「フルートベール駅で」(2013)

  • 監督:ライアン・クーグラー
  • 脚本:ライアン・クーグラー
  • 音楽:ルドウィグ・ギラブソン
  • 撮影:レイチェル・モリソン
  • 編集:クラウディア・S・カステロ、マイケル・P・シャウヴァー
  • 出演:マイケル・B・ジョーダン、メロニー・ディーアス、オクタヴィア・スペンサー 他

サンダンス祭で注目を集め、公開関数も爆発的に増えるような口コミを呼んだ作品。

若き監督ライアン・クーグラー、「クロニクル」(2012)で魅力的な役を演じた若手俳優マイケル・B・ジョーダンのコンビで描くセミドキュメンタリー映画。

2009年1月1日にアメリカで起きた、警官による黒人青年射殺事件を基にしています。

2008年大晦日、22歳の青年オスカー・グラントは娘を送り、仕事を探し、自分の人生に悩んでいた。その日は母の誕生日。毎年家族で祝っている。この年もまたカウントダウンを友人と楽しもうと、ダウンタウンに出かけていた。

 アメリカで起きた事件をその前日からドキュメンタリータッチで描いているので、映し出されるのは私たちの世界と同じ。ここが重要でした。

オスカー氏を演じたマイケル・B・ジョーダンがとにかくいい仕事をしています。立派な人間でなく、嘘もつくし気性も荒く犯罪に絡んだこともある。

見た目だけではワルい兄ちゃんです。しかし家族を思いやり、努力し、弱者は助けたいと思う一面も。

こういう普通で不安定な若者って演じるのすごく難しいと思うんですが、マイケルの魅力には驚かされました。

それだからより、若者の死が胸に痛いほど刺さります。

事件後から抗議が相次いだのが有名ですが、デモで言う「人種差別。黒人を白人が不当に撃ち殺した。」というのはこの映画では伝えられません。

事実だけが提示される。人種差別が裏にあると断言せず、否定もしていないんです。

ここにあるのは「青年の死」。あまりに辛すぎること。

息子、恋人、父、友人。彼の周りの人にとってさまざまに移るオスカー。彼もすべての人と同じく誰かの大切な人なんです。それが奪われてしまった。

これを一番に伝えています。この映画はオスカー氏にささげられるものです。

人種差別が引き起こした事件なのか?究極断言はできませんが、それは私たちの生活に隠れています。気づかないほどにひっそりと。そしてあって良いことなんてないものです。

もし私たちの大切な人が、私たち自身がそれの犠牲になる日が来たら。

あり得ないと思うほど危ないと思います。安心するほど自然に、しかし着実にそれは潜んでいるからです。

そういった警鐘の意味もあるような映画です。

辛い映画なのですが、見ておくべきだと思います。日本は平和であまり差別がないと言われますが、そういう国でこそ自然に差別が付きやすいものです。

すべての人が関わりうる映画でした。

しんみりしました。

今回は終わります・・・また次に。

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