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「ブレット・トレイン」”Bullet Train”(2022)

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bullet-train-movie-2022 映画レビュー
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「ブレット・トレイン」(2022)

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作品概要

  • 監督:デヴィッド・リーチ
  • 脚本:ザック・オルケウィッツ
  • 原作:伊坂幸太郎『マリアビートル』(角川書店)
  • 製作:ケリー・マコーミック、デヴィッド・リーチ、アントワーン・フークア
  • 製作総指揮、ブレント・オコナー、三枝亮介、寺田悠馬、カット・サミック
  • 音楽: ドミニク・ルイス
  • 撮影:ジョナサン・セラ
  • 編集:エリザベット・ロナルズドッティル
  • 出演:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー・ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、マイケル・シャノン、ザジー・ビーツ、ローガン・ラーマン 他

「デッドプール2」のデヴィッド・リーチ監督が、伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』を映画化した作品。

東京から京都へ向かう新幹線の中、簡単な盗みの指令を受けた殺し屋が、複数の殺し屋や陰謀に巻き込まれ大惨事に発展していきます。

主演は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などのブラッド・ピット。

双子の殺し屋役では「アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン」などのアーロン・テイラー=ジョンソン、「エターナルズ」のブライアン・タイリー・ヘンリーが出演。

その他ジョーイ・キング、ザジー・ビーツ、マイケル・シャノン、真田広之らが出演しています。

2020年から製作スタートした今作は日本を舞台にしてはいますが、投稿制限もあって基本的にはLAでセットを組んで撮影したようです。

最初に予告を見たときにはホワイトウォッシングの話題も上がっていましたけど、いかんせん原作未読で思い入れもないのでその辺は何とも言えません。

プレミアのためにブラッド・ピットや真田広之が来日イベントを開いていたりとかなり盛り上がっており前評判としても見た感じ好評でした。

レイトサマーの公開作品として私も個人的に楽しみにしていた作品です。公開週末に観てきましたけど、結構混んでいました。

「ブレット・トレイン」公式サイトはこちら

~あらすじ~

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東京。殺し屋である木村の息子がビルの屋上から何者かによって突き落とされ、意識不明の重体に陥ていた。

木村は犯人の手がかりを追い、東京発京都行の新幹線に乗り込む。

一方、殺し屋として久しぶりに復帰したコードネーム”レディバグ”は、まずは簡単な任務ということでちょうどこの新幹線に乗り合わせていた。

彼の任務はブリーケースを盗み出すこと。

しかしそのケースはある二人の殺し屋が運んでいる。

彼らは京都にいるヤクザ”ホワイト・デス”の息子を護衛しており、ブリーフケースと息子を届ける約束なのだ。

レディバグは二人の隙をついてケースを盗みさっさと新幹線を降りようとするも、目の前に別の殺し屋が現れて戦闘になる。

何が起きているのか分からないレディバグだが、今度はホワイト・デスの息子が何者かに殺されてしまう。

また木村も敵を見つけるものの病院にいる息子を人質に逆に協力を強いられる。

複数の陰謀と殺し屋たちの思惑が錯綜する中、果たしてレディバグは無事に生き残ることができるのか?そして、京都で待つ運命とは?

感想/レビュー

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軽快さと引き延ばされたギャグ

デヴィッド・リーチ監督というとまあチャド・スタエルスキ監督と組んでいて「ジョン・ウィック」でデビューした監督。

その後にDNAを受け継いだような作品でありもっとポップな形で、シャーリーズ・セロン主演「アトミック・ブロンド」を作っています。あちらは結構好きでした。

「デッドプール2」は個人的にはあまりにやりすぎな感じと、長引くギャグが全体を落としてしまった感じを否めませんでした。

その点でいうと今作はテイストとしては「デッドプール2」に近しく感じつつ、各キャラクターがより生きているという面では前に進みつつ・・・といったところです。

いい意味で命が軽く、ある程度の俳優でも割とあっさり死んだり雑に扱われていく。

その思い切りの良さと軽快さは全編通してであり、ノンストップでアクションが加速はするものの、重苦しくないせいか疲れはしません。

ただしかし、ある程度の短さないしその瞬間は受けるギャグというものを、無理やり長編映画の尺に伸ばしているような間延びはしています。

ブラッド・ピットのしおれたおじさん病み上がりみたいなノリも良いですが、けだるさを性格というよりもギャグに使うためしつこくも思いますし、それは双子のキャラも含めてでしょう。

ガイ・リッチー映画感

あくまで個人的にですけれど、会話シーンやその内容とテイスト、ギャングやヤクザの世界観とかについてはガイ・リッチーの映画っぽい印象をうけました。

もちろん小説がそうなのかもですが、人間はみなキャラクター感が強く、そしてごっこ遊び的な感じがするのです。

しょうがないですが、レディバグ含めて何が殺し屋的なのかよくわからないですし、最終決戦の方でのアクションは(これは日本舞台だとよくありますが)ファンタジーチャンバラ。

感じ方は人それぞれでしょうけど、遊び心に振っているというか、良くも悪くも真摯にドラマとして入ってくる感じではなかったです。

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実際に何がどうしてこうなっているのか。

出ている人物の今現在の目的を理解するのは観客だけ。

そのミステリー性と物語の特性を生かした情報制限は結構好きで、その辺の情報をこねくり回したりしていません。

現実的に考えてアホだと思うとしても、しかしこの世界で話が破綻することはなかったかと思います。

表層は輝くものの哲学はない

ブラッド・ピットは相変わらずのスター性がありますし、エルダーとして渋さを放ち殺陣を見せる真田さんもカッコいい。

それらの輝きに対してルックでの楽しさもありノリも良い。

ただこれまでにも何度も映画になっているこうした漫画的バイオレンスアクションコメディに並んで終わっている点が残念。

この作品独自の理念や知性というものがあまり見えないのです。

レモンとミカンの絆の部分とかは結構エモーショナルではあるんですけどね。

じゃあこれを血のつながりの有無としての家族の物語、比較として語れるかといえば、肝心の主人公は観察者にとどまってしまうし微妙だと思います。

終始そのルック、表側にある輝きとライド感に乗っていくだけで正直残るものがなかったというか。

もちろんそのようなライトなアクションコメディが好きなのであればピッタリであると思います。

懐に入り込めないというか懐なんてないキャラクターはそのルックとスター性でカバー。

双子にこそドラマがあるのですが、トーマスネタのあまりにしつこい感じは照れ隠しが失敗したような奇妙さがありました。

重ねていくと、私が単純にデヴィッド・リーチ監督の作風、テイストが合わないのだということです。

今回は短めの感想です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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