「猿の惑星:創世記」(2011)

  • 監督:ルパート・ワイアット
  • 脚本:アマンダ・シルヴァー、リック・ジャッファ
  • 製作:アマンダ・シルヴァー、リック・ジャッファ、ピーター・チャーニン、ディラン・クラーク
  • 製作総指揮:トーマス・H・ハーメル
  • 音楽:パトリック・ドイル
  • 撮影:アンドリュー・レスニー
  • 編集:コンラッド・バフ、マーク・ゴールドブラット
  • 出演:アンディ・サーキス、ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピントー、ジョン・リスゴー、デイヴィッド・オイェロウォ、ブライアン・コックス、トム・フェルトン 他

映画史に輝くSF映画「猿の惑星」(1968)の原点を描くリブート作品にして、主人公シーザーの物語である3部作の第1作品目。

監督は「DATSUGOKU ~脱獄~」のルパート・ワイアット。猿の惑星シリーズを猿側の視点で描く今作にて、主人公となるシーザーを演じるのは、モーションキャプチャーの名優アンディ・サーキスです。

この後続編として「猿の惑星:新世紀」「猿の惑星:聖戦紀」が製作され、全3作のシーザートリロジーが完成します。

公開時から作品も高い評価を受け、何よりそのモーションキャプチャー技術と、アンディ・サーキスの演技は絶賛されていました。

アカデミー賞では視覚効果賞にノミネート。

最先端の技術を扱う製薬会社ジェネシス社に努めるウィルは、アルツハイマー治療薬となる新薬の開発を担当し、試験薬ALZ112をチンパンジーに投与する。

そのチンパンジー”ブライト・アイズ”は高い知能を発揮し、ウィルはさらに研究を進めようとしたが、子供を守ろうと暴れたブライト・アイズは射殺されてしまい、小さな子供であるシーザーをウィルは引き取り育てた。

それから月日は流れ、シーザーはたくましく成長し、何よりその知能は標準をはるかに超えていた。

しかしあるとき、ウィルの父チャールズを守ろうとしたシーザーが隣人にけがを負わせてしまい、シーザーは保護施設へと収容されてしまう。

ウィルの迎えを待つシーザーだが、施設の職員の虐待や結局は自分を救ってくれないウィルに深く失望するのだった。

今さらの振り返りでの感想になりますけれど、2018年に完結した新たな猿の惑星シリーズの記念すべき第1作目としてだけでなく、モーションキャプチャーとCGIの融合、またアンディ・サーキスという素晴らしい俳優を世界に知らしめるきっかけとしても、大きな役割を果たした作品であると思います。

既に現時点で8年前の作品になっていますが、その映像表現はいまだに素晴らしいものです。

特にこの猿の惑星においては、シーザーほかエイプたちの感情表現を、言葉によらず表現する必要があります。

言語化できず、人間と同じ身体的なジェスチャーに任せて説明ができません。

そこで本当に、アンディ・サーキスやテリー・ノタリーなどエイプを演じたキャプチャーアクターたちの演技力が頼りになるのです。

その点で本当に素晴らしい才能に溢れています。

エイプたちの仕草はとても自然ですし、それに加えて知能が上がったがゆえの表情やリアクションも素晴らしい。

人間が猿を演じているわけでも、本物の猿を調教して上手く撮影しているわけでもなく、ちゃんとそこに知能の発達したキャラクターが存在していると思えるんです。

このキャラクタライズがうまいから、今作は成功していると思います。シーザーかっこいいし、コバのモンスター感も良いし、ゴリラさん死んじゃうところで本当に悲しくそして怒ることができますもの。

そんなシーザーたちに寄り添った側で観ていくのは、奴隷解放の神話だと思います。

ある意味で希望であった、あの窓枠のマークをかき消してしまったシーザーが本当に切ないですが、そこから始まる逆襲と反乱は痛快です。

相変わらず憎まれ役のトム・フェルトンも変わらないクオリティw

奴隷として捕まえられ、苦痛を強いられている猿たちにまさに救世主のように現れるシーザー。彼が言葉を発する、それは”NO!!!”です。強い否定です。

さながら「俺がスパルタカス!」のように、この”NO!!!”が繰り返されるシーンは熱くなります。もう虐げさせない。もう傷つけさせない。

シーザーが自由のために立ち上がっていく。英雄が誕生し指導者となって解放へと突き進むストーリーは本当に史劇とか神話物語ですね。

戦いの場所が橋というのも、どちらかの側にしか行くことができない舞台設定としてとてもいいなと思います。

また猿ならではということで上下に展開しての作戦とかも良く組み込まれていますしね。

脱獄シーンに関しては監督が以前に脱獄物を撮っているためさすがの出来ですが、その他の細やかなところでの気の利いた演出も好きです。

一度遊びに行ったあの自然公園でラストを迎えることになりますけれど、もうウィルとシーザーは一緒に生きていけなくなりました。

「シーザー。高く登れ。もっと高く。」

ウィルの言ったようにシーザーは高みへと行きました。それは人間が手の届かないほどの高みへ行ったのです。

あの木の上からの眺望は、人間にはみることのできないものです。

驚異的なCG技術とそれを支え根幹となるモーションアクターたちの才能溢れる作品。

猿たちの側からの猿の惑星。オリジナルが好きな人にも気に入ってもらえると思いますし、新たなSF映画シリーズの誕生として素晴らしい作品。

全3作全てオススメのシリーズ第1作として、是非観てほしい1本です。

今更な感想になりましたけれど、たまには旧作もレビューを追加していきたいと思います。それではまた。

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