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「タイラー・レイク -命の奪還-」”Extraction”(2020)

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Netflix_Extraction_2020_movie 映画レビュー
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「タイラー・レイク -命の奪還-」(2020)

  • 監督:サム・ハーグレイブ
  • 脚本:ジョー・ルッソ
  • 原作:アンデ・パークス、ジョー・ルッソ、フェルナンド・レオン・ゴンザレス “Ciudad”
  • 製作:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ、クリス・ヘムズワース、マイク・ラロッカ、エリック・ゲイター
  • 音楽:ヘンリー・ジャックマン、アレックス・ベルチャー
  • 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
  • 編集 スタン・サルファス
  • 出演:クリス・ヘムズワース、ランディープ・フーダー、ゴルシフテ・ファラハニ、デヴィッド・ハーバー 他

Netflix_Extraction_2020_movie

スタントマンでありまたスタントコーディネーターとしても活躍するサム・ハーグレイブが、長編監督デビューとして送る、誘拐された麻薬王の息子奪還に挑む傭兵のアクションスリラー。

主演は「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・ヘムズワースが努めます。

さらに「パターソン」や「バハールの涙」などのゴルシフテ・ファラハニが傭兵グループをまとめるリーダー役で出演、インド映画界で活躍するランディープ・フーダーが今作でのハリウッド作品デビューを飾ります。

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」からMCUの監督を務めてきたルッソ兄弟が参加しNETFLIXで制作された本作は、ちょうど公開時期がコロナ感染症拡大によるロックダウンを受けたころでもあったため、その歴代配信視聴記録を大きく更新するものとなりました。

NETFLIX未加入時に話題だったことは覚えていたので、さっそく鑑賞です。

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インドの麻薬王の息子が、敵対組織であるバングラディッシュの麻薬王アミールに誘拐される事件が発生。膨大な額の身代金が要求されるが、インド側は傭兵を使っての息子の救出作戦を実行する。

裏社会で傭兵として生きるタイラーは、この作戦に仲間であるニックから誘われ参加し、難なく救出は完了するが、肝心の礼金がインドの組織から支払われなかった。

インドの麻薬王は服役しており、救出だけタイラーたちに行わさせ、そこを手下であるサジュが襲撃し息子を取り戻そうとしていたのだ。

サジュによってタイラーのチームは全滅し、一人で息子を連れてバングラディッシュを逃げ回ることになったタイラー。

警察や軍すらも手の内にしたアミールの包囲網が迫る中で、タイラーは脱出のために奔走する。

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ハッキリ言ってすごく普通というか、ありきたりというか凡庸なアクション映画になっています。

技術的な進歩から圧倒するようなアクションシーンが展開されることはあるものの、その本流からふと落ち着くと、そこには全く理解できないプロットや、よく分からない行動原理、浅すぎる人物描写などが強く感じられてしまいます。

アクションに入ればのめりこむのですが、ブレーキを踏むたびに、なぜなのかが気になり、そして興味が失せていく。

もともとはジョー・ルッソによるグラフィックのベルが原作とのことですが、かっこいいバイオレンスを展開したいのは伝わるものの、その暴力にかかるドラマというものが無いので、アクションに意味は感じられなくなっていきます。

まず高評価なアクションの面については、そのワンカット風の臨場感はまさに息をつかせないものになっており、ライド感も含めて最高の出来栄えではないでしょうか。

建物の中から車の中に乗り込みながら、外へもカメラは出て動き回り、降りてからの格闘も上下の高低差としての動きまでもある。

一連のシークエンスにある緊張感や構成は確かにすごいと思わせるものになっています。

暴力的な描写についても結構硬派なアプローチで、序盤に少年を射殺するところに始まり、容赦のない世界を見せていく。

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ただアクションも完璧だなとは思わなくて。

例えば近接格闘術における点ではそのタクティカル感はあるものの、美麗さは「ジョン・ウィック」シリーズ、また創意工夫においては「ザ・レイド」などの先例を大きく超えることにはなっていませんし、銃撃戦についてはちょっと凡庸に見えます。

カーチェイスなど含めていえるのは、戦闘における設計が不明瞭に思えることでした。

最終の橋に関してはわかりやすい気もするんですが、市街地での陽動をした地点から、橋まであっさりタイラーが移動してしまうし、序盤は特にどこへ向かうことで戦闘が終わるのかがよくわかりません。

ただめぐるめくアクションが繰り出されたとしても、ゴール設定が薄いので興味の持続的につらいんですよね。

まあ何にしても弱かったのはそのアクションを応援してみていくために必要な、キャラクターの繋がり。それを引き出すためのドラマでしょう。

タイラーの造形はちょっと90年代のゲームキャラのようです。子どもを失った過去を持ち、その悪夢に苛まれ続ける傭兵。

それが今回オヴィの救出から、おそらく救えなかった息子を救う意味でタイラー自身が救われていくようなプロットですが、型でしかなくて乗れません。

敵だらけの緊張ならば「ボーダーライン」ですし、アクションも先例の多さに対して不利なのかな。

全体に普通過ぎる感じになった印象の作品。タイトル的には”Extra-Action”でいいんじゃないかと。

今回の感想は以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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