「エクスペンダブルズ ニューブラッド」(2023)
作品概要
- 監督:スコット・ウォー
- 脚本:カート・ウィマー、タッド・ダッガーハート、マックス・アダムズ
- 原案:スペンサー・コーエン、カート・ウィマー、タッド・ダッガーハート
- 原作:デヴィッド・キャラハム
- 製作:ケヴィン・キング=テンプルトン、レス・ウェルドン、ヤリフ・ラーナー、ジェイソン・ステイサム
- 製作総指揮:アヴィ・ラーナー
- 音楽:ギヨーム・ルーセル
- 撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ
- 編集:マイケル・J・ドゥーシー
- 出演者:ジェイソン・ステイサム、シルヴェスター・スタローン、カーティス・“50セント”・ジャクソン、ミーガン・フォックス、ドルフ・ラングレン、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、ランディ・クートゥア、アンディ・ガルシア 他
「ロッキー」そして「ランボー」とアクションスターとして名を馳せたシルベスター・スタローンが、同じく往年のアクションスターを集めて立ち上げたシリーズ「エクスペンダブルズ」。
これまで3作が生み出されたシリーズに、新たな章が誕生します。
今作はお馴染みのスタローンに、ジェイソン・ステイサム、ドルフ・ラングレン、ランディ・クートゥアの出演に加えて、「トランスフォーマー」シリーズや「ティル・デス」のミーガン・フォックスや「マッハ!!!!!!!!」のトニー・ジャーが参戦。
また敵役には「ザ・レイド」のイコ・ウワイス。さらにエクスペンダブルズの任務統括者には「アンタッチャブル」などのアンディ・ガルシアが出演します。
企画としてはすっごく前にあったらしく、いろいろあってなかなか製作が進まなかった作品らしいです。
昨年中に北米で試写⇒公開がありましたが、とにかく評価が低くて話題になっていました。
もともとそんな良い映画を見る体制で観るシリーズではないので、個人的にはそこまで評価の低さは気にせずに公開週末に観に行ってきました。
~あらすじ~
自称“消耗品”の最強無敵の傭兵集団<エクスペンダブルズ>のリーダー、バーニー・ロスは、CIAの新しいミッションに挑むため、昔の相棒であるリー・クリスマスを訪ねることにした。
バーニーと再びチームを組むことを決意したリーがアジトを訪れると、昔の仲間たちだけでなく、新たな仲間たちもそろっていた。
今回のミッションは、テロリストの手にある核兵器を奪還すること。
このミッションが失敗した場合、第三次世界大戦の危険が迫っている。
しかし、敵の卑劣な策略と、任務よりも仲間を優先したリーの行動が原因でミッションは失敗し、高い代償を払うことになってしまう。
失われた仲間の意志を継ぎ、そして仇を討つために、再びエクスペンダブルズが立ち上がある。
感想/レビュー
「エクスペンダブルズ」シリーズはなんだかんだですべて観ています。2だけは劇場に行き、他はTVや配信で複数回鑑賞。
正直な印象としては続編になるほどにどんどんと楽しさは薄れて言っている気がすること。
そして今作でもそれは同じことになっていました。
脚本が支離滅裂だとかもありますが、この手の映画にしっかりとした話なんて求めていません。
むしろこういうアッセンブル物は各キャラの立たせ方とか、見せ場づくり、チームとしての活躍アクションをみたいものです。
その点で今作はアクションにおいても致命的に見にくいです。
何が起きていてもどこに敵がいてどこへ行けばいいのかの地理的な整理も出来ていないし、アクションもぶつ切り編集に急な接写、クローズアップとカメラ揺れの多用で、ゼロ年代や10年代のあのガチャガチャ感が悪い形で残ってる。
絶対組み立ては結構しっかりしてるはずなんですが、「ジョン・ウィック コンセクエンス」の階段のシーンなど、アクションに意味があり語りがあり、そして位置関係やその流れがしっかりと分かるような現代に、このレベルでは結構苦しい。
さらにすごく気になるのはライティングなのか合成なのか、背景とカメラ焦点を合わせる対象人物とのちぐはぐな画面です。
冒頭のリーの家のシーンも、そのあとのバーニーと行くバーのシーンでも、船の上での戦闘であっても、とにかく合成感がすごい。
グリーンバックで合成のシーンももちろんあると思います。
でもどのシーンでもその違和感と浮いた感じがでているのが単純に気持ち悪かったです。
そしてなによりも人物の造形面です。
こんなにも肉厚なキャラをそろえておきながら、彼らの存在や描きこみはペラペラの紙レベル。何にしても薄っぺらすぎる。
それぞれが主役を張ってきたような人物を集めているし、女性の参加割合もまた増しているというなかで、ジャグリングもちゃんとできていない。
各々の見せ場をしっかりと作ろうという意図は見えるんですが、決定打に欠けるか正直見せ場というよりもダメだったところになってしまっている。
全体に薄い関係性であり、ネタバレにはなりますが(予告でも言ってるので良いか)バーニーがしんでしまうくだりについてもなんだか重みがなくのめりこめません。
往年のメンバーだけであればまだしも、新顔もいる中で悼むと言ってもね。。。
ロジックはあると言ってもやはり感情がのっていない状態で、記号的に展開されていくだけなので。
絵面としてもなんだか嘘っぽいのに、各キャラクターの描写もいまいちなため、すごく全体にハリボテ映画に感じてしまいました。
製作自体も長期化していたり、そもそもの脚本は別の作品向けに書かれていたものを、あとからエクスペンダブルズにしたりと、作り込むところから安定していなかったのかもしれません。
俳優陣は好きですし、特異なシリーズとしてエクスペンダブルズは応援したいので、次があるなら万全の体制で制作をしてほしいです。
今回は厳しい感想になりました。
ではまた。
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