2023年映画ランキングベスト10
もうあっという間に2023年が終わります。年末ぎりぎり駆け込みで観れた作品もありますが、実は見れていないものもあったり。配信も残ってる。
しかしまずは年末の総括として、今年であった素晴らしい作品から10本のお気に入りをランキング形式で決めていきます。
ベスト10は以下の通り。
- 1位「TAR/ター」
- 2位「ベネデッタ」
- 3位「アシスタント」
- 4位「ジョン・ウィック コンセクエンス」
- 5位「aftersun/アフターサン」
- 6位「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
- 7位「ウーマン・トーキング 私たちの選択」
- 8位「トランスフォーマー ビースト覚醒」
- 9位「対峙」
- 10位「青いカフタンの仕立て屋」
第一位「TAR/ター」
上半期でも1位のトッド・フィールド監督の「TAR」がそのままトップでした。
とにかく完璧です。隙がない。
めっちゃおもしろくて罪と罰とかスリラーとかで観ても良いですし、現代劇、性的思考にかかわる議論、権力の構造への洞察としても素晴らしい。
文句ないです。これは本当にすごい作品でした。「Tar/ター」の感想はこちら
第2位「ベネデッタ」
ポール・バーホーベン監督は、根源的にタブーというものを挑戦する。タブーとはつまりひっくり返って、人間に必須の要素なのかもしれない。
真実と虚構を交えた修道女の物語を、真実と虚構を交えた映画というメディアに閉じ込めて、民衆と同様に観客を揺さぶり続ける。
そこから自らの侵攻を試され、悪趣味で強欲な面すらも見透かされた気がする作品。絶大な力を得たベネデッタが実在したという事実からは逃れられません。
強烈な作品でこちらも上半期同様に2位です。「ベネデッタ」の感想はこちら
第3位「アシスタント」
こんなにも静かでネオレアリズものようなのに、本当に燃えたぎる怒りや議論を進めようという思いが伝わってくる。
実録的で体感型の映画のなかで、ジェーンと共にあの会社の中で過ごす。
露悪的ではないけれど底に確かに存在し、感じ取っていくハラスメントと女性蔑視。それが淡々と、システムとして組まれているところに大きな問題を抱えています。
スタイルと問題提起が良いバランスですごく好きな作品でした。「アシスタント」の感想はこちら
第4位「ジョン・ウィック コンセクエンス」
私はジョン・ウィックシリーズが好きです。
そして今作も好き。まあ言ってしまえばそれだけ。
でも思い描かれた最高のアクションを、キアヌ・リーヴスはじめキャストもクルーも、みんなが実際に映像にするために本当に努力している。
そして息の合った殺陣からすさまじいアクションのつるべ打ちが生まれている。映画の根源はアクション。
だからこそそのプロの仕事に涙しました。素晴らしいです。「ジョン・ウィック コンセクエンス」の感想はこちら
第5位「aftersun/アフターサン」
映画を見て感情がぐちゃぐちゃになることってありますけれど、その中でも群を抜いていたと思うのがこの作品。
似たような感覚は映画際なので外した「異人たち」にもありました。
生易しい感情ではなくて、底知れない不安という生きているなら抱えなければいけない感情の物語。
シャーロット・ウェルズ監督の今後にも期待。「aftersun/アフターサン」の感想はこちら
第6位「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
大きなムーブメントのきっかけとなった取材。
報道による正義の追求自体が熱いものですが、今作はシステム自体への挑戦に加え、男性が多かったこのジャンルで女性の記者たちについて描きます。
そこに女性として人生と仕事の両面に挑む姿も見え、あらゆる面で見事なバランスをとっている作品でした。「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」の感想はこちら
第7位「ウーマン・トーキング 私たちの選択」
サラ・ポーリー監督が描き出す女性たちの選択の一夜。
女性たちが話す。ただそれだけのシンプルな舞台。
圧倒的な俳優陣をそろえて展開する会話劇と、時折挿入されるビジュアル。深い哲学に触れていく素晴らしい映画体験でした。「ウーマン・トーキング 私たちの選択」の感想はこちら
第8位「トランスフォーマー ビースト覚醒」
実際のところ、決してウェルメイドな映画ではない。穴もあるし歪んでる。
しかしすっごく久しぶりに観る前も観てる最中も楽しかった映画でした。
「バンブルビー」を除くと結局は人間もトランスフォーマーもばらばらにうごいていた実写作品ですが、今作は3つの勢力を出しておきながらも、本当にユナイトして戦うクライマックスに完全に持っていかれました。
On My Soulに合わせての最終決戦、たぶん今年一の熱さでした。「トランスフォーマー ビースト覚醒」の感想はこちら
第9位「対峙」
観るのがかなりしんどい映画ですが、でも観て本当に良かった作品です。
最も世界を呪ってしまいそうになる事件について、さらに厳しい形で対談するというセンシティブな作品ですが、演者の力や小さな部屋での演出が行き届いていて、素晴らしい体験でした。「対峙」の感想はこちら
第10位「青いカフタンの仕立て屋」
10位は結構悩んだのですが、マリヤム・トゥザニ監督のモロッコの作品です。
こちらは単純に、美しい映画でした。その美しさというか、繊細さと機微は今年一番かもしれません。
イスラム教社会と個人の中で形成される社会。どこまでも奥深くて思慮があり、こんなにも根源的な部分で相手を愛している夫婦はいない。こんな風になりたいと思ったものです。
さて、ほかにも以下の作品は結構好きで、ランクインはしなかったですがすごく良かったです。「青いカフタンの仕立て屋」の感想はこちら
「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」、「バービー」、「バビロン」、「長ぐつをはいたネコと9つの命」、「生きる Living」、「ファルコン・レイク」、「ランガスタラム」、「K.G.F CHAPTER1&2」、「君は行く先を知らない」、「シチリア・サマー」。
配信でもいろいろな作品を観ることができて、合計で250本くらいの鑑賞とここ数年では一番多く本数がみれました。
今年は映画鑑賞料金が2,000円に値上がりしたりと逆風もありましたが、これからも頑張って映画館へは通いたいものです。
年明け早々に「エクスペンダブルズ4」があったり、これからは賞レース関連も盛り上がっていくので、まだまだ楽しみは多いです。
皆さんの2023年ベストはどうでしたでしょうか。お気に入りの作品に出会えていると良いですね。
ではまた。
コメント
あまり被りがないので、大変参考になります!
コメントありがとうございます。
他の方の映画ランキングを見ると、また違った視点で作品を知れておもしろいですね。