作品解説

結婚初夜に行われた“かくれんぼ”で富豪一族から命を狙われた花嫁グレースの壮絶なサバイバルを描いたホラー映画「レディ・オア・ノット」の続編。
前作からスケールを大きく広げ、世界を裏で支配する大富豪たちの秘密組織〈カウンシル〉を舞台に、新たな殺戮ゲームへと巻き込まれるグレースの戦いを描きます。
主演は前作に続き、サマラ・ウィービングがグレース役で続投。新キャストには「ザ・スイッチ」のキャスリン・ニュートンが妹フェイス役で参加するほか、サラ・ミシェル・ゲラー、デビッド・クローネンバーグ、イライジャ・ウッドら豪華キャストが集結した。
監督は前作と同じく、映画制作ユニット「レディオ・サイレンス」のマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレット。
キャスト
- サマラ・ウィービング:グレース
- キャスリン・ニュートン:フェイス
- サラ・ミシェル・ゲラー
- ショーン・ハトシー
- ネスター・カーボネル
- デビッド・クローネンバーグ
- イライジャ・ウッド
監督
- マット・ベティネッリ=オルピン、タイラー・ジレット
スタッフ
- 脚本:ガイ・ビューシック、R・クリストファー・マーフィ
- 撮影:ブレット・ユトキービッチ
- 美術:アンドリュー・M・スターン
- 衣装:エイバリー・プルーズ
- 編集:ジェイ・プリチドニー
- 音楽:スベン・フォルコナー
監督二人は「アビゲイル」でも今作から参加のキャスリン・ニュートンと組んでいましたね。その縁もあってなのか今回はサマラに加えて二人主演のような形に。
パワーアップした本作を楽しみに、公開週末にさっそく見てきました。日曜日の回で、結構人が入っていましたね。なかなかのB級映画でしかも、後述のように一作目が劇場でやっていない中、混んでいたのは意外でした。
~あらすじ~

血塗られた“かくれんぼ”を生き延びたグレース。しかし、あの悪夢は終わってはいなかった。
奇跡の生還を果たした彼女は、世界を裏で支配する秘密結社〈カウンシル〉に目をつけられ、新たな標的として狩りのゲームへと引きずり込まれる。
そこは、悪魔ル・ベイルと契約を結んだ6つの名家が覇権を争う禁断の領域。それぞれの一族に伝わる武器を手にした当主たちは、夜明けまでにグレースを仕留めるべく容赦なく襲いかかる。
唯一の味方は、長年絶縁していた妹フェイス。だが2人は手錠でつながれ、思うように身動きも取れない。
極限のサバイバルの中、姉妹は生き延びるため、そして家族の絆を取り戻すために壮絶な戦いへ挑む――。
感想レビュー/考察

「レディ・オア・ノット」1作目。実は日本公開はされなくて、最終的には配信になっていたのですよね。当時ちょうどアメリカにいて、1作目は運よく劇場で観ることができたのを覚えています。
今回の続編は日本での劇場公開にこぎつけました。
サマラ・ウィーヴィングが結構有名になったからか?もしくはキャスリン・ニュートンの参加も後押し?それとも配信での視聴率が良かったか。
いずれにしても劇場で観ることができたのはとても良かったと思います。
「ジョン・ウィック」をゴアコメディにしたような一本
さて、今回は一言で言えば「ジョン・ウィック」のゴアコメディ版です。
前作で悪魔崇拝者の一族に巻き込まれ、命がけのかくれんぼをすることになったグレース。そんな彼女に休む暇もなく、次の災厄が襲い掛かります。
悪魔崇拝者たちの組織は世界的なネットワークを持っており、トップの主席の座が空席になったことで、次にグレースを殺した一族がその座を得ることになるという。
まさに「ジョン・ウィック チャプター2」なのです。殺し屋ワールドが世界的になったのと同じ。
しかも、この花嫁をめぐるゲームには執行人みたいなキャラも出てきて、イライジャ・ウッドが好演しています。
各一族の召集前に先走ってグレースに襲い掛かるやつ(ケビン・デュランド)がいたり、そのルール違反にしっかり応報が待っていたり。
どうやら厳正な仕組みやルールがあるようで、経典を持ったイライジャ・ウッドがおもしろい。

続編らしいスケールアップとスクリームクイーン二人体制
まさに前作の直後からはじまり、停滞することなく本題のかくれんぼに入っていく序盤の潔さ。
そして今作はスクリームクイーンが2人になって、続編らしい規模の広げ方になっています。
そこからの流れはご存知のとおりと言うか、シリーズが始まったときからかわりません。
アホな富豪たちがなんとかグレースたちを殺そうとしますが、とにかくみんな間抜け。しかもグレースはただでやられる被害者ではない。
妹も結構なサバイバーで、当然富豪一家側は次々にやられていってしまうのです。
血まみれスラッシャーとしての楽しさは健在
全体でいえばこのくらいです。前作から良くも悪くもスケールアップのみ。ただ見事にゴアとコメディを融合し、さらに血まみれになったサマラ・ウィーヴィングの花嫁の奮闘劇を観るなら十分。
出血大サービスの殺戮ショーの滑稽さを笑って、主人公たちを応援して行くならシンプルですし、それがこの映画を見るという楽しさです。
それに合わないならそもそもこの手の映画が向いてないだけ。

姉妹と姉弟、二組の家族が重なるドラマ
ただ今作は一応ドラマ部分も与えてはいます。それはナラティブがなければ方向性を失うからと添えられた、1本のささえ技のようですが。
兄弟の話、姉妹の話。
主人公グレースは学生時代に妹のフェイスを残し単身でニューヨークへ行った。
フェイスは以来、姉に見捨てられたことを根に持っていて、グレースも申し訳なさとともに全く連絡を取ってくれないフェイスとぶつかり合う。
その姉妹と重ねられているのが、敵側の姉弟。
まさかのクローネンバーグの出演で明かされた首席奪還ルールにおいて、姉のウルスラは統制を取ろうとしますが弟タイタスはうちに秘めた強い残虐性を露わにしていきます。
結果、グレースは今度こそフェイスを見捨てませんでしたが、タイタスはあろうことかウルスラを殺してしまう。
一応何を追ってみていけばいいかが、この二組の兄弟にあったのでよかったかな。
他にも終盤前くらいの、結婚式場でのダンスパーティ的な殺し合いなんかも印象的でした。
ラストでルールを逆手に取って、悪魔崇拝者のクソどもを文字通り地獄の穴に叩き落とすのはうまい帰結でした。
そして何より、サマラ・ウィーヴィングとキャスリン・ニュートンに最後の最後まで血飛沫を浴びせるサービス精神が良かった。
今年で言ったら「ゼイ・ウィル・キル・ユー」とかみたいな、ゴアスプラッタ、血まみれコメディが好きならその注文にしっかり応えてくれる作品。
そして昨今のホラー・スリラー界は本当にミューズに恵まれていることも再確認しました。
今回の感想は以上。
ではまた。



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