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「ハボック」”Havoc”(2025)

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「ハボック」(2025)

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作品解説

  • 監督:ギャレス・エヴァンス
  • 製作:エド・タルファン、ギャレス・エヴァンス、アラム・ターツァキアン、トム・ハーディ
  • 脚本:ギャレス・エヴァンス
  • 出演:トム・ハーディ、ジェシー・メイ・リー、ジャスティン・コーンウェル、ティモシー・オリファント、フォレスト・ウィテカー 他

「ザ・レイド」で近接格闘アクション映画の歴史に名を刻んだギャレス・エヴァンス監督が、「ダークナイト ライジング」「ヴェノム」などのトム・ハーディを主演に迎えて送るアクションスリラー。

汚職に手を染めながらも、なんとか闇の世界から抜け出そうともがく刑事と、彼を巻き込む麻薬組織の激しい抗争を描きます。

共演には「ブラックパンサー」などのフォレスト・ウィテカー、また「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などのティモシー・オリファント、その他ジャスティン・コーンウェルやジェシー・メイ・リーなど。

今作はもともと2021年ころには撮影が終了していたのですが、度重なる再撮影があったために2025年まで公開が伸びてしまったそうです。その他にも2023年の全米脚本家組合のストライキなんかも、そのリリース遅延に影響したようです。

なので、やっとこそ日の目を見ることができたということですね。

ネトフリの新着に来ていたので週末に早速鑑賞して観ました。

~あらすじ~

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犯罪の横行する街で、殺人課の刑事をしているウォーカー。彼には過去に麻薬捜査班でありながら重大な犯罪を犯した過去があり、その罪悪感に苛まれている。

自分の保護、そして恩返しのために市長の汚い仕事を請け負って返済をするウォーカーだが、家族のためにも足を洗おうとしていた。

しかしそんな時、麻薬取引が失敗し現場で銃撃戦が勃発、多くの死者とアジア系マフィアの息子が死亡。ボスが海外からやってきてかかわった人間を探し始める。

ウォーカーには関係のない事件のはずが、市長の息子が現場に居合わせてしまい、その保護をせざるを得なくなった。

勇気はあるが未熟な新人エリーと共に、事件を追い激しい抗争に巻き込まれていくウォーカー。そしてエリーも独自の力で事件解決の糸口を見つけようと奔走する。

感想レビュー/考察

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ハボック=大混乱

「ザ・レイド」で低予算ながら創意工夫でアクション映画の魂を見せつけたギャレス・エヴァンス監督。

今回は結構な予算をかけたように規模感を上げ、そしてスター俳優も投入して挑んだ作品になっています。

タイトルのハボック=Havocというのは「大混乱、大乱闘、大暴れ」といった意味を持っています。

まさにその通り休むことを知らないアクション満載の映画になっていますが、残念ながら、その脚本も大混乱を起こしていると感じてしまいました。

多すぎるプロットライン

ウォーカーの汚い過去の話と、その時の仲間たちとの因縁なのか、関係性。そして市長の犬として汚い仕事を片付けてきたけれど、そこから抜け出したいという思い。その裏にあるのは会えていない幼い娘。

ウォーカーだけでも結構面倒くさいことになっているのに、フォレスト・ウィテカー演じる市長側も綺麗な市長ではなくて汚職市長だし、そして彼自身は息子との関係性を回復しようとしつつ、今回は息子を救いたくて奔走。

それから逃げている側の女性ミアも、おじさんのルイス・ガスマンまでいてなにやらドラマを掘ろうとする。

ウォーカーと組んだ新人はウォーカーほどの腕がないながらも自分で考えて独自に道を見つけていくという成長物語を持っています。

そして、殺されてしまった麻薬組織の元締めの母で犯罪組織の大ボス側の動きに、ボスを裏切ってウォーカーの元仲間たちと組んで暗躍するギャング。。。

プロットラインが多すぎないでしょうかね。

サウンドとビジュアルがとどろくアクションで無理やり進行

これらが並走したとしても、もちろん見事に集約したり相互作用的なドラマがあれば寄り添っていけるのですが、それがなく、まさに大混乱なのです。

無理やり進行させているのは、その意味の分からない集約点を失っているドラマを、考えさせない気なのかと言わんばかりの激しいアクション。

激しいと言っても、個人的には散らかっていることとサウンドもビジュアルもやかましいアクションで覆い隠していると言った印象です。

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ゲームのカットシーンのような変なカーチェイス

OPはカーチェイスから始まります。

ここですでに不安でした。やっていること自体はそこまで目新しいわけでもないのですが、これカーチェイス全体がじゃないでしょうかね。車の動きが変です。そしてゲームのカットシーンかのようにぬるぬるしていて重さとか感じない。

カメラワークを優先したせいなのか分かりませんが、つかみとしては映画ではなくてゲームが始まったようで気持ち悪いなというところと、アクションはこの先大丈夫かといった不安が大きかったです。

基本的にはぐるっと長回しなカメラワークとか、この荒廃した街並みを映す際にはグリーンバックの利用がされていると感じます。

閉所での多人数相手のゴアアクション

まあそのあとの連続する室内での戦闘シーンは、息をつかせぬつるべ打ち的ではありますし、一応は一連のアクションが何をしているのかは見やすくなっています。

このアクションがゴア、血しぶきモリモリでかつタクティカル。トム・ハーディのハンドガン、ショットガンなどの取り回しの所作とかカッコいいですね。空間的な整理もある程度されています。

どこに行けばいいのかというよりも、何処にも行けないという密閉、閉塞感とその中でゾンビのごとく湧いて出てくる敵の数。まんま「ザ・レイド」のあの住宅地なんですよね。

コリオグラフィーはさすがといったところですし、全体に地獄みたいな色彩で統一された撮影、トム・ハーディの存在感などもいい方向には向いている気がします。

それでも、そうした要素の根幹になる脚本に要素を盛り込みすぎたことで、何処へ向かっているのか分からないという事実自体が観客を混乱させていることは否めません。

何も考えずにアクションを見るというような、家での暇つぶしネトフリ干渉であれば候補でしょう。

今回は短い感想ですが以上。ではまた。

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