「トロール」(2022)
作品概要
- 監督:ロアール・ユートハウグ
- 脚本:ロアール・ユートハウグ、エスペン・アウカン
- 製作:エスペン・ホルン、クリスティアン・ストランド・シンケルド
- 音楽:ヨハンズ・リンゲン
- 撮影:ジェロー・ファバー
- 編集:クリストファー・エア、イェンス・ペーダー・ハーツバーグ
- 出演:アイネ・マリー・ウィルマン、キム・ファルク、マッズ・ショーガード・ペッターセン、ガード・B・アイズヴォルド 他
NETFLIX製作のノルウェー映画。ノルウェーにつたわるトロール伝説を題材に、現代に蘇ったトロールとそれに対処する人々を描きます。
監督は「トゥームレイダー ファースト・ミッション」などのロアール・ユートハウグ。
ネトフリ製作作品で、日本では劇場公開なしの配信公開になっています。昨年の12月頭に配信開始。
映画ファンで観てる人がいたものの、そこまでの評判でもなかったためウォッチリスト入りしてスルーしていました。
正直ロアール監督に関しても、アリシア・ヴィキャンデルのトゥームレイダーが微妙だったのもあってあまりそそられなかったのです。
~あらすじ~
ノルウェーの山岳地帯の開発中に、岩山を爆破したところ大規模な崩落が発生、作業員含め多数の死傷者を出した。
地中のガスが原因などと推測されたが、首相官邸は専門家を集めて真相を探る。
古生物学者のノラ・テーディマンも召集されるが、現場で撮影されたビデオを見て驚愕した。そこにはシルエットではあるが、強大な人型の怪物が映っていたのだ。
ノラは幼いころに父トビアスから聞かされていたトロールの伝承を思い出し、父に会いに行くことに。
異常者扱いされるような変わり者の父だったが、推測通り、今回の事故を引き起こしたのは全身が岩でできた怪物であった。
伝承をもとに対処法を考えようとするノラであったが、その一方で政府は軍事行動でこの怪物を駆除しようとしていた。
感想/レビュー
楽しくはあるがこれまでと同列の怪獣映画
トロールという存在が実際ノルウェーでどれほどの馴染みあるモンスターなのか、それが大事に思えました。
でなければ、トロール伝説にあまり詳しくない自分としてはまた別のモンスターパニック映画という位置づけです。
良くも悪くも王道的であり、誰しもがどこかで観たような作品。脚本としても人物造形としても、安定したものでした。
ノラと父の関係性や、首相補佐官、また軍のメンバー。
で、観ていてかなり感じたのが、怪獣映画的というよりもマイケル・ベイ映画っぽいところです。
変態性はないのですけどね。父のイカレ具合の描写とか、後半で突然始まったクリス大尉の演説とか。
キャラクター達はシンボル的意味合いは感じますが、作品独自の個性をあまり見出せませんでした。
モンスター、怪獣映画としては、前振りになる背景設定をOPで済ましておき、シルエットに足跡などのちょっとしたチラ見せリードを駆使。
最終的には擬態という特徴をもってして全身を映し出して登場させる。
見せ方としても何も問題なくテンプレートを全うしていると思います。
解決策に意味合いが欲しい
トロールの描写自体はまあ良いです。ある程度脅威であるというのは、そのスケールや破壊行為で分かるので。
問題はそのトロールを倒す解決策の面だと思います。
父はトロールと心を通わせようとしていましたが、その辺はあまり深くは彫り込まれずに、結局は銀の弾丸的な、その怪物を倒すため専用の方法で撃退。
ちょうど政府側は核攻撃という徹底した姿勢を見せ、驚異に対しての柔和な対応とか対比が生まれてはいます。
しかしトロールという存在自体がなんの象徴なのかがつかみにくい。
これがキリスト教化によって失われてしまった文化であれば、やはり殺処分はどうかな・・・?と思ってしまいます。
人間の自然破壊のしっぺ返しだというならば、やはりそれはそれでその反省や方向転換が描かれた方が納得できます。
最終的にはただ怪獣を倒すだけになった気がしたので、それが残念な作品でした。
普通に普通な映画なので退屈だということはないでしょうが、怪獣、モンスター映画なら他の物をあたっても良いかと思います。
今回の感想は短めですが以上。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ではまた。
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