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「ライフ」”Life”(2017)

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映画レビュー
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「ライフ」(2017)

  • 監督:ダニエル・エスピノーサ
  • 脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
  • 製作:デヴィッド・エリソン、ダナ・ゴールドバーグ、ボニー・カーティス、ジュリー・リン
  • 音楽:ヨン・エクストランド
  • 撮影:シェイマス・マクガーウェイ
  • 編集:フランシス・パーカー、メアリー・ジョー・マーキー
  • プロダクションデザイン:ナイジェル・フェルプス
  • 衣装:ジェニー・ビーヴァン
  • 出演:レベッカ・ファーガソン、ジェイク・ギレンホール、真田広之、ライアン・レイノルズ、アリヨン・バカレ、オルガ・ディホヴィチヤナ 他

「デンジャラス・ラン」(2012)、「チャイルド44 森に消えた子供たち」(2015)のスウェーデンの監督ダニエル・エスピノーサによるSFホラー作品。

主演には「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」(2015)のレベッカ・ファーガソン、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」(2015)のジェイク・ギレンホール。

さらに「デッドプール」(2016)のライアン・レイノルズや真田広之などがそろっています。その手の作品にしてはかなり豪華なキャストですね。

公開してすぐに観たのですけども、時間の関係かそこまで入っていた印象は無かったですね。ただ、学生が割と見ていて、ずいぶん楽しんだようでした。

エスピノーサ監督作に関しては、個人的にはそこまで気に入ったことは無いのですが、まあ久しぶりにこんなジャンルど真ん中映画だったので、少し楽しみにして行きました。

国際宇宙ステーションのクルーは、火星探査機の採取した地表のサンプルを回収し、そこに小さな単細胞生物を発見した。

未確認の地球外生命体の発見は、人類史の未来への大きな一歩でありながら、未知の脅威でもある。この生命体は”カルビン”と名づけられ、徹底した隔離を守りつつ、研究を進めることとなった。

ある時、活動を停止したカルビンを電気ショックで刺激すると、電極をへし折り研究者の腕にまきついた。カルビンは驚異的な力と知性を見せ、人間に牙をむくのだった。

急速に成長していくカルビンと戦いながら、クルーは最後の隔離、つまりはこの生命体絶対に地球に行かせないことを決心する。

一言で言えば、その役割を綺麗に果たしている作品です。それ以上でもないし、それ以下でもなかったかなと思います。ですので、このスペースホラーのジャンル映画を楽しむことは十二分にできて、スリルを味わいつつ最後まで観れます。

OPから映画らしい演出を繰り出す今作。スクリーンですらかなり小さな探査機に、宇宙ステーション。ワンカット風のショット。そして後の暗示ともいえる、ガラス越しに様子を見るクルーたち。

今作はガラス越しに隔てられて、向こう側に恐怖したり、そこで無力さを知り絶望するシーンが多くありますね。そういうのはホラージャンルのおなじみの感覚です。

さてと、演者のお話をすると、今作はB級のスペースホラーにしてはかなりの役者を揃えております。それが単に演技レベルを上げているだけでないのは、上手く利用したものだと思います。

ネタバレになるかもですが、はじめの犠牲者には少し驚きました。そうなったとき、もう俳優のランクで生死が分かるとは思えなくなったのです。

演者のレベルで考えると、すごく完成度は高いと思いました。国際性も感じるキャスティングで、ジェイク・ギレンホールの地球を捨てた男という人物もおもしろい造形だったと思います。

悪いとは思いませんし、最後まで楽しいことは間違いないのですが、私にとっては、演者が良く、ある程度の映画的な美しさを持っていたところで止まりました。

別に人物の行動にいちいち隙があるとか、都合よく事態を悪化させる事が起きるとかは、ジャンルものとして全うだから好きなのですが、今作が残念に感じてしまったのは、まさにそこに留まってしまったように思えるからです。

冒頭こそかなり感心することもありまして、特にカルビンの造形と設定にはかなり惹き付けられましたが、あれも結局は既視感の強いエイリアンに変わってしまい、拍子抜けした印象です。

あらゆる細胞へ変身できる細胞生物、全身が筋肉になれば、脳にも眼にもなれる。

その設定が何か活きてくるかとおもえば、ご丁寧に顔まで付いてしまって・・・

ホラーでは襲う側の主観ショットが効果的なのは分かりますが、全身を目に変えることのできる生物にとっては、逆に制限をかけてしまい、個人的には怖さを削がれたとすら思います。

ラストはど真ん中で来ており、それは立派ですが、直前のカットバックがしつこいですし、何か良いものを立ち上げているのに、自分からジャンルの中に閉じこもってしまったように思います。

演者のクラスによってカバーされつつも、私としては、ちょうど同じ7月公開している「ディストピア パンドラの少女」がゾンビジャンルに新しいものを持ち込んだのに対して、今作はジャンルを繰り返すことは丁寧でも、何か新しい論争などを持ち込むまではいっていない気がしました。

楽にして楽しむ、SFホラー娯楽映画という点で、役割は果たしているので、(スクリーン向きの美しいショットもあるので)劇場で観た方がいいのは確かです。

今回の感想はこんなところで、ってかこのヨン・エクストランドのスコア、「ボーダーライン」(2015)のヨハン・ヨハンソンのとそっくりじゃないかな?

こんなところで、また~

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