「マーベルズ」(2023)
作品概要
- 監督:ニア・ダコスタ
- 脚本:ミーガン・マクドネル
- 原作:マーベル・コミックス
- 製作:ケヴィン・ファイギ
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音楽:ローラ・カープマン
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撮影:ショーン・ボビット
- 出演:ブリー・ラーソン、テヨナ・パリス、イマン・ヴェラーニ、ザウイ・アシュトン、パク・ソジュン、サミュエル・L・ジャクソン 他
「キャプテン・マーベル」に続くシリーズ第2弾として、アベンジャーズ最強の女性ヒーローとされるキャプテン・マーベル最新作。
今回はがアベンジャーズオタクな高校生ヒーローのミズ・マーベルと、宇宙ステーション「S.A.B.E.R.(セイバー)」に所属する敏腕エージェントのモニカ・ランボーと協力し、チームを結成。
オスカー俳優のブリー・ラーソンが引き続きキャプテン・マーベル役を務め、ミズ・マーベルことカマラ・カーンはドラマシリーズ「ミズ・マーベル」からイマン・ベラーニが演じます。
モニカ・ランボー役もドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」でのテヨナ・パリス。
MCU作品の重鎮サミュエル・L・ジャクソンがニック・フューリー役で登場し、大ヒットドラマ「梨泰院クラス」のパク・ソジュンがハリウッドデビュー。
監督は「キャンディマン」のニア・ダコスタです。
ガッツリドラマ版のキャラが出てきて、いよいよMCUの在り方も更新された感が強いです。
後悔初週末の朝の回で観てきましたが、人が少ない。大きいスクリーンであったので余計に目立つ形でしたが、MCUではもう少し人入ってる感じがしていたので、シリーズへの期待感などが少し小さくなってきたのでしょうか。
~あらすじ~
規格外のスーパーパワーを持ち、ヒーロー不在の惑星を守るために宇宙で広範囲に活動しているキャプテン・マーベル。
彼女を憎む謎の敵が復讐を企てて出現すると同時に、キャプテン・マーベル、若き新世代ヒーローのミズ・マーベル、そして強大な力を覚醒させたばかりのモニカ・ランボーの3人が、各自の力を発動するとお互いが入れ替わるという不可解な現象が発生する。
この原因不明の現象に戸惑いながらも、敵食い止めるためにキャプテン・マーベルは、ミズ・マーベルとモニカ・ランボーとチームを結成することになる。
感想/レビュー
前評判的にはMCU史上最も短い、タイトな上映時間になるということで、確かにすごくコンパクトです。
無駄は少なくともなくて、VFXと目くばせの奔流がただ垂れ流されていく昨今のスーパーヒーロー映画の中では、気持ち抑え目なスタイルを持っている作品だと思います。
全体にライトでエネルギッシュ。主演は3人になっていて、また敵役も含めてかなりの女性主軸映画。
ガールズムービー的な意味での活発さも感じられます。
そのセンターにある3人のアンサンブルが、今回の見どころ。
彼女たちを眺めているだけでとても楽しいし、正直その意味ではもっと長くても大丈夫だと思います。
短いぶん端折られてしまっていたり、印象がほとんどないキャラクターもいるわけで、なかなか無理やりな処理になった脚本も惜しいところだと思います。
であるならば、魅力的なリード3人のやり取りを伸ばしつつ、ヴィランやストーリーの構成をもう少し彫り込んでも良かったと思います。
主軸になっているブリー・ラーソン、テヨナ・パリス、そしてイマン・ヴェラーニの素晴らしいアンサンブルは本当に良かったです。
それぞれが別タイプのキャラクターになりつつも、どこかそれぞれにコミカルさと子どものような要素が感じられます。
シリアスになりすぎないキャプテン・マーベル。
ちょっとみんなの前ではリーダーとかヒーローの先輩としてのかっこよさを出そうとしてますけれど、その中でフューリー相手だと駄々こねてる娘になってたり。
ブリー・ラーソンはカッコいいですが、一方でああいう立ち回りも巧い。
モニカは駆け出しのエージェント。彼女は複雑な感情でキャロルに接し、先輩として見つつもあはりキャロルおばさんとしての役目の不足を寂しく思っています。
2人の溝の間を潤滑剤のように埋めて、全体の空気をリフトアップするのが若きヒーローのカマラ・カーンですね。
個人的にはこのカマラが本当に好き。なんてかわいいのか。
アベンジャーズオタクでキャプテン・マーベル推しの女子高生。ファンとしてヒーローと一緒になる興奮を持ち、映画を見ているファンと同じような立ち位置で親しみやすい。
そんな彼女はコミカルで、状況を明るくしていくれる。
そしてなにより、ヒーローの素質がありますね。
スクラルたちの非難では迷うことなく助けに動き、モニカの独白ではすぐにハグしてあげる。
人のために優しさをもって行動できる本当にいい子です。
イマン本人のチャーミングさなのか、出てくるだけで注目してしまいます。私はドラマシリーズを未鑑賞ですが、これをきっかけに観てみたくもなりました。
序盤での救出劇でのバタバタと、その後の宇宙船でのスイッチングの練習。
バラバラなヒーローたちが試行錯誤していく姿が微笑ましくすごく楽しかったです。
どことなくこの楽しさに振り切った感じはフェイズ1などのころを思い出しました。
魅力的なリードと楽しいテンションを持っていて全体が良い感じではあるものの、やはりコンパクトにまとめていく中での弊害が無視はできません。
ドラマシリーズを観ていなくても、キャロルとの接触での会話から背景を説明していくのはスマートです。
ただその他の事柄についての説明や顛末が曖昧であったり。
特に敵のキャラクターは(名前すらあまり思い出せないのですが)、キャプテン・マーベルがもっと真正面から解決した維持すべき人であり、また全宇宙という規模の中で、死滅しかけている自分の星を救うために戦う人。
この点では決して純粋悪ではないし彫り込めば地球を贔屓したいけれど宇宙に責任もあるキャプテン・マーベルといいケミストリーを生み出せたのではないかと思いました。
個と大義の対比はいつでもヒーローの命題ですし。
あとパク・ソジュンの出番がすくないしほぼ印象にないのも微妙化も。あの星自体が最後どうなったかもしっかり描かれていません。
正直結末は「?」でした。キャプテン・マーベルの力であれができるなら、一番最初からやれば何も問題はなかったのでは・・・?(思いつかなかったということならしょうがないのですが)
詰めが甘くて気になる点もありますが、フェイズ5の中では割といい感じかもしれません。
やはり主演3人のアンサンブルこそが輝いていて、今後も彼女たちマーベルズの活躍がみたいと思える映画でした。
ミッドクレジットなどで結構大きなことが起きていますが、MCUの今後の展望はどうなんでしょうかね。
バングルはシャン・チーの腕輪と同じような何かキーアイテムとして今後も重要かも。
とりあえず2023年のMCU映画はおしまいでしょうか。
今回の感想はここまで。
ではまた。
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