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「イコライザー」”The Equalizer”(2014)

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the-equalizer-denzel-washington 映画レビュー
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「イコライザー」(2014)

  • 監督:アントン・フークア
  • 脚本:リチャード・ウェンク
  • 原作:マイケル・スローン、リチャード・リンドハイム『ザ・シークレット・ハンター』
  • 製作:トッド・ブラック、ジェイソン・ブルメンタル、デンゼル・ワシントン、アレックス・シスキン、スティーヴ・ティッシュ、メイス・ニューフェルド、トニー・エルドリッチ、マイケル・スローン
  • 製作総指揮:エズラ・スワードロウ、デヴィッド・ブルームフィールド、ベン・ウェイスブレン
  • 音楽:ハリー=グレッグソン・ウィリアムズ
  • 撮影:マウロ・フィオーレ
  • 編集:ジョン・ルフーア
  • 出演:デンゼル・ワシントン、マートン・ソーカス、クロエ・グレース・モレッツ、ビル・プルマン、ヘイリー・ベネット 他

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「マグニフィセント・セブン」などのアントン・フークア監督によるイコライザーシリーズの1作目です。

監督とは「トレーニング・デイ」でも組んだデンゼル・ワシントンが主演を務め、彼が救おうとする娼婦をクロエ・グレース・モレッツが演じています。

もともとはアメリカTVドラマシリーズの「ザ・シークレット・ハンター」の劇場版という位置づけになります。

しかしストーリーは完全オリジナルであり、まあ原案というような形になるのでしょう。

劇場公開時にも観てはおり、またブルーレイも買っていたのですが、感想をしっかりと残していなかったので、遅ればせながらレビューです。

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ボストンでホームセンターに勤務するロバート・マッコール。

世話焼きで親しまれる彼は、毎晩行きつけのダイナーで本を読んで過ごしていた。

そんな彼は同じく夜遅くにダイナーを訪れ、客がくるまで待っている娼婦アリーナと親しくなる。

彼女はテリーと名乗って仕事をしているが、いつか歌手になることを夢見る少女であり、仕事の前にマッコールと話すことが、彼女なりの息抜きだという。

しかしある日、アリーナは客に反抗したことの見せしめとして、半殺しにされ病院送りになってしまう。

その時、マッコールの中で何かが動き出す。

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元CIAが犯罪者をぶちのめす。

と聞けば、それはもう見飽きたようなプロットと思うでしょうけれど、この作品は独特な空気があり好きです。ユニークさがあります。

実はアクションは過剰にはなく、そしてマッコールというキャラが初めの戦闘でしっかりと定義されることで、作品に統一感が与えられています。

最低限の動きで短い時間で敵を抹殺する。

デンゼルの表情を変えない淡々とした態度と威圧感、それでいてどこか紳士的でもあるこの2面性はマッコールのクールさを引き立てます。

また、彼が時計で秒数を図るというのも、そこに時間という絶対性を入れ込むことでアンストッパブルな感覚を持たせています。

周囲のものだけで敵を倒すさまは、殺人マシン版の冒険野郎マクガイバーです。

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ただ、戦闘ではなく、その粛々とした態度こそ、このロバート・マッコールの、イコライザーの魅力だと思うんです。

闘っているときより、調査や対応、尋問の方がめちゃくちゃ怖いです。

こうした造形だからこそ、アクションがガンガンできるとかは必要なく、逆に存在感を出し恐ろしくなることも、同時に人当たりが良く紳士的で優しい面も見せられるリードが必要。

デンゼルのような人でなければ演じられなかったと思います。

友人や同僚にはとても優しく、笑顔を見せますが、悪人相手となると目がすっかり変わるんです。

対応するよりも、対応済みのことが画面に出てくることが多く、マッコールの強さは揺らぎませんね。

そのアンチヒーローのスタイルに加えて、名前の通りにイコライザー=平等にする者貫く点もカッコいい。

マッコールは善人を救うだけではなく、悪人に正しいことをさせようとするのです。

そして同時に、本質を変えられないものはそのままに対処する。

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夜のダイナー通い。

マッコールが寝付けなかったのはなぜだったのかと考えると、彼は迷えるものだったからかと思います。

「老人と海」で語られるのは、変えられない性です。

娼婦でいるには純粋すぎたアリーナと同じく、マッコールも優しい隣人でいるだけでは足りなかった。

自分のすべきことを見つけ、生に目的を見いだしていく。

殺人者であることから逃れることはできず、夜を読書で越す男は、本質は変わらないものの、その技術を救うために使い始めます。

多くのアンチヒーローの中でロバート・マッコールが一つ輝くのは、彼が単なる社会的な復讐者ではなく、彼を観る者に、自分が何ができるか考えさせることだと思います。

自分の本質とはなにか、善のためできることは何か。

距離の遠い超人を観るのではなく、自分で成し遂げることを後押ししてくれる、力強い隣人であるマッコール。

つくづく、そんな存在感と親しさを同時に出せるのは、デンゼル・ワシントン以外にいないのだと、彼という役者の素晴らしさを堪能できる作品でした。

感想としてはこのくらいになります。

ちょっと前の作品ですが、続編の「イコライザー2」と合わせてどちらも好きなシリーズです。

観たことがないという方も、一度観賞することをオススメします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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