10歳くらいだったでしょうか。色々なTVドラマに映画の経験がある子のようで、今度のマーゴット・ロビー主演のアイススケーターの伝記映画「I, Tonya」にも出演しているとか。

このマケナ・グレースの力は、今作に大きなプラスであると感じました。

彼女自身がチャーミングなのか、この少し変わった、フランク曰く「子どもらしくない子ども」と言うのを絶妙に演じています。

天才児と言っても、数学における能力がずば抜けているだけです。後は個性が出てきますね。その若干大人びたというか、ちょっと子憎いところもありしかし子どもの超かわいい部分もベストタイミングで出してくる感じ。彼女はシニカルになりユーモアも持っていて、観ていて飽きない存在でした。

あの朝、昨晩はお楽しみでしたねと言わんばかりの「おはようございます、スティーブンソン先生。」が最高すぎるw

で、そんなちょっとクセをもった彼女が、何かとフランクを困らせる掛け合いが良いのです。

クリス・エヴァンスとマケナ・グレース。2人のアンサンブルがほんとによくて、まるで安心できる強い大地の上で、自由に時に危険を冒しながら走り回るような感じ。

映画はこの叔父と姪の関係性であり、「クレイマー、クレイマー」よろしく親権争いの法廷劇へと発展していきます。もちろん法廷劇の部分もありましたが、メアリーとフランク以上に、メアリーの母、フランクそして彼らの母であるエヴリンらの親子関係の物語になっていました。

それはそれで、メアリーの登場が少なくなるわけで、私としてはちょっと残念にも感じる部分ですが、ある程度の焦点はやはりメアリーに合わせたままですから、大きくプロットがずれるわけではないと思います。

そしてここでガッチリ観客を掴むのが、エヴリンを演じるリンゼイ・ダンカンです。審問でのスピーチシーンの迫力は今作におけるハイライトと言って間違いないでしょうね。

彼女はちょっと悪役っぽく描かれはしますけども、親子の確執と言いますか、子供の可能性を伸ばしてあげなきゃいけないという、何か無条件に親に課せられる責任に追われた存在に思えました。

メアリーの可能性に関して、保護者になる人間がどうすべきか。

彼女にはもちろん自我がありますが、社会的庇護はまだ必要ですね。親権争いを舞台に、そうした保護するものたちの在り方にも焦点は当てられます。

親になると求められること。子供の安全に、社会的な教育、才能の開花・・・しかし何よりも、個性の尊重は大事ですね。

理想の親とは。理想の環境とは。子供にとって何が良いのかなんて全く難しく答えの出ようのない話ですね。

「はじまりへの旅」でも思いましたが、その手の道のりや家族の描き方にはすごく引きつけられるのですが、着地点に関してはやはりどうしても説得力は薄まってしまう気がしました。

子どもらしさもありつつ、才能を引き出せる環境も作りつつ・・・

親子、血縁と言うのはおそらく人間にとって最も根底的な関係性でしょう。

底知れぬ愛を持てる存在でありつつ、面倒なのも底知れない。子どもがいれば親は親であって、個人ではなくなるのか。今作は学術者などが出てくる割に、説教臭くなく、やはりフランクとメアリーの2人を眺めているだけで満足できると思いました。

あくまで私にとってですけど、お話の点ですさまじく感動するとかではなかったです。ただ出演者の演技、その掛け合いによって生まれてくる多幸感あふれるシーンにはすごくグッときました。

マケナ・グレースとクリス・エヴァンスのコンビ、彼ら目当てで観ても良いと思います。

そんな感じで感想は終わりです。しかしマケナ・グレースの泣き演技がすごいのですけど、顔アップで見えたまつ毛の長さよ・・・スクリーンで確認しよう。

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