「マザー!」(2017)

  • 監督:ダーレン・アロノフスキー
  • 脚本:ダーレン・アロノフスキー
  • 製作:ダーレン・アロノフスキー、アリ・ハンデル、スコット・フランクリン
  • 音楽:ヨハン・ヨハンソン
  • 撮影:マシュー・リバティーク
  • 編集:アンドリュー・ワイスブラム
  • 出演:ジェニファー・ローレンス、ハビエル・バルデム、エド・ハリス、ミシェル・ファイファー、クリステン・ウィグ、ドーナル・グリーソン 他

Mother-TIFF-2017-movie

「レスラー」、「ブラックスワン」などのダーレン・アロノフスキー監督が新居で生活を始める夫婦と、そこに次々現れる訪問者たちを描く作品。

主人公である妻をジェニファー・ローレンス、夫役にはハビエル・バルデムが出演し、その他エド・ハリスやミシェル・ファイファーらも出ています。

公開時にはかなり話題になった作品で、一部は稀にみる低評価、一方で絶賛する声もありました。

当時日本公開も進んでいたのが、急遽中止になったのも記憶に残っています。

実は海外にて公開中に観る機会自体はありましたが、結局スルーしてソフト販売までお預けしていました。

今回はちょうど観直したので感想を残していきます。

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ある夫婦が森の中に佇む家に引っ越してくる。

郊外の周囲から離れた静かな家で、新しい生活を始めようとするが、ある日訪問者がやってくる。

見ず知らずの男に警戒する妻だったが、夫は何事もないかのようにその男を家に迎え入れるのだった。

さらに今度はその訪問者の妻という女が現れ、彼女もまた夫によって招き入れられる。

何か嫌な予感がするという妻の言葉を気にもかけず、夫は次々現れる訪問者を家へと上がりこませるのだった。

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ダーレン・アロノフスキー監督の送り出した地獄。不快かつ挑発的で、まあこれに嫌悪感を示すのは当然の反応です。

怒りだす人や、理不尽さに理解不能さを感じるという人もいるでしょう。

間違いなく胸糞悪い映画です。

最終的には嫌ってしまうこともわかりますし、私としてもこの悪夢的な物語や空気はもう一度反芻したいとは思いません。

しかしセクションのレベルの高さが、ここまで人をしっかりと不快にさせる地獄絵図を築いているのは間違いありません。

マシュー・リバティークの接写祭りは作品の訪問者達くらいに、主人公ジェニファー・ローレンスのパーソナルスペースを奪っていき、とにかく画面に窮屈さと感じさせます。うっとおしく狭く息苦しい。

またヨハン・ヨハンソンが音楽を担当していますが、こちらの仕事も大きいでしょう。

その接写にも存分に答えて、家の中を縦横無尽に売り回されながら苦悶にさらされるジェニファー・ローレンス。

若く清楚で美しい顔を存分にカメラの前に出しながら、理不尽な環境に疲弊し怒りボロボロになっていく様はまあかわいそうで、その他の俳優陣は狂人レベルに暴れています。

小さな家の中なのに、世界そのもののように混沌が奔流を起こす様は見事に構成されていると感じます。

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この作品はいかようにも受け取れることができます。

もちろんことさらに強調されているのが聖書のテーマであり、神と人間、アベルとカインやら分かりやすい投影もされています。

また一方で超ブラックなコメディとしての精神虐待夫とそれにトコトン追いつめられる若き妻の物語でもあります。

さらに言えば、子どもを授かりながらもなにやらカルト集団の計画に引きずり込まれるのは「ローズマリーの赤ちゃん」のまんまでもありますね。

個人的にはその幅のあり方や作りの精密さには感心する作品なのですが、含まれるメッセージについては、だからなんだ?としか思いません。

聖書のメタファーですよ。バルデムは神で、ローレンスは母=地球で・・・など、解釈を説明して終わりなきがします。

では、それで結局は何が描きたかったのか?これは不透明。

もちろんそれを好きに話し合う題材としては最高レベルに作りこまれていると思います。

いったい何が起きているのか?何を見せられているのか?

観客に対しては非常に挑発的な作品。ダーレン・アロノフスキー監督は醜悪さを見事に仕上げ切っていますが、それが記憶に残る以上に何か響くことはなかったように思う作品でした。

まずは一度観てみることをおすすめするタイプの作品。いずれにしても何ともないことはない映画ですので。

感想は以上になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

それではまた次の記事で。

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