2025年映画ランキングベスト10
今年もあっという間に過ぎ去ってしまいましたが、総ざらいかねて年間ベストを決めていきます。
上半期が結構良くて、下半期も色々と作品を見つつも大きな動きがあったのか。
今年は仕事がバタバタで映画を観に行く機会が減ってしまいました。全部で80ちょっとくらいの作品を鑑賞。
2025年映画ベスト10

- 「野生の島のロズ」
- 「ウィキッド ふたりの魔女」
- 「Playground/校庭」
- 「シンシン/SING SING」
- 「トレイン・ドリームズ」
- 「Maxxxine/マキシーン」
- 「ストレンジ・ダーリン」
- 「リアル・ペイン 心の旅」
- 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
- 「ハムネット」
劇場公開作品に絞ろうかと思いましたが、ちょっと「トレイン・ドリームズ」だけはどうしても入れたかったので選びました。
そして東京国際映画祭でのプレミアということで実際には来年公開されるクロエ・ジャオ監督の「ハムネット」も入れています。
とにかく今年であった新作みたいなくくりってことで。
世界のなかで、どう生きるかを問い続ける作品たち
上半期からTOP層はあまりかわりませんでした。「野生の島のロズ」は不動の1位としてマイベスト化決定です。
「ウィキッド ふたりの魔女」もそうなのですが、美しい世界と厳しい現実をうまく織り交ぜていて、今作られるべき作品だと思いましたし、魂に訴えるものがありました。
どちらも世界のなかで自分自身がどうあろうとするか、他者を理解して共生していくかを描いていたと思います。
ウィキッドは何とも切ない帰結ですが、すでに北米公開していて日本でも来年3月に公開が決まっている続編「ウィキッド 永遠の約束」が非常に楽しみです。
まなざしの純度が映画を傑作に変える
順番が上半期ベストから変わって3位になったのがベルギーの小学校ドラマ「Playground/校庭」。
思い返すとウィキッドのほうが思い入れが強かったと言うだけで、この作品も傑作。
大人が撮っているのにすべてが子どもの目線で純度が高いという、奇跡みたいに成り立ってる映画です。
実際の収監者たちを出演させ、演劇を通して感情と人格を取り戻していくリハビリドラマ「シンシン/SING SING」も外せなくてあまり動かしていません。
人の一生と、静かな癒しについて
この作品の、癒しのような力に惹かれて、下半期からランクインしたのが「トレイン・ドリームズ」です。
NETFLIX作品で映画館で観たものではないのですが、素晴らしすぎてしっかりランキングという形でもいいので残しておきたいと思いました。
何事もなく何者でもない一人の木こりの一生を通して、世界や生きることのすべてを圧倒的なビジュアルを通して描き出す傑作でした。
「MaXXXine」は上半期と同じくやはり愛している。ミア・ゴスの素晴らしさ、タイ・ウェストが描き上げてきたことの集大成。
環境や男性に押し潰され、望まぬ怪物になったパールの対比として、マキシーンの幸せを願った。
これだから映画を観るのがやめられない!
