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「ビーキーパー」”The Beekeeper”(2024)

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the-beekeeper-2024-movie 映画レビュー
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「ビーキーパー」(2024)

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作品解説

  • 監督:デビッド・エアー
  • 製作:ビル・ブロック、ジェイソン・ステイサム、デビッド・エアー、クリス・ロング、カート・ウィマー
  • 製作総指揮:アンドリュー・ゴロブ、トム・ザドラ、マーク・バーミンガム
  • 脚本:カート・ウィマー
  • 撮影:ガブリエル・ベリスタイン
  • 美術:ベン・マンロー
  • 衣装:ケリ・ジョーンズ
  • 編集:ジェフリー・オブライエン
  • 音楽:デビッド・サーディ、ジェレッド・マイケル・フライ
  • ジェイソン・ステイサム、ジョシュ・ハッチャーソン、ジェレミー・アイアンズ、エミー・レイヴァー=ランプマン、フィリシア・ラシャド 他

「スーサイド・スクワッド」「エンド・オブ・ウォッチ」などのデヴィッド・エアー監督が、「ワイルドスピード」シリーズや「キャッシュトラック」などのジェイソン・ステイサムを主演に迎えて描くリベンジアクション。

ジョシュ・ハッチャーソンが権力者を盾に弱者から金を巻き上げる男を演じ、その子守役であり元CIA長官役をジェレミー・アイアンズが演じています。

その他、エミー・レイヴァー=ランプマン、フィリシア・ラシャドも出演。

昨年のうちから海外で公開されたとき話題になっていて、エアー監督の作品も久しぶりだったので楽しみにしていました。日本での公開は2025年となり、お正月映画となりました。

そういえば2024年の年明けも、「エクスペンダブルズ ニューブラッド」でステイサムを観ていました。お正月俳優。

流石今年は長期年末年始休暇だったこともあるのか、映画館もにぎわっていました。

「ビーキーパー」の公式サイトはこちら

~あらすじ~

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アメリカの片田舎で養蜂家として穏やかに暮らす男、アダム・クレイ。しかし、その静かな生活は、恩人である優しい老婦人がフィッシング詐欺で全財産を失い、絶望の末に命を絶ったことで一変する。

怒りに燃えたクレイは、社会の腐敗に立ち向かうことを決意。実は彼には、かつて世界最強の秘密組織「ビーキーパー」に所属していた過去があった。

その豊富なスキルと情報網を駆使し、詐欺グループの拠点を突き止めた彼は、単独でアジトを襲撃し、ビルごと爆破するという強硬手段を実行する。

この事件を皮切りに、クレイの復讐劇はさらに激化。彼の行動はFBIやCIA、さらには傭兵部隊や過去の同業者をも巻き込む壮絶な戦いへと発展していく。復讐に燃える孤高の戦士クレイは、社会の闇に真っ向から挑み、次第に事件の黒幕へと迫っていく。

感想レビュー/考察

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強すぎて心配しなくていい最強の主人公

デヴィッド・エアー監督と言えばストリート。生々しく容赦のないストリートの物語を描くのに素晴らしいセンスを持っていると感じています。

今作ではそのテイストからは離れていました。

この作品はいわゆる無双系、一人軍隊の映画。圧倒的に強く観客が心配する必要すらない主人公が、悪をなぎ倒していくという簡単なストーリー。

ジャンルとしては非常に昨今は流行っていて、飽和してきたようにも感じますが、うまく一つひねりを入れて、主演のメタ要素も生かした作りで楽しめました。

養蜂家にしては鍛え抜かれたフィジカルと人殺しの顔をしたステイサム兄貴。

何らかの高度なスキルと経験を持つこの男は、個人的な部分を一切明かしませんが、恩人の女性だけは大切にしている。そんな女性が特殊詐欺に巻き込まれ全てを失い、絶望から自殺してしまったのですから、地獄の蓋は開いたわけです。

犬を殺し車を奪われた伝説の殺し屋。仲良くしてくれた素直で気のいい女の子を病院送りにされた元CIA

ここに新たに、自分を唯一受け入れてくれた恩師を自殺に追い込まれた養蜂家が加わります。

明快なストーリーは意外な展開などはせず、金持ち権力者の甘やかされた子どもという、誰しもがぶん殴っても文句を言わない悪役を置いてまっすぐ進みます。

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ジェイソン・ステイサムという俳優の味わい

そしてまっすぐなストーリーを追い越さんばかりに、これまたまっすぐかつ怒涛の勢いで主人公が駆け抜けていく。

ジェイソン・ステイサムという俳優。強い。決して出し抜かれず、やられず、嵐のような男が似合う。

一般人の服装をしていても、一般人とは異なるオーラを放ち、最後のクライマックス戦闘シーンではびしっとスーツを決めて見せる。

そして彼は傷つき血を流しはするもの、その顔に着いた傷と血は、脆さよりもむしろさらに強さのしるしに見えてきます。

システムの外にいて、システムの腐敗を正す神の手

エアー監督が一つ、造形面で出した面白さは、この男があらゆるルールの外にいることです。

殺し屋の世界の掟やCIAの制度など、主人公もある程度の枠組みに存在し、それを利用したりそれによって追い詰められることもあると思います。

ただし、今作の養蜂家は違います。もはやFBI、CIA、そして元いたプロジェクトである養蜂家のルールからも外れている。

真の意味で世の中のため、自分の正義のために動いているのです。

自然の浄化作用のように圧倒的な力と勢いで進む主人公。だからこそ最強であり観客は身の安全を心配せずにいれる。そこまで行けば、カタルシスは増大します。

私としてはこの、神の手とも言っていい社会正義の存在は、「アウトロー」におけるジャック・リーチャーのようで好きです。大統領であろうが、不正と悪は許さない。

アクションスターとしてのステイサムをふんだんに活かした作品で、決して何かウェルメイドな映画ってわけではないのですが、シンプルに無双している強い主人公を楽しむとして良い作品と思います。

正月にはうってつけの、すっきりする作品でした。

今回は短めですが、ここまで。ではまた。

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