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「ミッション:インポッシブル/デッド レコニング PART ONE」”Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One”(2023)

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「ミッション:インポッシブル/デッド レコニング PART ONE」(2023)

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作品概要

  • 監督:クリストファー・マッカリー
  • 脚本:クリストファー・マッカリー
  • 原作:『スパイ大作戦』ブルース・ゲラー
  • 製作:トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー、デヴィッド・エリソン、ジェイク・マイヤーズ
  • 音楽:ローン・バルフ
  • 撮影:フレーザー・タガート
  • 編集:エディ・ハミルトン
  • 出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、サイモン・ペグ、レベッカ・ファーガソン、ポム・クレメンティーフ、ヴァネッサ・カービー、スティーブ・ザーン、イーサイ・モラレス 他

大ヒットアクションシリーズ「ミッション:インポッシブル」の第7作品目にして、初めての前後編構成となる作品。今作は前半パートであり、2024年には後半が公開予定。

監督は「ミッション:インポッシブル・ローグ・ネイション」「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」と続いてクリストファー・マッカリーが努めます。

主演はもちろん「トップガン:マーヴェリック」などでもアクション映画をけん引し続けるトム・クルーズ。

サイモン・ペグやヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソンにヴァネッサ・カービーらが続投しつつ、今作では女泥棒で今回の事件に巻き込まれる役を「キャプテン・アメリカ」シリーズのヘイリー・アトウェルが演じます。

またイーサイ・モラレスがAIを神格化しその使者として暗躍する男を演じ、彼の仲間で殺し屋役を「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」のマンティスでお馴染みのポム・クレメンティーフが演じています。

もともと2021年、22年に連続で前後編を公開予定でいましたが、コロナウイルスパンデミックのこともあり撮影や公開の延期を繰り返していました。

やっとの公開ということで、間違いなく2023年大注目の作品であり様々な国でのプレミアが催されていたものの、日本プレミアの数日前に全米俳優組合SAG-AFTRAのストライキがありトム・クルーズ含めてキャストの来日がキャンセル。

すこしがっかりな点もありましたけれど、公開週末に早速IMAXで鑑賞してきました。

ちなみに土曜日も日曜日もものすごい速さで席が埋まっていき、久しぶりに争奪戦のようになりました。

日付またいですぐ買ってよかったです・・・

「ミッション:インポッシブル/デッド レコニング PART ONE」公式サイトはこちら

~あらすじ~

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高度に自己学習を重ね、防衛システムとして機能するAIが開発され、潜水艦にて試験運転を行っていた。

しかしそのAIは突如暴走をはじめ、幻影の敵艦隊を見せるなど巧みな情報操作によりその潜水艦自体を撃沈させる。

AIはオンラインから全世界のネットワークを通じ、経済や社会情勢、機密情報などを混乱させた。

AIをコントロールする2つに分かれた十字型のカギは、海中に失われてしまったはずであったが、何者かがそのカギを回収し、世界各国の諜報機関はみな躍起になってそのカギを探し求めた。

IMFエージェントのイーサン・ハントもまた、この鍵の改修任務にあたり、かつての友人イルサ・ファウストと接触。

彼女から一つのカギを託されたイーサンであったが、AIを支配しその力で世界をも動かそうという政府の方針に反し、単身でもう一つのカギを手に入れ、AIを破壊するために動き出す。

感想/レビュー

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加速度的にアップグレードを重ねていくこのミッション:インポッシブルシリーズ。

3作目までは各監督の持ち味を生かした個別作品でありつつ、4作目の「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」ではブラッド・バード監督がチーム者感を強めました。

そしてマッカリー監督が作り上げた「ローグ・ネイション」はまさに「スパイ大作戦」のルーツをみせつつも、ダイナミックなトム・クルーズ映画でありました。

作品を追うごとに正直おかしいレベルでアクションスタントが磨き上げられていく中で、今作もトム・クルーズとか言うスタントマンがとにかくとんでもないアクションを繰り広げています。

アクション映画の最先端を目撃する特権

とめどないアクションシークエンスは程よいコメディもブレンドされ、そしてこのシリーズで大事になっているキャラクターたちの絆や人間性を深めています。

上映時間はシリーズでも最長となり163分。しかし観客はおそらくその半分の時間も感じないほどにのめりこむでしょう。

アクション映画の最先端に立ち、常にそれを先導して自らのハードルを上げ続けては越えていく。

そんな瞬間を巨大なスクリーンで目撃するというのは、この上ない特権だと思います。

個人的にはキアヌ・リーブスが近接格闘的な殺しのダンスでアクションを更新し続けるなら、トム・クルーズはスタンとアクションのスケール感でまた歴史を刻んでいると思っています。

