「トリプル・フロンティア」”Triple Frontier”(2019)

「トリプル・フロンティア」(2019)

  • 監督:J・C・チャンダー
  • 脚本:マーク・ボール、J・C・チャンダー
  • 原案:マーク・ボール
  • 製作 チャールズ・ローヴェン、アレックス・ガートナー、アンディ・ホルヴィッツ、ニール・ドッドソン
  • 製作総指揮:トーマス・ヘイスリップ、アナ・ゲルブ、キャスリン・ビグロー、マーク・ボール
  • 音楽: ディザスターピース
  • 撮影:ローマン・ヴァシャノフ
  • 編集:ロン・パテイン
  • 出演:オスカー・アイザック、ベン・アフレック、チャーリー・ハナム、ペドロ・パスカル、ギャレット・ヘドランド、アドリア・アルホナ 他

作品概要

Triple-Frontier-movie-2019

「アメリカン・ドリーマー 成功の代償」などのJ・C・チャンダー監督によるアクションクライム映画。5人の退役軍人たちが、南米の麻薬王のセーフハウスから莫大な額の金を強奪する計画を描きます。

主演は監督と「アメリカン・ドリーマー」で組んだオスカー・アイザック、さらに「バットマンVSスーパーマン」などのベン・アフレック、「ワンダーウーマン1984」のペドロ・パスカル、その他チャーリー・ハナムにギャレット・ヘドランドが出演しています。

なんだか懐かしいのですが、ちょうど「アメリカン・ドリーマー」が日本公開して、「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」が気に入っていたりでJ・C・チャンダー監督に注目していた時に、今作の制作の話があったのを覚えています。

最初はジョニー・デップが出るような話がありましたね。

いろいろと企画が停滞している間にNETFLIXが製作権利を獲得、予告が公開された時点では配信公開の話になっていて、結局見られないままになっていました。

せっかくNETFLIXに加入したということでマイリスト入りしておきながら、ちょっと見るまでに時間がかかってしまいました。

~あらすじ~

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民間の軍事会社にてコンサルティングをしている”ポープ”ことサンティアゴ。

彼はコロンビア麻薬王ロレアを追う警察と協力し、組織壊滅のために戦闘にも参加していた。

麻薬組織内にいる情報提供者であるイヴォンナという女性から、彼女と彼女の弟を国外に逃がす条件で、ロレアが大量のカネと共に隠れ住んでいるジャングルの隠れ家の場所を知ることになる。

ポープは一度アメリカに戻り、かつて従軍した仲間たちに声をかけチームを作り始めた。

彼は麻薬王ロレアの殺害と、ロレアが隠れ家に保有している金を奪う計画を立てていたのだった。

かつてのリーダー”レッドフライ”を筆頭に、5人のメンバーになったチームはジャングルの奥地へと乗り込み、隠れ家における家族や警備のスケジュールを把握、計画通りにロレアを殺害して大量の金を担ぎ出した。

しかし、想定していた以上の莫大な量の金を前にレッドフライが執着を見せたことで計画が崩れる。

時間を押してしまい手下が戻ったことで戦闘になってしまったのだ。

崩壊しはじめ予想外の出来事が増え始めた中で、5人は2億ドル以上の現金を運び国へ帰るために奔走する。

感想/レビュー

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各俳優陣のアンサンブルと演出からでるチームの絆

J・C・チャンダー監督作品は「マージン・コール」から全部好き(といっても今作前は長編としては3本だけですが)なのですが、今作については割かし普通なところに落ち着いた印象。

ストーリーとしての強奪と強欲は欲張ったために計画が破綻していくというもので、そのプロットは割とよくあるものなのかな感じます。

それでも全体に硬派な印象で着実にスリリングさを持ったままラストを迎えるのは、俳優陣の演技による力と、手堅い演出の力によるものだと思います。

もう俳優のネームバリューとかルックとかでがっつりお釣りがくるタイプです。

まあ人を選びますが、自分はオスカー・アイザックはじめ好きな俳優陣が揃っていたのでそれだけでも満足でした。

各人はあまり仰々しくない演技にて、それぞれの人生や元軍人らしいスキルセットを見せていて、今回の演出が手堅い。

あまりお互いの説明をしないで人物を登場させることそれ自体が、説明不要の結束と友情を感じさせます。

また、時折チーム内で衝突するシーンが入れ込まれてはいるんですが、プロットの邪魔になることもなく。

むしろそうした局面を迎えながらも最後はお互いのためにまた前に進むことが、この部隊の映画の前にあったであろう背景の厚みを増す結果になっています。

Triple-Frontier-movie-2019

手堅いが繰り返されてきた寓話

まるで寓話のような映画。欲をかいたゆえに崩壊していく計画。

生きていくために、自分の人生を建て直すために盗んだ金ですが、途中で山を越えたり先へ進むために捨てていく。

金を守ろうと放った弾丸は自分の頭に返ってきました。

虚無というか徒労というか。

しかし昔話的な教訓だけには留まっていません。

誰が得をしたのかという点では寓話ですが、そもそもの部分にはアメリカ南米の関係性や一兵卒という視点での皮肉も見えます。

退役軍人の扱いもあり、また武力による制圧の効かない麻薬戦争もあり。

命がけの戦闘と金。

大きなカラクリの中で利用された駒たちが、抜け道的な部分で自分の利益を得ようとしながらも、それもまた大きなシステムの一環だったように思えます。

唯一と言っていい救いは、イヴォンナがそのシステムから抜け出したこと。父を失いましたが、レッドフライの子どもには将来のための金が残ったことでしょうか。

結局お金で買える命というものはないんですがね。

J・C・チャンダー監督作品としては手堅いなという程度に感じる作品ではありましたが、抑えたトーンからくる緊張感に、非常に少ない説明を利用したチームの友情の演出は楽しめました。

俳優目当てで見るも良いです。

ということで短めですが感想は以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

ではまた次の記事で。

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