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「アリー/スター誕生」”A Star Is Born”(2018)

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映画レビュー
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「アリー/スター誕生」(2018)

  • 監督:ブラッドリー・クーパー
  • 脚本:ブラッドリー・クーパー、エリック・ロス、ウィル・フエッターズ
  • 原作:ウィリアム・A・ウェルマン 「スタア誕生」
  • 製作:ブラッドリー・クーパー、ビル・ガーバー、ジョン・ピーターズ、トッド・フィリップス、リネット・ハウエル・テイラー
  • 製作総指揮:バジル・イワーニック、ラヴィ・D・メータ、ヘザー・パリー、マイケル・ラピーノ
  • 撮影:マシュー・リバティーク
  • 編集:ジェイ・キャシディ
  • プロダクションデザイン:カレン・マーフィ
  • 衣装:エリン・ベナッチ
  • 出演:レディ・ガガ、ブラッドリー・クーパー、サム・エリオット 他

今までに何度も映画化されてきた、「スター誕生」を、「アメリカン・スナイパー」(2014)などのブラッドリー・クーパーが初監督として今一度リメイクした作品。

主演にはポップスターであるレディ・ガガが抜擢され、初監督作品かつ非俳優が主演ということでけっこう挑戦している作品となりました。

もともと海外評がよく、第31回の東京国際映画祭ではオープニング作品として上映もされ、注目はしていたので、公開週に早速観てきましたね。

お客さんの入りはかなり良かったと思います。映画終盤では泣いている方もチラホラ見受けられました。

ウエイトレスをしながら、毎週末にドラッグバーで歌を披露していたアリー。彼女のパフォーマンスを、偶然ロックスターであるジャクソン・メインの目に留まり、彼からのアプローチで親しくなる。

彼女の才能を信じたジャクソンは、自身のライブで飛び入りながら彼女をステージにあげ、二人で歌いだす。大舞台にて見事才能を見せつけたアリーは、新星として昇っていくが、一方でジャクソンはアルコール中毒がひどくなり、キャリアに影が見え始めていた。

ハッキリ言いますが、まあ最終的には意外とこじんまりあまり盛り上がらなかった印象です。

一番初め、アリーがジャクソンに促され、ステージで思いのままに歌い始めるあのライブが最高で、そこをピークにどんどんとドラマチックさも薄れ淡々と進んでいったように思えます。

もちろん、そもそも「スター誕生」は何度も映画化されており、すでにそのプロット自体を認知していると、あとはいかに現代的なアプローチをとっているかとか、もしくは脱構築がなされているかに目が行くと思いますが、今作は個人的にはそういった面での驚きはなかったと思うんです。

素晴らしいと思ったのは、主演の二人。

ブラッドリー・クーパーは普段の喋りからして独特な低く響くような声が素敵で、しっかりとロックスターを演じきっていました。常になにか怯えているような感じもありましたし、同時に人々から観られ話しかけられ、そのプライバシーのなさに慣れた描写もよかったです。

あとはなにより、レディ・ガガが素晴らしいと思います。

もちろん彼女はポップスターですから、歌のシーンの圧巻のパフォーマンスはよくて当然かと思います。それ以上に良かったのが、オーラ全消しでのウエイトレス=一般人っぷりです。

嫌な仕事を小がなくやっている感じと、あのごみ捨て。裏口からでてごみ袋を大きなトラッシュボックスに放り込んで、そのまま道を歌を歌いながら歩き、雨にうたれ踊る。あの姿の自然なこと。

そのあとジャクソンに呼ばれて、自家用ジェットに乗り込むまでのはしゃぎ方とか、すごくナチュラルでした。

俳優がロックスターを、ポップスターが一般人を。この二人の演技が観ていてとても素敵で自然だなと思いましたね。

しかし肝心のドラマ部分は私としてはいまいちパッとしなかったような気がします。ジャクソンに加えられている異母兄弟のお話とか、アリーとの関係性に何が関連していたのでしょうか。

個人的にはとにかく、今回題材として選ばれた歌手という部分に期待をしてしまったようです。ある意味音楽映画としてのドラマが観たかったといいますか。

劇中の曲自体はパワフルです。歌詞もメロディも素晴らしいと思います。サントラが売れるのも納得。ただ、作品内でのアリーとジャクソンの二人の生み出す何か、としてはあまり満足できなかったです。

例えばアリーが才能を見せる”Sharrow”は、アリー自身が作曲したものですが、割と早めにポッと出てしまっていて、その製作過程とかがないんです。

つまりアリーの才能は歌と作詞レベルで完成されていた(なんかジャクソンが少し手直ししたとのセリフはありますが)と思われます。ジャクソンはただ、彼女にその歌を歌う舞台だけを与えたというなら、ちょっとつまらない。

また、ジャクソンの歌にも別にアリーの存在が影響したように思えませんし、何よりも二人で生み出したものがなさすぎる。

映画の終盤において、リハビリ施設内でジャクソンが書いた曲”I’ll Never Love Again”を、彼の追悼にてアリーが歌います。で、あれがアリーとジャクソンの二人で生んだもの、思い出と愛でしょうけども、その楽曲自体はその一度だけしか歌われないんです。

作中に一度歌われていれば、アリーとジャクソンのその瞬間を記憶し、観客も同じように思い出に浸り悲しむと思うんですが、初めて聞く曲になってしまっているのでそこまで感情を入れ込めませんでした。

あと、”Shallow”がアリーを押し上げた曲ですから、ソロになって成功する中でライブで歌い、音楽世界に入った時隣で歌っていたジャクソンを思い出させるとかあってもいいのになと。

曲の呼応、繰り返しによって、その曲が内包してきた記憶や感情までもが変革する。そういう音楽映画を期待していたので、割とドラマと分かれているのが残念でした。

しかし、まあ昇っていく星と墜ちていく星が交差するそのひと時の愛の物語としてはまとまってはいますので、興味がある方は映画館で観てみてくださいね。

感想はこれで終わりです。それではまた。

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