そして「ストレンジ・ダーリン」。毎年、こういう作品があるから映画って辞められない。と感じる作品がありますが、今年はこちらですね。
全体のプロットはありがちなものながら、バイアスを利用したり、まさに映像と編集、ストーリーテリングで極上の体験に仕上げていく。これも素晴らしい作品でした。
「リアル・ペイン 心の旅」については上半期にもランクインしていたときと大きく理由は変わりませんが、やはりキーラン・カルキンが圧倒的だということです。
PTSによる「ワン・バトル・アフター・アナザー」もランクイン。これは文句なしでしょうし多くの方がベスト入りさせるんじゃないかな。
見たことないスリリングさと熱いドラマにアメリカ社会の探索まで全部入ってますから。
最後に一般公開ではないですが、東京国際映画祭での出品から、クロエ・ジャオ監督の「ハムネット」を入れています。
ポール・メスカルとジェシー・バックリーなど好きな俳優陣がいるということもありますが、とにかくラストシーンで全部持ってかれました。
悲しみ、喪失をどのような芸術が癒すか。メタ的に織り込まれた素晴らしい作品でした。
こきまでが映画作品自体のランキングなのですが、各部門ごとにもメンションすべきものを挙げていきたいと思います。
ベストバディ
- エリオとグロードン「星つなぎのエリオ」
- デクとティア「プレデター:バッドランド」
- ヒックとトゥース「ヒックとドラゴン」
今年は良い感じのバディが結構いたと思いますが、そのなかでも好きなキャラたちを。
まず「星つなぎのエリオ」なんですが、とにかくグロードンがかわいすぎる。そしてエリオとの親友感とか、本当に最高でした。
しかも、望まない形での生き方を求められているからこそ、世界に孤独を感じている二人が、互いを見つけて自分を肯定できるっていう、とても素晴らしい二人。
そしてプレデターが主人公になった「プレデター:バッドランド」。ここではアンドロイドのティアと一族の面汚しとされたデク。
家族と思っていたものに捨てられ、自分なりの家族を作っていく二人は、まさにバディ物の王道的な、最初はツンケンしていた関係が、最後は最高のコンビになる熱いものでした。
最後は、これは2010年の時からいうことのない、映画史に残るバディ、ヒックとトゥースのコンビです。
アニメから実写ということで不安だったのですが、見事な実写化でもありましたし、いうことなく最高の相棒。
ベストヴィラン
- グラディスおばさん「Weapons/ウェポンズ」
- ロックジョー「ワン・バトル・アフター・アナザー」
- シンケル「愛を耕すひと」
- 王九「トワイライト・ウォーリアーズ 決戦 九龍城砦」
映画には魅力的な悪役がいますが、上記のキャラたちは強かった。
グラディスおばさんはエイミー・マディガンがまさに怪演です。
ショーン・ペンのロックジョーは怖くはないのですが、あの謎のペンギン歩きとか、笑えるようなマチズモとその一方でのマゾヒスト性、情けない人種差別性など、象徴的。
「愛を耕すひと」のシンケルは大河ドラマ的な映画にふさわしい憎まれキャラであり、久しぶりにみたしっかりとした、ザ・悪役で本当にクソったれで最高です。
あとは気功が強すぎる今日キャラ王九ですね。サモハン演じる大ボスをも飲み込んでいき、採光のアクションにクレイジーさを見せつけてくれました。
ベスト上司/ボス
- エリザベス・デビッキ「MaXXXine/マキシーン」
- 龍兄貴「トワイライト・ウォーリアーズ 決戦!九龍城砦」
珍しいメンションですが、上司やボスキャラで。こちらでもやはり九龍城砦から龍兄貴が出てきていますが、文句ないでしょう。惚れるしかない。どこまでもカッコいいし、ついていきたい。
あとはあまり目立ってなかったかもですが、個人的にすごく印象に残っていたのがエリザベス・デビッキが「MaXXXine/マキシーン」で演じていた女性監督のエリザベス。彼女かっこよすぎる。
ルックもクールですが、あの時代に、女性であることをはねのけて突き進み力を得て、でもマキシーンに対して、自分を捨てる必要はないと言ってくれる。
若い女性に、覚悟があるなら絶対に守る、やる?って言えるの、本当に素敵だった。
ベスト主題歌
- ”風的形状 (Come What May)”「トワイライト・ウォーリアーズ 決戦 九龍城砦」
- ”Kiss the Sky” 「野生の島のロズ」
主題歌に関しては、「野生の島のロズ」劇中歌でもありますが、”Kiss the Sky”は心奪われています。何度聞いても、ロズとキラリ、そしてみんなでの飛行訓練の様子や、独り立ちしていくキラリを見送るロズの姿が浮かび、、、涙が出ます。
そしてまたしても「トワイライト・ウォーリアーズ」からですが、エンディングの曲ですね。この曲は非常に美しいんですが、寂しくもある。
あの食堂、龍兄貴がいて皆がいて、、、TVを見て笑っていた。EDではもう龍兄貴はいない。でもみんなでまた笑ってTVを見てる。
ただ、この九龍城砦はもうすぐ取り壊されることも示されている中で、あの期限付きのユートピア感がもう切ないんです。ロッグワンもサップイーもいて、みんながいたこの場所。
聞くたびになんだか、かつて持っていた家のことを、大切な人との想い出を呼び起こすような素敵な曲でした。
ということでおまけも踏まえて今年の総まとめでした。
2026年もまた素敵な作品に出会えるよう、劇場へ足を運んでいきたいと思います。ではまた。


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