「アントマン&ワスプ」(2018)

  • 監督:ペイトン・リード
  • 脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、ポール・ラッド、アンドリュー・バレル、ガブリエル・フェラーリ
  • 原作:スタン・リー、ラリー・リーバー、ジャック・カービー
  • 製作:ケビン・ファイギ、スティーヴン・ブルサード
  • 製作総指揮:ルイス・デスポジート、ヴィクトリア・アロンソ、チャールズ・ニューワース、スタン・リー
  • 音楽:クリストフ・ベック
  • 撮影:ダンテ・スピノッティ
  • 編集:ダン・レーベンタール、クレイグ・ウッド
  • 出演:ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、マイケル・ダグラス、マイケル・ペーニャ、ミシェル・ファイファー、ローレンス・フィッシュバーン、ハナ・ジョン=カーメン 他

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第20作品目となる本作は、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」(2016)「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」(2018)の間に位置する作品です。

まあここまで来たらMCU見たことないとかはもうお断りですよねw

監督は前作「アントマン」(2015)から引き続いてのペイトン・リード。アントマンのポール・ラッドに加えて今回はタイトル通り、エヴァンジェリン・リリーがワスプとして活躍します。

マイケル・ダグラスなどに、今回はローレンス・フィッシュバーンやミシェル・ファイファーが出演。

公開日は仕事が遅くて観に行けず、土曜日、9/1ファーストデイにTOHO日比谷で鑑賞。2Dつ場でしたけど、満席に近い入りでしたね。あと今回も思いましたけど、やっぱりMCUファン増えたなぁ。

ドイツの空港でキャプテン・アメリカに協力し戦ったアントマンことスコット・ラング。

ソコヴィア協定に反する行為のせいで、いまや自宅軟禁され常にFBIに監視されていた。

一方そんなスコットのせいで指名手配されていたハンク・ピム博士と娘のホープ。

彼らはスコットがイエロージャケットと戦ったとき、限界を超えて縮小し量子世界へ入ったあと、奇跡的に元の世界へ生還した事実を研究していた。

かつて核弾頭を無力化するため、同じく量子の世界へと消えた母のジャネットを、同じく量子の世界から救い出せると考えたのだ。

そんなある日、スコットはいつものように家でバスタイムを楽しんでいたのだが、頭の中で再び量子世界へ入り、見知らぬ女性に同化する夢を見た。

彼のイメージは、ジャネットを救うカギ。自宅軟禁処分中だったスコットはホープに連れ出されてしまう。

「インフィニティ・ウォー」には出なかったアントマンで、彼が何をしていたのかを語る、そしてやはりサノスの指パッチン後の土台作りに貢献する作品なので、役割的感覚はあるのですが、結してつなぎやピースではなく、しっかりアントマンの2作目になっていてまず安心。

今回もそのユーモアとルック、つまり視覚的な楽しさが満載です。アントマンの世界をまっすぐ描いていて素敵でした。

アントマン世界は、少しレトロな感じもあり、なにより全てを好きになれると思うんです。

残酷さとか汚さは排除して、好意が残る作品。

他のマーベルヒーローたちがサノスとの戦いに向けシリアスになっていた一方で、アントマンはどのキャラもかならず笑いを入れ込みトーンを落としません。

相変わらず根っこの良いキャラクターたちばかりが揃い、マヌケな感じで笑わせてくれます。人をバカにしたりとか、下品なことで笑いを取ろうとしないのが好きで、だから誰が見ても楽しいと思います。

マイケル・ペーニャのルイスはじめ可愛らしさがあるのも特徴。サイズは大きいけど、頭のなかは子供なキャラが多いw

本人たちは至って真面目なのに、それが状況的にも見た目的にもおかしくなる。

ジャネットが乗り移ったスコットのシーンとか、いや30年ぶりに母と会話しているので感動的なはずですが、画面に映るのがマイケル・ダグラスの手を握ってにっこりするポール・ラッドなんですもんw

視覚の点では個人的には他のマーベル映画にはない楽しさがあり、一番観てて楽しいシリーズだと思っています。

小さくなるだけでなく、今回はよりサイズに幅を持たせており、中間サイズは観ているだけでコメディです。

しかもスゴいのは、その状態で通常サイズ世界と触れ合わせるんですよね。

子供じゃなくて、大人のプロポーションのまま小さいからおかしく、その手でバックパックとかさわっていると妙な錯覚に陥ってとてもおもしろかったです。

また今回は量子世界に再び行きますし、そこの異界感とかに関しては、他の惑星などと全く異なる景色です。異次元を除く楽しさもありつつ、また微生物によるホラー感も足されていました。

キャラの話に戻れば、今作は一応のスーパーヴィランとしてゴーストが出てきます。

演じているのはイギリス人女優のハナ・ジョン=カーメンですが、すっごく可愛らしい人ですね。彼女自身一応は回想で残酷なシーンが流はしますが、基本的には被害者の面が強く、ローレンス・フィッシュバーン含めて完全悪がいません。一応シスコのギャングみたいなのが出ますが、ボスがウォルトン・ゴギンズなので問題ない(失礼)

話はやはり最後まで親子の物語です。

オープニングのシーンからそうですが、子供と遊び守ろうとする大人の話、親の助けがしたい子供の話です。

スコットは娘を守ること、一緒にいることだけを目指し、世界を救うことに集中しませんし、ハンクもホープもジャネットを救いだしたいだけです。

また、ビルとエイヴァの関係性も疑似家族を形成しますね。両親を失った彼女の父親がわりとしてのビル。

最後に一緒に逃げることを主張する点で、ビルは研究のためでも自分の業績のためでもなく、ただ事故で両親を失った少女の力になりたかっただけだと分かります。

そしてずっと能力のせいで接触できなかった彼らが、優しくハグをするのです。

全体的に見ると、スコットの物語というよりも、ホープ/ワスプの物語でした。

ただシリーズとして観ると、主人公だけがハッピーエンドを迎えるわけではなく、スコットの周囲みんなが救われ大きな家族のようになっていくので、やっぱりアントマンファミリーは良いなと思ったり。

ペイトン・リード監督は観るだけで笑ってしまう要素と視覚的なアイディアをうまく統合して、サイズは様々にしつつも暖かい家族の絆からぶれずにまとめています。

ジャイアントマンが出ようが、量子世界に行こうが壁をすり抜けるヴィランが出ようが、根本のドラマは観客にとって普遍的で、だからこそ派手になってもそれぞれを気にかけ、人物たちと親密になれますね。

正直MCUは個が記号化してきたなとか、スケールが大きすぎて興味が覚めたという方こそ、オススメのヒーロー映画でした。

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