この2つの柱がそれぞれに精度も熟練度も高めた技巧をスクリーンで展開する時代に、リアルタイムで観ることができてうれしいです。

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今作の主人公が力を示すアバンタイトル

潜水艦で始まるOP前のアバンタイトル。

今までのイーサンが一つ大きなスタントをするか、IMFらしいひっかけチームプレイをかますかに比べると大人しいですが、今作の中でも重要な登場人?であるAIが”その力を見せつけて一仕事する”という意味では見事です。

あの独特な起動音も不気味ですしね。

あの名作の感じも?

そこからアブダビの砂漠での砂嵐の中の銃撃戦に、空港でのテック交えての3人IMFチームプレイ、グレースのイントロからスティーブ・ザーンのいい感じのCIA。

で、今作で結構意識したのは、偶然にもあの「ルパン三世 カリオストロの城」です。

女泥棒とか、黄色のフィアットとか、何かと追いかけてくるCIA(銭形警部)、二つを一つにすると何かが起きるマクガフィン。

まあ2つを合わせると何かが起きるけど、それが何かは分からずに争奪戦を行うのは、直近の「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」もそうですけれど。

まあある程度多くのキャラがファンサービス的に登場して、ややそれぞれが薄いような気もします。

でも、「トップガン マーヴェリック」からもチャールズ・パーネル、ジェイ・エリスも出てきてて、なんだかトム・クルーズのファミリー感もあったりしますし、楽しい要素なのかも。

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アクションと脚本のシーソーは揺れ動く

飛躍的にレベルアップするアクションの中に、脚本的なめちゃくちゃ感がどうしても出てきてしまいます。

今作はアクションのハイレベルさと支離滅裂感の出ている脚本のシーソーバランスは、個人的には気になってしまうところでした。

悪くはないし確実にエンタメとしてのめりこめるのですが、許容していい範囲でアクションが先行しているのかというと、?なところ。

あれもこれもとこねくり回していく中で、あの大目玉のバイクジャンプがハイライトながらも着地としてなんともご都合主義な組み込まれ方だったのは残念。

前作「フォールアウト」でのフリーフォールはストレートな話運びの中でワンカット風でしたが、今回は分岐して進んでしまうためにちょっとぶつ切りです。

また、AIという姿なき敵=影も良いんですが、結局フィジカルに渡り合う相手が必要だからということで敵役ガブリエルが出ているのも、仕方ないとはいえ残念。

本当に影と戦ってほしかったというのと、ガブリエルの戦闘力頼みなところもあって、何が”予言”なのかよく分からないこともありました。

スパイ大作戦味も薄い

もっとも私個人の意見として足りなかったのは、マッカリー監督になってから顕著だった「スパイ大作戦」のテイストの薄さです。

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IMFメンバー自体が3人だけですし、まあ今作を通じてグレースが加入するわけなので抑えたのかもしれません。

前半パートだから・・・というのも理由かもしれません。

でのチームで戦って、相手にやられたと思わせてからの全て計算して相手をハメていた、あの快感がなかったのはシリーズのアイデンティティにもかかわる気がして物足りなかったです。

人間を信じていく

さてメインプロットですが、暴走したAI対フィジカルに頑張る人間。

ちょうどWGA、SAG AFTRAのストライキでも議題になっているAIと人間の構造ですね。

映画界を取り巻く情勢とシンクロしているのは非常に興味深く思います。

これまでにもドラマ仕立てになってきたこのシリーズは、人情と非常、個人とシステムを対比しながら、人を信じていくイーサンとその信頼ゆえにイーサンについていく人物を描いてきました。

まさにその物語の究極系がここにあり、これまで以上に人情物語になっていて熱いですね。

トム・クルーズ自身が一映画人として俳優たちやスタッフ、フィジカルの力や映画館という文化を信じて戦う姿にも重なり、特別な輝きを持っていると感じます。

一部歪んだ感じや物足りなさもあるとはいえ、やはり最高峰のアクションを見せていこうという魂のこもった作品。

これこそが映画館で観るという映画。

見逃さないでほしい一本でした。後半も楽しみに待ちましょう。

今回の感想は以上。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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