「レゴ®ムービー2」(2019)
- 監督:マイク・ミッチェル
- 脚本:クリストファー・ミラー、フィル・ロード
- 原案:クリストファー・ミラー、フィル・ロード、マシュー・フォーゲル
- 製作:ダン・リン、クリストファー・ミラー、フィル・ロード、ロイ・リー、ジンコ・ゴトー
- 製作総指揮:ジル・ウィルファート、キース・マローン、マシュー・アシュトン、クリス・マッケイ、ザレー・ナルバンディアン、ライアン・ハルプリン、ウィル・アレグラ、クリス・レイヒー
- 音楽:マーク・マザーズボー
- 編集:クレア・ナイト
- 出演:クリス・プラット、エリザベス・バンクス、ウィル・アーネット、ティファニー・ハディッシュ、ステファニー・ベアトリス、アリソン・ブリー、ニック・オファーマン、チャーリー・デイ 他
2014年のスマッシュヒット「レゴ®ムービー」の続編。監督は前作から変わって「シュレック・フォーエバー」などのマイク・ミッチェル。
主人公エメットは引き続き、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や「ジュラシック・ワールド」のクリス・プラット。そのほかエリザベス・バンクスやウィル・アーネットも続投し、新キャラもたくさん。
前作は人生ベストに残る大好きな作品なので、とても楽しみにしていました。しかし1作目からもう5年か・・・
字幕版は都内でわずかしかやっていないらしく、地元での吹き替え版で鑑賞。でも、引き続いて素敵な声優陣がキャラを演じていて、情報量の多いレゴムービーとしては画面に集中しやすく、吹き替えでしっかり楽しめました。
ちなみに朝っぱらの回だったので、親子が数組と若い男性が少しで、混んでは無かったです。お昼とかの回はかなり埋まっていたようですが。
おしごと大王との戦いに勝利したのもつかの間、今度はデュプロ星人たちが街を襲った。
5年にわたる戦いで、平和なブロックシティは、誰もが生き残るために戦う、タフで荒んだボロボロシティに変わってしまった。
しかしエメットだけは、すべてがサイコーのままであることを信じて、ハッピーライフを始めようと家づくりに励んでいる。
そんなあるとき、新たな宇宙船が飛来し、乗っていたメイヘム将軍によってワイルドガールやバットマンが連れ去られてしまう。
残されたエメットはみんなを救うために、宇宙へと飛び出し冒険を始めるのだった。
前作が本当に大切な1ピースとなっている分、正直今回は前作ほどいいものができているか不安ではありました。
その点で、今作はシリーズの2作目ですが、本質の部分は変わらず、正当な続編になっていたと思い嬉しかったです。観ていてやはり楽しい映画でした。
相変わらずレゴの質感含めてそのアニメーションの完成度は素晴らしいです。
やはりレゴブロックの世界という新しい映像ジャンルが出来上がっていて、観ているだけでとても楽しめます。傷や褪せた質感に、子供が遊びに使うような現実世界の装飾品も織り交ぜられていて、細やかなデイテールが気持ちいい。
情報量の多さに関してもこれまたとんでもないです。やはり1回の鑑賞ではすべて拾いきれないかもw
マッドマックス風世界だけでも見てられますし、シスター星雲はじめヘンテコな惑星や宇宙船内部とか、出てくるキャラ、またレゴブロックでの表現などどこまでも情報量がすさまじい。
その世界には子供が楽しめるようなスラップスティックなギャグやミスリードもありますが、大人向け、映画ファンやサブカルネタ、社会ネタもちりばめられています。
この点は子供は?になってしまうでしょうけれど、しかし随所に気にならない程度に入れこまれていると思うので、バランスはとれているかと。
007主演役者、ブルース・ウィリス、なによりも今回エメットとレックス両方の声優を務めているクリス・プラットネタがツボでした。マッチョボディを手に入れた元おデブって(笑)
全体的にコメディは、そのシリアスな語りに対比されるミニフィグで行われるビジュアルの滑稽さや、子供の頃らしい幼稚さがとにかくかわいくて笑えました。
それに、”Everything is Awesome”に続いて、”This song’s gonna get stuck inside your head”(この歌が頭にこびりつく)という超キャッチ―かつ意味不明でしかし頭から離れないドラッグソングまで作り出しています。脳が溶けるw
そうした変わらない楽しさを持ちながら、根底の部分でも決してこれが”レゴの映画”であることを忘れないものになっています。
前作では、その創造力を中心に、レゴというおもちゃが持つ無限の可能性と、アイディアとは何かという普遍性をテーマにしていましたが、今作でもレゴというこのブロックがもつ特徴をメインにしていると感じました。
レゴは性別、年齢に関係なく、また文化宗教によらずだれもが楽しめるブロック玩具。
今作では1作目のころから出ているお兄ちゃんと一緒に遊ぶことになった妹が出てきますけれど、その兄弟間の遊びのあるあるとか含めて面白いんですが、そこには、レゴが持っている男の子向け、女の子向けという垣根のなさを強調する目的があると思います。
最近でこそ、フレンズ、また男の子メインっぽいニンジャゴーがあるわけで、古くからのファンは少し疑問を持っていたかもしれません。また、そもそも女性フィグ用のボディ(プリント)にも不満を表す方もいます。
それでもレゴは、常に世界を共有してきました。
スタッドは一緒なんですよね。スター・ウォーズだろうが、スーパーヒーローズだろうが、フレンズだろうがシティだろうが、テーマが違っても一緒に遊ぶことができるんです。
確かにテイストには違いがありますが、それにこだわって他のテーマを一切認めないわけではないんです。このクロスオーバーの自由さが、レゴブロックの魅力。
これってすごいことだと思います。
どんな年齢でも、男の子と女の子が、それぞれ好きなものを捨てずに一緒に遊べるフォーマットなんですから。
誰もが一緒になって、それぞれの好みを選んで繋がれる。
私たちもエメットのようにすべては最高になると信じ続けて、レゴブロックの世界のような現実世界を築いていきたいですね。違いはみんなにありますが、それを認めて一緒に組み立て広がる世界。
硬くならず違いを認めてあげられる、エメットのような大人になりたい。
楽しい雰囲気と若干イカれた麻薬ソングをそのままに、レゴブロックがくれる世界の在り方を見せてくれた本作。前作に引き続いてとても大切な1本になりました。
字幕版であれば俳優ネタが効きますが、吹替もすごく良くて、目に入る情報に集中できますので、これはこれでおすすめです。
そういえば、個人的にうれしかったのが、あの「フロリダ・プロジェクト」でムーニーを演じたブルックリン・プリンスが出てたこと!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。それではまた次の記事で。
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