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「エクス・マキナ」”Ex Machina”(2015)

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映画レビュー
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「エクス・マキナ」”Ex Machina”(2015)

  • 監督:アレックス・ガーランド
  • 脚本:アレックス・ガーランド
  • 製作:アンドリュー・マクドナルド、アロン・リーチ
  • 音楽:ジェフ・バロー、ベン・ソールズベリー
  • 撮影:ロブ・ハーディ
  • 編集:マーク・デイ
  • プロダクションデザイン:マーク・ディグビー
  • 美術:カトリーナ・マッケイ
  • 出演:ドーナル・グリーソン、アリシア・ヴィキャンデル、オスカー・アイザック 他

友人におススメされて、なかなかの評価の高さにも惹かれていた本作。やっとこさ海外版BDで鑑賞できました。もう海外版はかなりお安いです。

監督は本作がデビュー作であるアレックス・ガーランドさん。もともと映画界では脚本や製作をしていたんですね。ダニー・ボイルの「28週後・・・」(2007)、また「ジャッジ・ドレッド」(2012)などの脚本を書いています。広々自由でない中での劇を描くと言えば、今作もその作風はあると言えるかも?

今のところ今作は日本公開はないのでしょうか?是非とも公開してほしいです。

検索エンジン会社ブルーブックで働くケイレブは、社長のネイサンの自宅に滞在できるという抽選に当たる。山と森、自然に囲まれた中にあるネイサンの自宅へと赴く。

ネイサンはケイレブを歓迎し、宿泊する部屋に案内する。そして秘密保持の書類にサインするように言うのだった。ネイサンによれば、ここは自宅でありまた同時に高度な人工知能、AIを研究する施設でもあるのだ。

研究内容は新型AIのテスト。ケイレブはそのAIであるエヴァと会話を始めていく。

全体に不穏な雰囲気が絶えない本作。始まってすぐ、最初のパワーカット、ネイサンとキョウコの織り成す映画史に残る気まずくて不気味なダンスの後、そしてネイサンの研究が明かされていくシーン。

心臓の鼓動音のような焦燥と恐ろしさのある音楽が流れます。観ていて思いましたが、あまり次の展開が予測できませんでした。

ケイレブと同じく振り回される感覚ですね。全容はこんな感じかな?と感じても、そのプロセスが見えなかったんです。

そういった感覚には、デザインなども大きくかかわっていると思います。血など無いんですが、どことなく人を不安にさせるようなロボットやプロップのデザインです。なんなら内蔵丸出しのスプラッタの方がマシに思えるような。斬新な世界と見た目が楽しめました。

登場人物はメインで3人のみ。しかもネイサンの自宅が完全に一つの舞台ですから、すごくシンプルになっていますね。会話も研究的な話はあれど、内面を話すことがほとんどないです。しかし見せるもので観客に考えさせるというのがとても強い映画だと感じました。

私が一番興味を持ったのはガラス。近代的というか、いわゆるオシャレなお家兼研究所にはガラス張りの部屋が多いのです。玄関から居間、キッチン、エヴァとの会話部屋まで。

ガラスというのは、透明です。向こう側に相手が見えます。しかし相手が見えると言ってもガラスは完全にこちら側とあちら側を作っていますね。

人間であるケイレブと、どこまで人間に近くともロボット、AIであるエヴァ。対話しつつも隔絶されているんです。

そしてその一方でガラスは反射を持ち合わせています。

電車とか乗ってて、外が暗いと窓に自分が映りますよね。あんな感じです。ということを考えたら、エヴァとの会話はさらに自分自身を見つめることにもなっていると思えてきました。人工知能という情報処理機会を自分と重ねてみる。

現代人が心でなく頭脳を高め、機械化していることの皮肉にも思えましたね。

作品はその人の内面を映す鏡。何を考えているのか、どういう目的なのか。映画をみて色々と考えるのも、作り手の考えを理解しようとすることですからね。そしてその上で、自分が何を感じているのかを放り返してくるわけです。

そんなわけで、エヴァをテストしているうちに人間への疑念が湧き上がり、また自分自身の本性を確認せずにはいられないのです。

生活環境や自然、教育などが人間を形成するのは、プログラミングであります。歴史を学び、適応し、より良い社会生活へ向け進化するのは、まさにバージョンアップデートと同じです。であれば、私たち自身も骨格は機械であってもおかしくないのです。

ケイレブと同じく、直接問われはいないものの、私もいろいろと考えさせられました。

行動と動機関係、人間と機械の違い、見た目と中身とそれらからくる印象や態度変化。ネイサンはある意味では神になろうとしていたんですよね。

男性が女性に対しする扱いで最低なことをしているとも思えますし、エゴが感じられます。彼の言う原爆を生み出した男の話や、善き行いが後の審判に影響することは、正当化にも思えます。

孤独と一人きりの宴が続き、狂っていたのかも?黙々とトレーニングしているあたり、不健康なマッチョっぽくアイザックはやはり良いなと思いましたw

創造物は親を超え、試していたと思っていたら試されていた。

ネイサンの言う「AIが人間を観察し、野蛮だなと笑う日がくるかもな。」は既に始まっていたのかもしれません。過去を自分につなぎ合わせ、見た目を克服したエヴァは多くの人間が暮らす社会へと、ガラスの外へと歩いていきます。もう他にもAIが暮らしているかも?

エンドクレジットが流れる中、映画が残した数多の投げかけを繰り返し考えました。

そしてふと思ったこと。

この”Ex Machina”(機械仕掛け)を観て私が色々考え、あたかも目の前に出された作品を研究しているようですが、実はこれは監督アレックス・ガーランドが観客に出したテストなのかもしれないですね。

色々な反応を見せ、映画の分析結果は・・・とか言っている私たちを逆に観察しているんじゃないか?そんな風に思ったら、これまたちょっと恐ろしくなってしまいました。

少ない人物と限られた場面、抑えた台詞でここまでスマートに多くを問いかける秀逸さに感動。

これを観てどう反応をするかをガーランド監督がおもしろそうに眺めていることでしょうから、是非ともテストにご参加(映画を鑑賞)してくださいw

うーん、おもしろいものを観ました。そんなところで終わりです。それではまた~

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