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「リバティバランスを射った男」”The Man Who Shot Liberty Valance”(1962)

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映画レビュー
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「リバティバランスを射った男」(1962)

  • 監督:ジョン・フォード
  • 脚本:ジェームズ・ワーナー・ベラ、ウィリス・ゴールドベック
  • 製作:ジョン・フォード、ウィリス・ゴールドベック
  • 音楽:シリル・J・モックリッジ、アルフレッド・ニューマン
  • 撮影:ウィリアム・H・クローシア
  • 編集:オソー・ラヴァリング
  • 出演:ジェームズ・スチュアート、ジョン・ウェイン、リー・マーヴィン、ヴェラ・マイルズ 他

西部劇の巨匠であり私も好きなジョン・フォード監督。

黄金期を支えた彼の作品ですが、まるで自ら西部劇に別れと感謝を送るような作品です。

ジョン・ウェインとジェームズ・スチュアートの2大スターの共演。リー・マービンのバランスとしての悪役っぷりも引けを取りません。

西部の雄大さや人のドラマでなく、時代への哀愁を感じる作品です。やはり60年代になり西部劇が下火になってきたからでしょうか?

あ、余談ですがバランスの子分の一人にあのリー・ヴァン・クリーフが出演してます。ウェインにぶんなぐられてのびちゃいます笑

田舎町に上院議員のランス氏が突然訪れる。

彼はその町の古い友人トム・ドニファンの葬儀にやってきたのである。棺の前で他の友人にあいさつし、悲しい表情を浮かべるランス。

地元新聞記者は上院議員のような立派な方がなぜわざわざ足を運んだのかと不思議に思う。

そしてランスはトムと彼の昔話、そこでなにがあったのかを語り始める・・・

この西部劇、脚本上の面白さとして、決闘が中盤に描かれることがあげられます。

普通決闘はクライマックスに置くのですが、この映画では決闘の後、その意味や真実が終盤で語られるというアプローチ。すごくおもしろい作りです。

なんといってもウェインとスチュアートの対比が良い。マチズモを表すタフガイのウェイン。カッコイイ西部の衣装に腰には拳銃。それに対してランス役のスチュアートは、スーツ姿にエプロン姿。

しかしこの対照さがここではすごく大きな意味を持っていますね。

印象的なシーンは、ランスが働く店でのケンカ。

西部劇らしい挑発でバランスとトムが一触即発になるわけです。しかしそこにランスがいることが大きな要素です。力のぶつかる西部に、東部的な言論で立ち向かおうとするのです。

トムの昔からの馴染みであるハリー。彼女にとってランスは情けなくも強くも見える。

彼から学の強さを学び惹かれていくハリー。トムにとっては辛いです。そしてランスもまた純粋さに惹かれていきます。

ランスの考えが通用しないと思っていた西部の町に広がっていきます。

ランスが町を代表して州の選挙に出ようとするのですが、バランスが暴れまわる限り町に平和は無いのです。

無法者相手についにランスも銃を抜かなくてはいけない時が来てしまう。

バランスとの決闘、そこからのランスとトムのたどる道。

バランスを撃った男は時代と共に去り、もう一人は愛する人を手に入れる。

言論や法の時代を前に、西部の、銃と力での解決をしていた時代が終わっていくのです。

しかしそこで大切なのは、その伝説を伝えていくこと。リバティバランスを射った男のことを次の時代を受け継いだ男が伝えていくのですね。

なんとも哀愁たっぷりで、わたしの好きな「確かに存在した時代と人を忘れない」系の名作です。

今現在有名化というとわかりませんが、是非観て欲しい西部劇の1本です。

そんなところでおしまい。まだまだ西部劇のレビューも書きたいなぁ。ではまた!

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