「インサイド・ルーウィン・デイビス 名もなき男の歌」(2013)

  • 監督:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
  • 脚本:イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
  • 製作:スコット・ルーディン、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
  • 製作総指揮:オリヴィエ・クールソン、ロバート・グラフ、ロン・ハルパーン
  • 撮影:ブリュノ・デルボネル
  • 編集:ロデリック・ジェインズ
  • 出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョン・グッドマン 他

コーエン兄弟監督による、フォークソングを題材にしたドラマ映画。主演にはオスカー・アイザック、助演にキャリー・マリガンが出演。

しっとりした作品らしく、日本でもしっとり公開。あまりメディアで取り上げられはしませんでした。

アカデミー賞では撮影賞と録音賞にノミネート。カンヌでのグランプリあたりから気にはしていたんですが、コーエン兄弟とはいえ音楽に疎い私は優先順位を下げてました・・・がやはり観てよかった。フォークソングを愛する方たちにはどう見えたのでしょう?

1961年、ニューヨークに売れないフォークシンガーのルーウィン・デイビスがいた。

苦しさから彼のパートナーであったマイクは自殺し、デイビスも知人の家のソファを寝床に渡り歩く始末。

なんとか成功をつかもうと、寒い冬空のもとルーウィンは歩く。

仕事は上手くいかないが、フォークを続けるデイビス。元カノのジーンには妊娠を告げられ、ハッキリはしないが父であるかもしれないので中絶費を請求される。

若干だらしなくダメな男の話は「ビッグ・リボウスキ」(1998)でもやりましたね。あちらもコーエン兄弟作の中で私のお気に入り。

ジーン役のキャリーも良い歌声を聞かせてくれます。少し低音なのがセクシー。

“Five Hundred Miles”は気に入りました。

元カノはじめ、ティンバーレイク演じるフォーク仲間や泊めてもらっている大学教授など、様々な人物がルーウィンを囲みます。

ジョン・グッドマン演じる大物プロデューサーたちもどこか滑稽で人間味があり当時の雰囲気を出しているんだと思いました。

ブリュノ・デルボネルの作るちょっとぼやっとした光強めの画面。画面全体にほっこり暖かな光があるようで、寒い冬にすこしやすらぎがあります。

この空気感、映画全体の色合いが私はすごく大好きですね。

一緒にレコーディングをすることになるルーウィンですが、お金がないのと歌が良くないと思ったのもあり、その時ギャラをもらいます。

しかし歌はなかなかの人気が出て、あのときギャラでなくロイヤリティを選んでいれば・・・と後悔。

こういうことって人生にはつきものですね。ルーウィンは絶望的でないにしろ運がないです。

咀嚼音がうざい、相手の話がだらだら、大事な電話中に電車通過で聞こえない。そのほか頭ぶつけたり、置いてかれたり。一つ一つは些細でも、もういじめかというほど連続してルーウィンを襲う笑

余談ですが海外も国内でも、ルーウィンが連れ歩くネコが人気ですね。あのしっぽのぴんとたったかわいいネコ。

なにものなんでしょう?とにかく画面に出てくるとそっちに目が行っちゃいます笑

結局この話、ルーウィンが失敗からまた別の失敗に渡っていくだけのもの。アーティスト、そしてすべての芸術家が直面する現実が真っ当に描かれているんですね。

ただここでの魅力はやはりオスカー・アイザック演じるルーウィン。確かに、シンガーとして金になるとは思えない。

でもその人間味が心地よく、ひとりポツポツと歩く姿が哀愁あり愛おしい。オスカーの歌声もすごくいいですし。”Hang me, Oh hang me”と歌う彼をまだまだ後も見たいと思いました。

ルーウィンとネコ。

最初のネコは”The One”、そのネコ。しかし途中で逃げられ、間違えてつかまえた”The Other one”、ほかのネコ(あれじゃないネコ)。成功する人間たちは前者、ルーウィンは後者なんでしょう。

だからどうしてもなんか違う・・・となってしまう。人生うまくいかないもんですね。

しんみりちょっと暗く見える映画ですが、画面にひろがるほのかな暖かさやなによりルーウィンの人物が好きになれる映画です。

そんなかんじでおしまい。それではまた~

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