2017年映画ランキングベスト10 My 10 Best Films of 2017
2017年もまた個人的な好みですので、映画の出来とかそういうのは関係なく選んでいます。
また、いちおう劇場鑑賞、さらに日本での一般公開のみにしぼって選出しました。TIFFとか北米での鑑賞作品は含まれていません。
第10位「人生はシネマティック!」
監督:ロネ・シェルフィグ
10位のスポットには、ロネ・シェルフィグ監督による心温まるチャーミングな戦争ロマンティックコメディがランクイン。全編にわたって、出てくる人物もみんな可愛らしく、リードのジェマ・アータートンは文句なしに素晴らしい。構成された嘘に何をのせているのか。何を見るのか。劇場でのシーンが私にはとても美しく大切なものになりました。
第9位「グッド・タイム」
監督:ジョシュア&ベニー・サフディ
第9位。ジョシュア&ベニー・サフディ兄弟によるクライムスリラーの「グッド・タイム」。
監督たちがもたらしたのは、映画史上に残る共感できないプロタゴニスト。ロバート・パティンソンが見せた名演が忘れられず、即興のように転がる話はスリルの極み。
その芯は切なく、ふと出会う、また通り過ぎる人にいったいどのような人生や背景をもって今に至るかを感じさせます。見事。
第8位「ベイビー・ドライバー」
監督:エドガー・ライト
音楽。車。そして銃。
ハンドルを握らせれば彼は悪魔だ。そう、エドガー・ライト監督に音楽と映像を与えれば、それは最高の作品になるのです。
ロマンスとして、成長物語として。どのキャラも印象強く、なにしろすべてが噛み合う感覚は、ただ観ているだけで幸せな映画体験。そんなわけで、第8位には「ベイビー・ドライバー」です。
第7位「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」
監督:ガブリエーレ・マイネッティ
街のゴロツキか、正義のヒーローか。
それは本人には到底決められない。人はヒーローになる素質を持っていないこともある。そして素質を得てもヒーローになるのは難しい。しかし、その人をヒーローと言ってくれる大切な人がいれば、その人のために私たちはみな鋼鉄ジーグになれるのです。
イタリアからのダークヒーロー映画、ガブリエーレ・マイネッティ監督の「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」が第7位。
第6位「パーソナル・ショッパー」
監督:オリヴィエ・アサイヤス
第6位には、オリヴィエ・アサイヤス監督、クリステン・スチュワート主演の「パーソナル・ショッパー」。おそらく今年一番心地よい曖昧さと、何度見てもまた違ったものが見えてくる面白さに溢れた作品でした。アサイヤス監督とクリステンはこれからも是非組んでもらいたいです。
媒体を通した何かとのつながり。キレのいいラストには感服です。
第5位 「ネオン・デーモン」
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
もう1年半以上前ですか。初めてLAの映画館で観てから、ついに日本公開、そして2017年の数ある名作を経ても私の中に残り続けた作品。
何かある。好みはもちろんわかれるはずですが、私にはマルティネスの音楽もブライエの撮影も全てがハマった一本。また、主演を文字通り喰ったジェナ・マローンがほんとに素晴らしかった。
レフン監督の次作は、日本が舞台という事で楽しみです。
第4位「ジョン・ウィック チャプター2」
監督:チャド・スタエルスキ
あの男に関するすべての逸話は、控えめに語られている。
第4位には、キアヌ・リーブスがスタエル関監督と共にアクション映画を更新した、「ジョン・ウィック チャプター2」です。深まる裏世界、煉獄へと堕ちていき極まっていく色彩。何しろ物量もすごければエレガンスも忘れない殺しのダンスが素晴らしい。
3作目がはやくも楽しみで仕方ないですね。
「ジョン・ウィック チャプター2」のレビューはこちらからどうぞ
第3位「レゴ・バットマン・ザ・ムービー」
監督:クリス・マッケイ
史上最高のバットマン映画。そういっても良いレベルの傑作。
第3位には、クリス・マッケイ監督による、実写レゴアニメーション映画がランクイン。
アクションも多く情報量も多く、終始ユーモア満載ながら、心にしみわたる家族のお話に、涙を禁じ得なかった本作。バットマンの歴史も何もかもを詰め込んで、愛いっぱいに彼に家族を与えてくれた。ジョーカーと手を取り、最後は笑って終わる、見事なバットマン映画でした。
第2位「ワンダーウーマン」
監督:パティ・ジェンキンス
堂々の第2位は、セミッシラからやってきたアマゾンの王女。
パティ・ジェンキンス監督によって、正しき心と勇敢さを美しく見せられたワンダーウーマンの念願の実写映画です。長らく待たれたこのダイアナ・プリンスの冒険は、素晴らしいガル・ガドットや、切ない演技を見せたクリス・パインによって、王道ヒーロー映画でありつつ、戦争ロマンスとしても最高でした。
第1位「あさがくるまえに」
監督:カテル・キレヴェレ
そして2017年に私が映画館で観た中で最も好きな作品は、カテル・キレヴェレ監督、「あさがくるまえに」です。
残されてこれからを生きる者たちが死を乗り越えるための、手術。かつて自転車をこいで高鳴ったその心臓。少年の愛が詰まったそのブラックボックスを、また誰かが受け継いでいく。誰しもに愛があり、人生がある。そんな人々の中で、誰一人かけてもいけない大きな海の中で、私も生きている。私の魂も、この手術を通して癒されたのでした。
デスプラの音楽もトム・アラリの撮影も。全編が美しい。
各部門ベスト
ここからはおまけの、自分で勝手に作った各部門のベストを。
正直ランキングに入れられなかったけど、何かの形で残したいというだけですw
ベストヒーロー
- キチジロー 「沈黙 -サイレンス-」
- ダニエル・ブレイク 「私はダニエル・ブレイク」
- ローガン/ウルヴァリン 「ローガン」
- ヨンドゥ 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」
- エンツォ/鋼鉄ジーグ 「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」
ベストヒロイン
- ワンダーウーマン/ダイアナ・プリンス 「ワンダーウーマン」
- モアナ 「モアナと伝説の海」
- マチルド 「夜明けの祈り」
- サフラジェットの女性たち 「未来を花束にして」
- ジャクリーン・ケネディ 「ジャッキー/ファーストレディ最後の使命」
ベストアンサンブル
- ジャック・ヒーリー&ホランド・マーチ 「ナイス・ガイズ!」
- 7人の男たち 「マグニフィセント・セブン」
ベストヴィラン
- カイロ・レン/ベン・ソロ 「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」
- ラヴ 「ブレードランナー2049」
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