「アメリカン・ギャングスター」(2007)
- 監督:リドリー・スコット
- 脚本:スティーブン・ザイリアン
- 製作:ブライアン・グレイザー、リドリー・スコット
- 製作総指揮:スティーブン・ザイリアン、ニコラス・ピレッジ、ブランコ・ラスティグ、ジェームス・ウィテカー、マイケル・コスティガン
- 音楽:マルク・ストライテンフェルト
- 撮影:ハリス・サヴィデス
- 編集:ピエトロ・スカリア
- 出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、ジョシュ・ブローリン、キウェテル・イジョフォー 他
リドリー・スコット監督によるギャング映画で、実話をもとにした麻薬王と警官の戦いの話です。監督とラッセルは「グラディエーター」でも一緒でしたね。デンゼルはトニーの方と色々撮ってますけど。
今作はアカデミー賞には助演女優と美術でノミネート。お母さん役のルビー・ディーは暗黒街の王である息子をさいごまで親の視点で支えてました。愛情あふれるいい演技。
ベトナム戦争下のアメリカ。ハーレムの王バンピーが亡くなり、彼の運転手で最も信頼の在ったフランク・ルーカスは独立。麻薬を産地から直接買い付け、その純度と安さで麻薬界で成功する。
一方腐りきった当時の警察の中に、正直なリッチー・ロバーツがいた。彼は離婚調停や親権問題を抱え、女癖は悪く荒れた警官だが、正義感だけは捨てなかった。それを見込まれて麻薬特別捜査チームを任されたことから、フランクとリッチ―の静かな戦いが始まる。
映画の主役はフランクとリッチ―。
フランクはギャングにしてギャングらしからぬ男。生活から態度、交流まで真っ当な男です。家族や地域に尽くし、地味に落ち着いた暮らしをする。
この大きなポイントはフランクのキャラを立て、同時に話のおもしろさにつながっていますね。ここまで地味だと警察もつかめない。他と違って目につかないのです。
フランクからのセリフも名言というかが多いです。”Somebody or Nobody.””The noisiest one is the weakest one.”端々にでる言葉がなかなかいいセンスに思えます。
見た目にもクラシックで落ち着いた品格がありますね。高いとか豪華っていうよりクラスが上。
さてリッチ―の方はまさに対極に見えますね。家庭はめちゃくちゃ、正確は荒っぽいしキレやすい、女癖は悪いですし。
それでも光らせてくれるのは正義感と操作の腕、「セルピコ」でもそうだったように、警官としてまじめだからこそやり方を変える。
フランクを掴んだのはリッチ―の視点がなくては不可能だったでしょう。
ここでは互いにシーンを切り替えて、より二人の生活やしていることを比較、強調しています。
だからこそ、映画の終盤にならないと同じ画面に映ることすらない二人が、それまでずっと一つの映画で戦っているように見えました。
ほとんど2つの別の話ですが、その作りで一つの大筋になっているんですね。
けっこう尺も長く、派手なシーンもなく淡々としたトーンで進むので、だるく感じる人もいると思いました。そこは実話ということで脚色を抑えた結果なのかもしれません。
それでもラッセルとデンゼルの演技、ブローリンにキウェテル、そしてちょいイドリス。役者たちのアンサンブルっぽいのが楽しめます。
個人的にですが、CMやトレーラーの曲”Heart of the city”Jay-Zのやつが好みです。
さらっとテキトーレビューでおしまいです。
デンゼルも悪人をよくやるようになった?アロンゾのせいですよきっと笑
それではまた。
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