「飛べ!フェニックス」(1965)

  • 監督:ロバート・アルドリッチ
  • 脚本:ルーカス・ヘラー
  • 原作:エルストン・トレヴァー
  • 製作:ロバート・アルドリッチ
  • 音楽:フランク・デヴォール
  • 撮影:ジョセフ・バイロック
  • 編集:マイケル・ルチアーノ
  • 出演:ジェームズ・スチュアート、リチャード・アッテンボロー、ピーター・フィンチ、アーネスト・ボーグナイン、ハーディ・クリューガー、イアン・バネン 他

個人的な大傑作「何がジェーンに起こったか?」(1962)の監督であるロバート・アルドリッチ監督が、エルストン・トレヴァー原作の小説を映画化したサバイバル映画。

ジミー・スチュアートはじめ豪華な俳優陣のアッセンブル。

数多くあるサバイバル映画の中でもわたしのお気に入りの一本です。今作はアカデミー賞にイアン・バネンが助演男優賞、そしてマイケル・ルチアーノが編集賞にノミネートしています。

2004年にはジョン・ムーア監督がリメイクした「フライト・オブ・フェニックス」があります。私はジョン・ムーアをかなり低評価しています・・・リメイクも酷い。

サハラ砂漠の上空を飛んでいた飛行機が、砂嵐に巻き込まれて不時着した。航路から大きく外れたため、他の航空機にも発見されにくく、残された食料と水も少ない。

危機的な状況下で、乗り合わせた人々は疲弊し希望を失っていく。

そんな中で何とか意識を保とうとする機長だったが、ドイツ人のドーフマンが破損した機体を改造して新たな飛行機を作り脱出できると言い出した。

初めは冗談と受け止めていたが、何の希望もない現状とドーフマンの自身を見て、それに賭けてみることにする。

ジョン・ヒューストン映画かよ!といわんばかりに男だらけな画面。

様々な野郎どもがそれぞれの意地を持ってサバイバル。この映画はアドベンチャーではなく、密室映画。この飛行機の残骸という限られた場所で、それぞれ個性的なキャラクターたちが織り成すドラマ。

どのキャラクターも完璧な人間や善人が配置されずしかしそれぞれが個性的で必ず自分の考えと同じものをそれぞれから感じるところがあると思います。

演者の中ではリチャード・アッテンボロー演じるモランが好きでした。殺伐とし始める中で、市民性というか協調社会性を保とうと中間管理職みたいなことをして回るんですが、ドーフマンが模型飛行機の設計士だと知った時の、あの泣きながらの笑い。

絶望し笑うしかない状況で、冷静でいたようで実は彼こそが一番希望を欲していたのだと感じました。絶妙な塩梅で笑うんですよね。

窓越しの絶望ショットがこだまする中で、航空力学で設計したバカデカいエンジン付き模型で飛ぼうとする男たち。

サバイバルの中で、互いのエゴをさらけ出しつつも、最後はみんなで力を合わせていく。人ってやはりひとりだけでは生きられないものです。

そしてひとたび力を合わせれば、その可能性は無限大。全く動かなかった飛行機が、文字通り人の力によって動き出す。誰が誰より偉いこともなく、みんな一列に並んで頑張るわけです。

ほとんど動きというものの無かった本作の中で、最後に飛行機が飛ぶ姿はまさにその動的な力強さを感じます。

小気味良いオープニングの人物クレジットから始まり、最後には水溜に飛び込んでいく男たち。

非常にシンプルな設定の中に、だれもが少しづつ持つエゴをちりばめたサバイバル映画。野郎どもが砂埃まみれ無精ひげになって頑張る姿にグッときました。

そんなところで感想はおしまいです。それでは、また~

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